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「そんなに気にしなくていいのに。むしろわたしの方こそごめんね。ちょっと言い方冷たかったかもしれないなって反省したんだ……」
「伊理穂ちゃん……」
「晴子ちゃん……」
がしっと抱き合うと、花道の叫び声が聞こえてきた。
「ああー! 伊理穂!! お前ずるいぞハルコサンに抱きつくなんて……っ」
「へっへーん。いいだろー」
「ぬおお、伊理穂のやつ……っ!」
伊理穂はうぐぐと頭を抱えて羨ましがる花道に見せつけるように、さらに強く晴子を抱きしめてみせた。
と、そこに彩子が呆れたように口を挟む。
「ちょっと。楽しそうなとこ申し訳ないけれどあんたたちそこら辺にしときなさいよ。……晴子ちゃん、いいところに来たわよ。これから一年生対上級生で試合をするのよ」
「えっ、試合!?」
晴子の顔がぱあっと明るくなった。
「あ、桜木くんも出るの?」
晴子のその問いに、花道がうぐっと息を止めた。
伊理穂はそんな花道の頭を背伸びして撫でてやりながら、晴子にゆるゆると首を振る。
「ううん。花道はまだ基礎練習だから試合にはでれないよ」
「あ、そっか。桜木くんはまだバスケ始めたばっかりだもんね。仕方ないよね」
「うん」
「桜木くん、あせらないでね。地道な努力はいつか必ず報われるってお兄ちゃんが言ってたわ。わたしもそう思う」
晴子の言葉に、花道は瞳を潤ませた。
伊理穂は花道と晴子のそんな様子を見て、自身も頬を緩める。
いいなあ。ほんとうに可愛らしいカップルだ。
(うまくいったらいいのにね、花道)
心の中だけで花道に語りかけると、伊理穂は視線をウォーミングアップ中の選手たちに戻した。
その中から流川の姿を見つけ出して、じっとその姿を見つめる。
今日の試合は、実質赤木対流川の試合になるだろう。
(流川くん、がんばってね)
想いを込めながら流川を見ていると、ふいに流川がこちらを振り返った。
伊理穂と目が合うと、そのまましばらくの間流川がじっと見つめてきた。
(な、なに……!?)
途端にばくばくと早鐘を打つ胸を必死になだめながらその視線を受け止めていると、流川がふいと視線を外した。
何事もなかったかのようにウォーミングアップを再開する流川を見て、伊理穂はほっと胸を撫で下ろす。
(な、なんだったんだろう……)
真剣な、射抜くような眼差し。
あんな瞳で見つめられては、こちらの心臓が持たない。
今だって、そう長い時間のことではなかったのに、体中が火をつけられたように熱い。
赤らむ顔をどうすることもできなかった。
「ぬ。伊理穂、どうした?」
伊理穂の様子に気付いた花道が眉を寄せて声をかけてきた。
伊理穂は慌てて首を振る。
「あ、な、なんでもないよ」
「なんでも? 伊理穂、お前顔真っ赤だぞ?」
言いながら花道が伊理穂のおでこに手を伸ばしてきた。
反対の手を自分のそれにあてて、うーんと空を仰ぎ、唸る。
「伊理穂ちゃん……」
「晴子ちゃん……」
がしっと抱き合うと、花道の叫び声が聞こえてきた。
「ああー! 伊理穂!! お前ずるいぞハルコサンに抱きつくなんて……っ」
「へっへーん。いいだろー」
「ぬおお、伊理穂のやつ……っ!」
伊理穂はうぐぐと頭を抱えて羨ましがる花道に見せつけるように、さらに強く晴子を抱きしめてみせた。
と、そこに彩子が呆れたように口を挟む。
「ちょっと。楽しそうなとこ申し訳ないけれどあんたたちそこら辺にしときなさいよ。……晴子ちゃん、いいところに来たわよ。これから一年生対上級生で試合をするのよ」
「えっ、試合!?」
晴子の顔がぱあっと明るくなった。
「あ、桜木くんも出るの?」
晴子のその問いに、花道がうぐっと息を止めた。
伊理穂はそんな花道の頭を背伸びして撫でてやりながら、晴子にゆるゆると首を振る。
「ううん。花道はまだ基礎練習だから試合にはでれないよ」
「あ、そっか。桜木くんはまだバスケ始めたばっかりだもんね。仕方ないよね」
「うん」
「桜木くん、あせらないでね。地道な努力はいつか必ず報われるってお兄ちゃんが言ってたわ。わたしもそう思う」
晴子の言葉に、花道は瞳を潤ませた。
伊理穂は花道と晴子のそんな様子を見て、自身も頬を緩める。
いいなあ。ほんとうに可愛らしいカップルだ。
(うまくいったらいいのにね、花道)
心の中だけで花道に語りかけると、伊理穂は視線をウォーミングアップ中の選手たちに戻した。
その中から流川の姿を見つけ出して、じっとその姿を見つめる。
今日の試合は、実質赤木対流川の試合になるだろう。
(流川くん、がんばってね)
想いを込めながら流川を見ていると、ふいに流川がこちらを振り返った。
伊理穂と目が合うと、そのまましばらくの間流川がじっと見つめてきた。
(な、なに……!?)
途端にばくばくと早鐘を打つ胸を必死になだめながらその視線を受け止めていると、流川がふいと視線を外した。
何事もなかったかのようにウォーミングアップを再開する流川を見て、伊理穂はほっと胸を撫で下ろす。
(な、なんだったんだろう……)
真剣な、射抜くような眼差し。
あんな瞳で見つめられては、こちらの心臓が持たない。
今だって、そう長い時間のことではなかったのに、体中が火をつけられたように熱い。
赤らむ顔をどうすることもできなかった。
「ぬ。伊理穂、どうした?」
伊理穂の様子に気付いた花道が眉を寄せて声をかけてきた。
伊理穂は慌てて首を振る。
「あ、な、なんでもないよ」
「なんでも? 伊理穂、お前顔真っ赤だぞ?」
言いながら花道が伊理穂のおでこに手を伸ばしてきた。
反対の手を自分のそれにあてて、うーんと空を仰ぎ、唸る。