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(すごい……)
流川のプレーに、伊理穂はほう……と感嘆の息を漏らした。
鋭く研ぎ澄まされた眼差し。その奥に燃える闘志。体格からは想像できないほど繊細でなめらかなプレー。
その全てが伊理穂の胸を揺さぶって、どうしようもなかった。
「きゃああ流川くーん!」
すぐ近くで晴子の流川を呼ぶ声がする。
伊理穂の胸がちくりと痛んだ。
どうしてこんな気持ちになるんだろう。
晴子は大切な友達。その晴子は流川を好きだから、応援するのは当然なのに。
(? 待って、好き……?)
伊理穂は自分の思いつきに、ハタと思考を止めた。
(好きって……?)
伊理穂は流川を見つめてきゃあきゃあと声をあげる晴子をじっと見つめた。
当の晴子は伊理穂の視線になど気付きもしないで、一心に流川に声援を送っている。時折別方向から聞こえる流川への声援に、苦しそうに瞳を細めながら。
「…………」
伊理穂は晴子から視線を外すと、考え込むように顎に手を添えた。
上履きの先をじっと見つめながら、これまでのことを振り返るように思い出す。
(流川くんを見ると胸がどきどきして、時々きゅうってなって、他の女の子が騒ぐと苦しくて……)
それって、今の晴子と同じ状態ではないか? つまりそれは。
(もしかして、もしかしてわたし……流川くんが好きなの……?)
ばくんと心臓が高鳴った。
どんどんと心臓がまるで太鼓のように激しく鼓動する。
体中の血が沸騰したように熱い。
ゆっくりと視線を持ち上げて、伊理穂は流川を見た。
再び跳ね上がる心臓。
あまりの早さに胸が痛いくらいだ。
(どうしよう、洋平。どうしよう……!)
伊理穂は頬を押さえて、この場にいない幼馴染みの名前を心の中で呼んだ。
どうしたらいいのかわからない。
こんな気持ち初めてで。緊張して胸が高鳴ってどうしようもなくて、自分が自分でないみたいにまるで感情をコントロールできない。
(これが、恋なの……?)
昨日の洋平の言葉が耳元でよみがえる。
『その気持ちは大切なものだから』
ハッと伊理穂は瞠目する。
(洋平は、わたしが流川くんを好きだって気付いてたんだ……)
伊理穂本人ですら見抜けなかった気持ちを看破してしまうなんて、やっぱり洋平はすごい。
今すぐ洋平に会って、これを報告したかった。
洋平に気持ちに気付いた事を褒めてほしい。
よくわかったなと言って、優しく頭をなでてほしい。
この落ち着かなく拍動する心臓を、いつもの優しい笑顔で静めてほしかった。
(洋平。会いたいよ、洋平。どうして今日そばにいないの……?)
伊理穂はばくばくとうるさい心臓の音をなんとか宥めようと必死に深呼吸を繰り返した。
これを止めるにはどうすればいいんだろう。
今まで恋なんてしたことのない伊理穂には皆目検討もつかなかった。
流川のプレーに、伊理穂はほう……と感嘆の息を漏らした。
鋭く研ぎ澄まされた眼差し。その奥に燃える闘志。体格からは想像できないほど繊細でなめらかなプレー。
その全てが伊理穂の胸を揺さぶって、どうしようもなかった。
「きゃああ流川くーん!」
すぐ近くで晴子の流川を呼ぶ声がする。
伊理穂の胸がちくりと痛んだ。
どうしてこんな気持ちになるんだろう。
晴子は大切な友達。その晴子は流川を好きだから、応援するのは当然なのに。
(? 待って、好き……?)
伊理穂は自分の思いつきに、ハタと思考を止めた。
(好きって……?)
伊理穂は流川を見つめてきゃあきゃあと声をあげる晴子をじっと見つめた。
当の晴子は伊理穂の視線になど気付きもしないで、一心に流川に声援を送っている。時折別方向から聞こえる流川への声援に、苦しそうに瞳を細めながら。
「…………」
伊理穂は晴子から視線を外すと、考え込むように顎に手を添えた。
上履きの先をじっと見つめながら、これまでのことを振り返るように思い出す。
(流川くんを見ると胸がどきどきして、時々きゅうってなって、他の女の子が騒ぐと苦しくて……)
それって、今の晴子と同じ状態ではないか? つまりそれは。
(もしかして、もしかしてわたし……流川くんが好きなの……?)
ばくんと心臓が高鳴った。
どんどんと心臓がまるで太鼓のように激しく鼓動する。
体中の血が沸騰したように熱い。
ゆっくりと視線を持ち上げて、伊理穂は流川を見た。
再び跳ね上がる心臓。
あまりの早さに胸が痛いくらいだ。
(どうしよう、洋平。どうしよう……!)
伊理穂は頬を押さえて、この場にいない幼馴染みの名前を心の中で呼んだ。
どうしたらいいのかわからない。
こんな気持ち初めてで。緊張して胸が高鳴ってどうしようもなくて、自分が自分でないみたいにまるで感情をコントロールできない。
(これが、恋なの……?)
昨日の洋平の言葉が耳元でよみがえる。
『その気持ちは大切なものだから』
ハッと伊理穂は瞠目する。
(洋平は、わたしが流川くんを好きだって気付いてたんだ……)
伊理穂本人ですら見抜けなかった気持ちを看破してしまうなんて、やっぱり洋平はすごい。
今すぐ洋平に会って、これを報告したかった。
洋平に気持ちに気付いた事を褒めてほしい。
よくわかったなと言って、優しく頭をなでてほしい。
この落ち着かなく拍動する心臓を、いつもの優しい笑顔で静めてほしかった。
(洋平。会いたいよ、洋平。どうして今日そばにいないの……?)
伊理穂はばくばくとうるさい心臓の音をなんとか宥めようと必死に深呼吸を繰り返した。
これを止めるにはどうすればいいんだろう。
今まで恋なんてしたことのない伊理穂には皆目検討もつかなかった。