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言いながら、伊理穂がばしんと洋平の頬を挟むようにして叩いてきた。
「…………」
じんじんする痛みを頬に感じながら、洋平は脱力したようにがっくりとうなだれた。
「ああ、そうかよ……」
こっちは真剣に訴えているのに、こうまでも取り合ってもらえないと泣きたいどころかむしろ笑えてくる。
ベッドに腰掛けて手の平で顔を覆う洋平に、伊理穂が呑気に話しかけてくる。
「洋平? どしたの?」
「……オレ、伊理穂のこと大事だと思ってるけど、時々すごく殴りたい」
「ええ!? なにそれ!」
「いいよ。伊理穂チャンには一生わかんねぇよ。オレはいま、その認識を新たにして絶望した」
「ええ!? なんでー?」
「もういいから黙って、伊理穂チャン。オレ泣くわそろそろ」
「ええ!? な、なんかわからないけどごめんね、洋平?」
「いい。もうむしろオレが悪かったんだ。だから伊理穂は気にしなくていい」
洋平は気を取り直すように深く息を吐き出すと、困惑する伊理穂の頭を撫でた。
伊理穂は嬉しそうに微笑む。
「じゃあさ、ベッドで一緒に寝るよね?」
「はいはい、寝ますよ」
「起きたらいない……とかないよね?」
「朝まで一緒にいるよ。その代わり起こせよ」
「うん。明日は朝練あるから早いんだけどいい?」
伊理穂の言葉に洋平は頷いた。
「いいよ。心配だから一緒に行く」
言うと、伊理穂は嬉しそうに微笑んだ。
その笑顔を見て、思わず洋平の頬もほころぶ。
しばらくこのままでもいいか。
そんな風に思いながら二人で布団に入った。
部屋の電気を消して、寝ようと目を瞑ったとき。
ふと伊理穂が戸惑うように話しかけてきた。
「ねえ、洋平」
「ん?」
背を向けていた体を伊理穂の方に向きなおして、洋平は目の前で横たわる伊理穂を見つめる。
「あ、あのね……」
伊理穂はしばらく言いにくそうに口を動かした後、意を決したように声を出した。
「る、流川くんのことなんだけど!」
「流川? 流川がどうした?」
伊理穂の口から出てきたその名前に、洋平の胸が鉛を落とされたように重くなる。
「う、うん。あの、最近、変なの……」
「流川が?」
「あ、ううん。違うの。流川くんじゃなくて、その、えっと……」
言い淀む伊理穂。何を言わんとしているのかがわかってしまって、洋平は苦笑を零す。
「伊理穂が、か?」
「……うん」
助け舟を出されたことで緊張が少しほぐれたのか、伊理穂の口が次第になめらかになっていく。
「あのね、流川くんのこと考えると、最近、胸の辺りがきゅうってなるの。突然苦しくなったり、鼓動が早くなったり、他の女の人が流川くんを見て騒いでいるともやもやしたり……」
「…………」
「…………」
じんじんする痛みを頬に感じながら、洋平は脱力したようにがっくりとうなだれた。
「ああ、そうかよ……」
こっちは真剣に訴えているのに、こうまでも取り合ってもらえないと泣きたいどころかむしろ笑えてくる。
ベッドに腰掛けて手の平で顔を覆う洋平に、伊理穂が呑気に話しかけてくる。
「洋平? どしたの?」
「……オレ、伊理穂のこと大事だと思ってるけど、時々すごく殴りたい」
「ええ!? なにそれ!」
「いいよ。伊理穂チャンには一生わかんねぇよ。オレはいま、その認識を新たにして絶望した」
「ええ!? なんでー?」
「もういいから黙って、伊理穂チャン。オレ泣くわそろそろ」
「ええ!? な、なんかわからないけどごめんね、洋平?」
「いい。もうむしろオレが悪かったんだ。だから伊理穂は気にしなくていい」
洋平は気を取り直すように深く息を吐き出すと、困惑する伊理穂の頭を撫でた。
伊理穂は嬉しそうに微笑む。
「じゃあさ、ベッドで一緒に寝るよね?」
「はいはい、寝ますよ」
「起きたらいない……とかないよね?」
「朝まで一緒にいるよ。その代わり起こせよ」
「うん。明日は朝練あるから早いんだけどいい?」
伊理穂の言葉に洋平は頷いた。
「いいよ。心配だから一緒に行く」
言うと、伊理穂は嬉しそうに微笑んだ。
その笑顔を見て、思わず洋平の頬もほころぶ。
しばらくこのままでもいいか。
そんな風に思いながら二人で布団に入った。
部屋の電気を消して、寝ようと目を瞑ったとき。
ふと伊理穂が戸惑うように話しかけてきた。
「ねえ、洋平」
「ん?」
背を向けていた体を伊理穂の方に向きなおして、洋平は目の前で横たわる伊理穂を見つめる。
「あ、あのね……」
伊理穂はしばらく言いにくそうに口を動かした後、意を決したように声を出した。
「る、流川くんのことなんだけど!」
「流川? 流川がどうした?」
伊理穂の口から出てきたその名前に、洋平の胸が鉛を落とされたように重くなる。
「う、うん。あの、最近、変なの……」
「流川が?」
「あ、ううん。違うの。流川くんじゃなくて、その、えっと……」
言い淀む伊理穂。何を言わんとしているのかがわかってしまって、洋平は苦笑を零す。
「伊理穂が、か?」
「……うん」
助け舟を出されたことで緊張が少しほぐれたのか、伊理穂の口が次第になめらかになっていく。
「あのね、流川くんのこと考えると、最近、胸の辺りがきゅうってなるの。突然苦しくなったり、鼓動が早くなったり、他の女の人が流川くんを見て騒いでいるともやもやしたり……」
「…………」