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夢小説設定
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その入り口で、心配そうな顔をした晴子に声をかけられる。
「あっ、伊理穂ちゃん大丈夫?」
「晴子ちゃん。部活見に来てたんだー。大丈夫ってなにが?」
「あ、いや、今ここをすごい剣幕で流川くんのファンの子達が通ったから……。もしかして伊理穂ちゃん、なんかされたのかと思って」
「ああ。……ね、わたしも何かされるのかなぁって思ったんだけど、胃の心配された」
「は、胃?」
晴子が目を丸くする。
伊理穂はそれに苦笑を返した。
当事者の伊理穂だってわけがわからないのだ。晴子がわからなくて当然だ。
「うん。、そう。あなたの胃は健康かって。なんかよくわからないけど、いい人たちなのかもね?」
にこやかに言う伊理穂に、晴子がまだ混乱した様子で頷く。
と、そこに洋平がやってきた。
「よ、伊理穂。晴子ちゃん」
「あれ、洋平? どうしたの、今日バイトじゃないの?」
「ん、そうなんだけど、さっきテンチョーから連絡があって、時間が一時間遅れたんだ。だから花道でもからかってから行こうと思ってさ」
「そうなんだ」
「そんなことより二人ともどうしたんだ? 難しい顔して」
「あ、うんあのね……」
伊理穂は洋平に、先ほどあった出来事を話して聞かせた。
洋平がおかしそうに笑い声を上げる。
「ははっ! お前の胃は健康かって? なんだそりゃ!」
「ね、わからないでしょ? ――ハッ、もしかすると後日毒殺するぞって意味なのかな」
「まさか!」
「バーカ、なんでだよ」
「いやだって、よくよく考えたら胃の心配するなんておかしいじゃん」
想像すると、信憑性があって怖かった。
眉を寄せて低く唸っていると、頭にぽんと手が置かれた。
顔をあげると、洋平が優しい顔で微笑んでくる。
「そんなに不安なら、お前が口にするもん、先にオレんとこ持って来いよ。毒見してやっから」
「! それはイヤ!」
「はは、さすがの伊理穂チャンもオレと間接キスはイヤってか?」
「そうじゃなくって!」
とんちんかんな事を言う洋平に、伊理穂はぐっと拳を握り締めた。
間接キスを嫌がるなんてそんなわけないじゃないか。今更過ぎる。
そういうことじゃなくて。
「洋平を危険な目にさらすのが嫌なの! わたしの変わりに洋平が苦しむくらいなら、わたしは喜んで毒を呷ってやる!」
固い決意でそう言うと、洋平が驚いたように目を見開いた。
その顔が、うっすら赤く染まっているのは気のせいだろうか?
「洋平?」
こんな洋平を見るのは初めてで、伊理穂は様子を窺うように声をかけた。
洋平がハッとみじろぎして、バツが悪そうに男らしい大きな手で自身の顔を覆う。
「いや、ワリィ、なんでもねぇ」
「?」
洋平は一度大きく首を振ると、ゆっくりと手を外した。
そこにあるのはいつもの洋平の表情だった。
(赤く見えた気がしたのは、気のせいだったかな?)
それもそうだ。
洋平が顔を赤くしたところなんて、今まで見たことない。なのに、自分の発言で洋平が顔を赤くなんてするわけがなかった。
(逆に、なんでそんなこと思ったりしたんだろ)
「あっ、伊理穂ちゃん大丈夫?」
「晴子ちゃん。部活見に来てたんだー。大丈夫ってなにが?」
「あ、いや、今ここをすごい剣幕で流川くんのファンの子達が通ったから……。もしかして伊理穂ちゃん、なんかされたのかと思って」
「ああ。……ね、わたしも何かされるのかなぁって思ったんだけど、胃の心配された」
「は、胃?」
晴子が目を丸くする。
伊理穂はそれに苦笑を返した。
当事者の伊理穂だってわけがわからないのだ。晴子がわからなくて当然だ。
「うん。、そう。あなたの胃は健康かって。なんかよくわからないけど、いい人たちなのかもね?」
にこやかに言う伊理穂に、晴子がまだ混乱した様子で頷く。
と、そこに洋平がやってきた。
「よ、伊理穂。晴子ちゃん」
「あれ、洋平? どうしたの、今日バイトじゃないの?」
「ん、そうなんだけど、さっきテンチョーから連絡があって、時間が一時間遅れたんだ。だから花道でもからかってから行こうと思ってさ」
「そうなんだ」
「そんなことより二人ともどうしたんだ? 難しい顔して」
「あ、うんあのね……」
伊理穂は洋平に、先ほどあった出来事を話して聞かせた。
洋平がおかしそうに笑い声を上げる。
「ははっ! お前の胃は健康かって? なんだそりゃ!」
「ね、わからないでしょ? ――ハッ、もしかすると後日毒殺するぞって意味なのかな」
「まさか!」
「バーカ、なんでだよ」
「いやだって、よくよく考えたら胃の心配するなんておかしいじゃん」
想像すると、信憑性があって怖かった。
眉を寄せて低く唸っていると、頭にぽんと手が置かれた。
顔をあげると、洋平が優しい顔で微笑んでくる。
「そんなに不安なら、お前が口にするもん、先にオレんとこ持って来いよ。毒見してやっから」
「! それはイヤ!」
「はは、さすがの伊理穂チャンもオレと間接キスはイヤってか?」
「そうじゃなくって!」
とんちんかんな事を言う洋平に、伊理穂はぐっと拳を握り締めた。
間接キスを嫌がるなんてそんなわけないじゃないか。今更過ぎる。
そういうことじゃなくて。
「洋平を危険な目にさらすのが嫌なの! わたしの変わりに洋平が苦しむくらいなら、わたしは喜んで毒を呷ってやる!」
固い決意でそう言うと、洋平が驚いたように目を見開いた。
その顔が、うっすら赤く染まっているのは気のせいだろうか?
「洋平?」
こんな洋平を見るのは初めてで、伊理穂は様子を窺うように声をかけた。
洋平がハッとみじろぎして、バツが悪そうに男らしい大きな手で自身の顔を覆う。
「いや、ワリィ、なんでもねぇ」
「?」
洋平は一度大きく首を振ると、ゆっくりと手を外した。
そこにあるのはいつもの洋平の表情だった。
(赤く見えた気がしたのは、気のせいだったかな?)
それもそうだ。
洋平が顔を赤くしたところなんて、今まで見たことない。なのに、自分の発言で洋平が顔を赤くなんてするわけがなかった。
(逆に、なんでそんなこと思ったりしたんだろ)