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伊理穂の言葉に、結子が素っ頓狂な声を上げた。
その反応に、さらに伊理穂と洋平は笑みを深める。
「そうそう。あ、伊理穂んとこのお袋さんだけはヤンキーじゃねぇけど。確か伊理穂の親父さんが立ち上げた族に、うちのお袋と親父がいたんだよな」
「あー、言ってたねえそんなこと。洋平のお父さんがナンバーツーで、弥生さんが参謀なんだったっけ?」
暴走族に参謀ってなんなんだろうねと笑い合う伊理穂と洋平に、結子は頬を引きつらせた。洋平のリーゼント頭に視線をうつらせて、それでぽつりと呟く。
「じゃあ、水戸くんがヤンキーなのも、そんなご両親に憧れて?」
「オレ? ああ、いや……。それはまあ、別の理由……」
洋平がごまかすように微苦笑した。
その話題にそれ以上突っ込みが入らないよう、伊理穂も言葉を滑り込ませる。
「まあ、とにかく! そんなわけでわたしと洋平はずうっと一緒なわけです。だから幼馴染み離れなんて必要な・い・の!」
胸を張って言う伊理穂に洋平が意地悪な笑みを向ける。
「へえ。そんなんじゃいつまでたってもオトコできねぇぞ。なあ、流川」
言うと、洋平は流川に視線を向けた。
「なっ! 洋平! 流川くんは関係ないでしょー!」
突然矛先を流川に向けられて、伊理穂は大慌てで洋平のからだをぽかぽかと殴った。
洋平はいったい何を考えているんだろう。
(わたしが流川くんのこと好きなの知ってるくせに……!)
このタイミングで流川に振るなんてひどすぎる。
この前女の子たちに洋平のことで絡まれてたのを助けてくれたのも流川だし、それを考えれば流川が洋平のことを気にしていないとは思うけれど、それでも答えを聞くのがこわい。
伊理穂はおそるおそる流川の様子をうかがった。
それまで三人の傍で会話に混ざるでもなく昼食を食べていた流川は、ちらと洋平に一瞥を向けると、すぐに視線をお弁当に戻した。
「別に。ただの幼馴染みならカンケーねー」
「!」
流川のその言葉に、伊理穂は洋平を殴る手をぴたりと止めた。
知らず、頬に熱が集まっていく。
「だ、だよねー流川くん。もう、洋平変なこと言わないでよ」
「はは。――本当にカンケーないのかねえ」
「え?」
「いや、こっちの話だよ」
「…………」
洋平はどこか含みのある笑みを流川に向けると、伊理穂の頭をがしがしと撫でて、じゃあなと去って行った。
その洋平の後ろ姿を、伊理穂は眉をひそめて見送る。
「洋平……?」
最後に流川に向けた洋平の笑み。
どこかさびしそうに見えて、それがひどく伊理穂の心に引っかかった。
その反応に、さらに伊理穂と洋平は笑みを深める。
「そうそう。あ、伊理穂んとこのお袋さんだけはヤンキーじゃねぇけど。確か伊理穂の親父さんが立ち上げた族に、うちのお袋と親父がいたんだよな」
「あー、言ってたねえそんなこと。洋平のお父さんがナンバーツーで、弥生さんが参謀なんだったっけ?」
暴走族に参謀ってなんなんだろうねと笑い合う伊理穂と洋平に、結子は頬を引きつらせた。洋平のリーゼント頭に視線をうつらせて、それでぽつりと呟く。
「じゃあ、水戸くんがヤンキーなのも、そんなご両親に憧れて?」
「オレ? ああ、いや……。それはまあ、別の理由……」
洋平がごまかすように微苦笑した。
その話題にそれ以上突っ込みが入らないよう、伊理穂も言葉を滑り込ませる。
「まあ、とにかく! そんなわけでわたしと洋平はずうっと一緒なわけです。だから幼馴染み離れなんて必要な・い・の!」
胸を張って言う伊理穂に洋平が意地悪な笑みを向ける。
「へえ。そんなんじゃいつまでたってもオトコできねぇぞ。なあ、流川」
言うと、洋平は流川に視線を向けた。
「なっ! 洋平! 流川くんは関係ないでしょー!」
突然矛先を流川に向けられて、伊理穂は大慌てで洋平のからだをぽかぽかと殴った。
洋平はいったい何を考えているんだろう。
(わたしが流川くんのこと好きなの知ってるくせに……!)
このタイミングで流川に振るなんてひどすぎる。
この前女の子たちに洋平のことで絡まれてたのを助けてくれたのも流川だし、それを考えれば流川が洋平のことを気にしていないとは思うけれど、それでも答えを聞くのがこわい。
伊理穂はおそるおそる流川の様子をうかがった。
それまで三人の傍で会話に混ざるでもなく昼食を食べていた流川は、ちらと洋平に一瞥を向けると、すぐに視線をお弁当に戻した。
「別に。ただの幼馴染みならカンケーねー」
「!」
流川のその言葉に、伊理穂は洋平を殴る手をぴたりと止めた。
知らず、頬に熱が集まっていく。
「だ、だよねー流川くん。もう、洋平変なこと言わないでよ」
「はは。――本当にカンケーないのかねえ」
「え?」
「いや、こっちの話だよ」
「…………」
洋平はどこか含みのある笑みを流川に向けると、伊理穂の頭をがしがしと撫でて、じゃあなと去って行った。
その洋平の後ろ姿を、伊理穂は眉をひそめて見送る。
「洋平……?」
最後に流川に向けた洋平の笑み。
どこかさびしそうに見えて、それがひどく伊理穂の心に引っかかった。