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「はは。んなこと言ってねぇよ」
洋平は少し雑にがしがしと伊理穂の頭を撫でて、悪戯っ子のように歯を見せて笑った。
「お前が各方面に被害出してなくて安心した」
「ちょ! なによー、洋平! その言い方ぁ!」
もう怒った、とぷいっと横を向けば、洋平がおかしそうにくつくつ笑いながらそっぽ向いた伊理穂の頬をつついてくる。
「わーるかったって、伊理穂チャン。そう拗ねんなよ」
「……反省した?」
「したした」
「心がこもってなーいー!」
「はは、本当だって。ほら、伊理穂。あんまり拗ねてんと、これやんねぇぞ?」
「これ? ……わっ!」
なんだろうとあげた伊理穂の顔の上に、洋平がこつんと何かを置いた。
落とさないように顔の上に乗せられたそれを手に取ると、伊理穂は歓喜の声を上げる。
「わああ、ピアーズのベストアルバム!」
「それ、伊理穂欲しいって言ってただろ? お袋が買ったから貸してやれってさ」
「弥生さんが!? わああ、ありがとう! 今日お礼に行く!」
今にも小躍りしそうな伊理穂を、洋平は優しい表情で見ながら言う。
「今日、お袋夜勤だからいないぜ」
「あ、そうなの? じゃあ、明日お礼行く! そのまま洋平んちで夕飯食べてもいい?」
「あー、じゃあお袋に言っとくわ」
「うん! 弥生さんが夜勤なら洋平は今日うちでご飯食べるよね?」
「いや。オレは今日バイトだし、そのまま外ですまそうかと……」
「えー! ダメだよそんなの! 栄養ないって言ってるでしょー!」
「まあ、そうは言っても、お袋が夜勤の時に毎回世話になってんじゃ、千鶴さんにもワリィだろ」
苦笑する洋平に、伊理穂は顔の前で人差し指をちっちっちとふって見せる。
「わぁかってないな、洋平は。お母さんはそれが楽しいのよ。お母さんが作らないようだったらわたしが作るし。ね? ちゃんと栄養のあるもの食べなきゃダメ! 洋平、バイトのしすぎで倒れちゃうんだから」
「はいはい。わかったよ。じゃあ今日千鶴さんによろしく言っといてくれるか?」
「うん、もちろん」
喜ぶ伊理穂とは対照的に、洋平がやれやれ、と肩を竦める。
「それならわざわざCD持ってこなくてもよかったな」
「どうして?」
「いや、今日は会わないかもしれないと思ったから届けに来たんだ」
「えええ、そんなの呼んでくれたらすぐに会いに行くのに!」
「お前なぁ……。もうそろそろ幼馴染み離れしないと、どうすんだよ」
もう高校だぜ? 洋平は呆れたように言うと、ふうとため息をついた。
それに伊理穂が頬を膨らませる。
その様子を眺めがら、結子がへえと口を開いた。
「二人は当人同士だけじゃなくて、家族ぐるみの付き合いなの?」
その問いに、拗ねてる伊理穂をなだめながら洋平が口を開く。
「ああ。オレと伊理穂の親ってもともと学生の頃からの友人でさ。だから家も隣りに建ててんだよな。だから生まれたときから、こいつとこいつの両親とはずっと一緒」
「へー! なんかいいわね、それって! 素敵!」
「はは。でも実態知ったらびっくりするぜ。多分久遠さんが思ってるような素敵な友情じゃねぇから」
「?」
おかしそうにくつくつ笑いながら言う洋平に、結子が眉を寄せた。
伊理穂はそれを見て、自分も小さく笑い声を上げる。
「あー、うん。そうかもね。確かにクリーンな友情じゃあないかもね」
「? なによ、二人してくすくす笑って。どういう意味なの?」
