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先輩マネージャーの彩子に言われて、伊理穂はビブスを取りに体育倉庫へと向かった。
今日は湘北高校バスケ部の監督、安西光義が部活を指導しに来ていた。
安西監督って言ったら、公立のバスケ部監督にしてはちょっと有名で、監督目当てで湘北高校に進路を決める生徒も後を絶たないほどだ。
伊理穂もちょっとした先生のファンだったので、実際にその姿を見てちょっぴり胸が熱くなった。
見た目はただのカーネルおじさんで愛らしいのに、これが昔は悪魔のように恐ろしかっただなんてほんとうに信じられない。
今日はその安西監督の提案で、一年生対上級生で試合が行われる。
(洋平も今日、見に来れたらよかったのにな)
伊理穂は今頃バイトに励んでいるだろう幼馴染みを思った。
きっと洋平も楽しめたのに。
「伊理穂、まだ?」
そのとき、伊理穂は彩子に呼ばれてハッと我に返った。
いけない、ついうっかり考え事をして手が止まってしまっていた。
「はーい、今すぐ!」
伊理穂は返事を返すと、急いでビブスの入ったカゴを掴んで体育館へと引き返した。
「お待たせしました」
言ってビブスを床に置くと、部員たちがそれぞれ中からビブスを取り出して、練習着の上からそれを身につける。
安西監督は陵南高校と練習試合を決めてきたらしい。
今日のこの試合は、新入生の力を見る意味も兼ねてるんだろう。
思って伊理穂は流川を見た。
流川の心はもう試合のことでいっぱいなのか、いつもよりも少しだけ引き締められた凛々しい表情に、伊理穂の胸がとくとくと少し早い鼓動を奏でる。
(流川くんのプレーがこんなに早く見られるなんて……)
嬉しさに胸をはやらせていると、そこに晴子が現れた。
「こんにちは」
「あっ、晴子ちゃん!」
駆け寄る彩子に続いて伊理穂も傍まで行くと、晴子が突然伊理穂に向かって頭を下げてきた。
「伊理穂ちゃん、ごめんなさい!」
「え?」
わけがわからず戸惑う伊理穂に、晴子が重ねて言う。
「ほら、この前……。桜木くんがやめるって出てっちゃったときに、わたし、伊理穂ちゃんにひどいこと言っちゃって……」
「……? ……あ、あーあーあーあー!」
伊理穂は少し考えた後、ぽんと手の平を打った。
そうだ、思い出した。
どうして花道を追いかけないのかと、あのとき晴子とちょっとした口論になってしまったのだった。
晴子は伊理穂がすっかり忘れていた様子に若干気抜けした様子ながらも、それでも申し訳無さそうに伊理穂を見上げてきている。
伊理穂はそんな晴子ににこりと笑って見せた。
今日は湘北高校バスケ部の監督、安西光義が部活を指導しに来ていた。
安西監督って言ったら、公立のバスケ部監督にしてはちょっと有名で、監督目当てで湘北高校に進路を決める生徒も後を絶たないほどだ。
伊理穂もちょっとした先生のファンだったので、実際にその姿を見てちょっぴり胸が熱くなった。
見た目はただのカーネルおじさんで愛らしいのに、これが昔は悪魔のように恐ろしかっただなんてほんとうに信じられない。
今日はその安西監督の提案で、一年生対上級生で試合が行われる。
(洋平も今日、見に来れたらよかったのにな)
伊理穂は今頃バイトに励んでいるだろう幼馴染みを思った。
きっと洋平も楽しめたのに。
「伊理穂、まだ?」
そのとき、伊理穂は彩子に呼ばれてハッと我に返った。
いけない、ついうっかり考え事をして手が止まってしまっていた。
「はーい、今すぐ!」
伊理穂は返事を返すと、急いでビブスの入ったカゴを掴んで体育館へと引き返した。
「お待たせしました」
言ってビブスを床に置くと、部員たちがそれぞれ中からビブスを取り出して、練習着の上からそれを身につける。
安西監督は陵南高校と練習試合を決めてきたらしい。
今日のこの試合は、新入生の力を見る意味も兼ねてるんだろう。
思って伊理穂は流川を見た。
流川の心はもう試合のことでいっぱいなのか、いつもよりも少しだけ引き締められた凛々しい表情に、伊理穂の胸がとくとくと少し早い鼓動を奏でる。
(流川くんのプレーがこんなに早く見られるなんて……)
嬉しさに胸をはやらせていると、そこに晴子が現れた。
「こんにちは」
「あっ、晴子ちゃん!」
駆け寄る彩子に続いて伊理穂も傍まで行くと、晴子が突然伊理穂に向かって頭を下げてきた。
「伊理穂ちゃん、ごめんなさい!」
「え?」
わけがわからず戸惑う伊理穂に、晴子が重ねて言う。
「ほら、この前……。桜木くんがやめるって出てっちゃったときに、わたし、伊理穂ちゃんにひどいこと言っちゃって……」
「……? ……あ、あーあーあーあー!」
伊理穂は少し考えた後、ぽんと手の平を打った。
そうだ、思い出した。
どうして花道を追いかけないのかと、あのとき晴子とちょっとした口論になってしまったのだった。
晴子は伊理穂がすっかり忘れていた様子に若干気抜けした様子ながらも、それでも申し訳無さそうに伊理穂を見上げてきている。
伊理穂はそんな晴子ににこりと笑って見せた。