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「へえ、ずいぶん必死なんだな。……いいぜ、条件によっては、水戸には手を出さないでやるよ」
「本当!?」
喜びの表情を浮かべる伊理穂に、三井が下卑た笑みを向ける。
「ああ。ただし、お前のカラダを差し出せ。それが条件だ」
「!」
三井の条件に、部員たちが息をのんだ。
「やめろ、伊理穂!」
「月瀬!」
流川と花道の制止の声を無視して、伊理穂は三井の瞳の奥をじっと見つめる。
「ほんとうに? ほんとうにそうすれば洋平には手を出さないのね?」
「ああ」
「今日だけじゃなくて、ずっと、絶対に洋平には手を出さないのよね?」
「そうだよ」
「バスケ部は? バスケ部も追加して。手を出さないって」
「……いいぜ」
その言葉に、伊理穂はすっと目を細めた。
こんなやつにカラダなんて差し出したくない。
伊理穂だってもう高校生だ。その意味くらいわかっている。
こんなやつに好きにされるなんて、考えただけで体中に悪寒が走って、吐き気が込み上げてくる。
頷いたら、何もかも終わりだ。
わかってる。
だけど。
脳裏によみがえる、過去の洋平の姿。
伊理穂は震える心で決意を固めると、口を開いた。
「――わかった。条件をのむ」
言うと、三井がくつくつと肩を震わせた。
花道の怒声が響き渡る。
「伊理穂、ダメだ! やめろ、そんな条件のむんじゃねえ! オレが助けてやるから! だいたいそんなやつが、約束を守るわけねえだろうが!」
「だまって、花道!」
「これがだまってられるか! お前がそんなことになったら洋平が……!」
「そんなの!」
伊理穂は花道の声を遮るように、声を荒げる。
「そんなの、花道やみんなが黙ってればすむことだわ!」
「伊理穂!」
駆け出す花道を見て、鉄男が再び伊理穂を羽交い絞めにする腕の力を強めた。
「うぁあっ!」
脳天を突き抜けるような激痛が走って、伊理穂は激しく身をよじった。
「! 伊理穂!」
足を止めた花道を見て、鉄男が腕の力を緩める。
伊理穂の頬を冷や汗が滴り落ちた。
痛みに荒くなった呼吸の隙間を縫うように、伊理穂は花道を見つめて言う。
「来な……いで、花道!」
「伊理穂!」
「いや……なの!」
「あ?」
「いやなの。……もう、あんな洋平見たくないの」
伊理穂の体に震えが走った。
傷ついた心。ぼろぼろの体。笑顔の消えた、洋平。
「もう、あんな風に荒れる洋平は見たくない! 花道ならわかるでしょう!?」
「伊理穂、でも!」
「もう絶対にいや! 殴られる洋平も、傷つく洋平も二度と見たくない! 洋平のことはわたしが守るんだから!! ――誰にも邪魔させない!」
「伊理穂……」
「本当!?」
喜びの表情を浮かべる伊理穂に、三井が下卑た笑みを向ける。
「ああ。ただし、お前のカラダを差し出せ。それが条件だ」
「!」
三井の条件に、部員たちが息をのんだ。
「やめろ、伊理穂!」
「月瀬!」
流川と花道の制止の声を無視して、伊理穂は三井の瞳の奥をじっと見つめる。
「ほんとうに? ほんとうにそうすれば洋平には手を出さないのね?」
「ああ」
「今日だけじゃなくて、ずっと、絶対に洋平には手を出さないのよね?」
「そうだよ」
「バスケ部は? バスケ部も追加して。手を出さないって」
「……いいぜ」
その言葉に、伊理穂はすっと目を細めた。
こんなやつにカラダなんて差し出したくない。
伊理穂だってもう高校生だ。その意味くらいわかっている。
こんなやつに好きにされるなんて、考えただけで体中に悪寒が走って、吐き気が込み上げてくる。
頷いたら、何もかも終わりだ。
わかってる。
だけど。
脳裏によみがえる、過去の洋平の姿。
伊理穂は震える心で決意を固めると、口を開いた。
「――わかった。条件をのむ」
言うと、三井がくつくつと肩を震わせた。
花道の怒声が響き渡る。
「伊理穂、ダメだ! やめろ、そんな条件のむんじゃねえ! オレが助けてやるから! だいたいそんなやつが、約束を守るわけねえだろうが!」
「だまって、花道!」
「これがだまってられるか! お前がそんなことになったら洋平が……!」
「そんなの!」
伊理穂は花道の声を遮るように、声を荒げる。
「そんなの、花道やみんなが黙ってればすむことだわ!」
「伊理穂!」
駆け出す花道を見て、鉄男が再び伊理穂を羽交い絞めにする腕の力を強めた。
「うぁあっ!」
脳天を突き抜けるような激痛が走って、伊理穂は激しく身をよじった。
「! 伊理穂!」
足を止めた花道を見て、鉄男が腕の力を緩める。
伊理穂の頬を冷や汗が滴り落ちた。
痛みに荒くなった呼吸の隙間を縫うように、伊理穂は花道を見つめて言う。
「来な……いで、花道!」
「伊理穂!」
「いや……なの!」
「あ?」
「いやなの。……もう、あんな洋平見たくないの」
伊理穂の体に震えが走った。
傷ついた心。ぼろぼろの体。笑顔の消えた、洋平。
「もう、あんな風に荒れる洋平は見たくない! 花道ならわかるでしょう!?」
「伊理穂、でも!」
「もう絶対にいや! 殴られる洋平も、傷つく洋平も二度と見たくない! 洋平のことはわたしが守るんだから!! ――誰にも邪魔させない!」
「伊理穂……」