「つまり、あれなのよ。洋平の親とうちの親は、ヤンキー仲間だったの」
「ヤンキー仲間ぁあ!?」
洋平は少し雑にがしがしと伊理穂の頭を撫でて、悪戯っ子のように歯を見せて笑った。
「お前が各方面に被害出してなくて安心した」
「ちょ! なによー、洋平! その言い方ぁ!」
もう怒った、とぷいっと横を向けば、洋平がおかしそうにくつくつ笑いながらそっぽ向いた伊理穂の頬をつついてくる。
「わーるかったって、伊理穂チャン。そう拗ねんなよ」
「……反省した?」
「したした」
「心がこもってなーいー!」
「はは、本当だって。ほら、伊理穂。あんまり拗ねてんと、これやんねぇぞ?」
「これ? ……わっ!」
なんだろうとあげた伊理穂の顔の上に、洋平がこつんと何かを置いた。
落とさないように顔の上に乗せられたそれを手に取ると、伊理穂は歓喜の声を上げる。
「わああ、ピアーズのベストアルバム!」
「それ、伊理穂欲しいって言ってただろ? お袋が買ったから貸してやれってさ」
「弥生さんが!? わああ、ありがとう! 今日お礼に行く!」
今にも小躍りしそうな伊理穂を、洋平は優しい表情で見ながら言う。
「今日、お袋夜勤だからいないぜ」
「あ、そうなの? じゃあ、明日お礼行く! そのまま洋平んちで夕飯食べてもいい?」
「あー、じゃあお袋に言っとくわ」
「うん! 弥生さんが夜勤なら洋平は今日うちでご飯食べるよね?」
「いや。オレは今日バイトだし、そのまま外ですまそうかと……」
「えー! ダメだよそんなの! 栄養ないって言ってるでしょー!」
「まあ、そうは言っても、お袋が夜勤の時に毎回世話になってんじゃ、千鶴さんにもワリィだろ」
苦笑する洋平に、伊理穂は顔の前で人差し指をちっちっちとふって見せる。
「わぁかってないな、洋平は。お母さんはそれが楽しいのよ。お母さんが作らないようだったらわたしが作るし。ね? ちゃんと栄養のあるもの食べなきゃダメ! 洋平、バイトのしすぎで倒れちゃうんだから」
「はいはい。わかったよ。じゃあ今日千鶴さんによろしく言っといてくれるか?」
「うん、もちろん」
喜ぶ伊理穂とは対照的に、洋平がやれやれ、と肩を竦める。
「それならわざわざCD持ってこなくてもよかったな」
「どうして?」
「いや、今日は会わないかもしれないと思ったから届けに来たんだ」
「えええ、そんなの呼んでくれたらすぐに会いに行くのに!」
「お前なぁ……。もうそろそろ幼馴染み離れしないと、どうすんだよ」
もう高校だぜ? 洋平は呆れたように言うと、ふうとため息をついた。
それに伊理穂が頬を膨らませる。
その様子を眺めがら、結子がへえと口を開いた。
「二人は当人同士だけじゃなくて、家族ぐるみの付き合いなの?」
その問いに、拗ねてる伊理穂をなだめながら洋平が口を開く。
「ああ。オレと伊理穂の親ってもともと学生の頃からの友人でさ。だから家も隣りに建ててんだよな。だから生まれたときから、こいつとこいつの両親とはずっと一緒」
「へー! なんかいいわね、それって! 素敵!」
「はは。でも実態知ったらびっくりするぜ。多分久遠さんが思ってるような素敵な友情じゃねぇから」
「?」
おかしそうにくつくつ笑いながら言う洋平に、結子が眉を寄せた。
伊理穂はそれを見て、自分も小さく笑い声を上げる。
「あー、うん。そうかもね。確かにクリーンな友情じゃあないかもね」
「? なによ、二人してくすくす笑って。どういう意味なの?」
「つまり、あれなのよ。洋平の親とうちの親は、ヤンキー仲間だったの」
「ヤンキー仲間ぁあ!?」