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「大丈夫だよ。負けそうなやつからはちゃんと逃げるから」
「……絶対約束だからね。無理なケンカはしないって」
「ああ、約束だ」
「…………」
じっと図るように見つめてくる伊理穂の瞳を、しばらくの間正面から見つめ返してやると、やっと伊理穂が安心したのかにっこり微笑んだ。
「うん、信じる!」
「サンキュ」
伊理穂は洋平の返事を聞くと、突然すっくと立ち上がった。
眠くなったんだろう、伊理穂は鼻歌を歌いながらベッドを整えている。
「洋平! 洋平もベッドで一緒でいいよね?」
伊理穂の家も、洋平がよく泊まるからと、ダブルベッドを購入していた。
伊理穂はベッドの上に座って枕を二つ並べながら、にこにこと洋平を振り返る。
洋平はそれに苦笑を零した。
こちらの気も知らないで、つくづくこの幼馴染みは呑気なものだ。
「いや、オレは今日は下でいいよ」
「ええ!? どうして!? 下で寝るっていってもお布団ないよ?」
「いいよ。伊理穂が寝たらオレも自分の部屋に帰るから」
昨日、眠っている伊理穂にキスをしてしまってから、洋平は伊理穂と一緒に寝るのが怖くなった。
どんなに伊理穂を大事に想っていても、自分は男だ。
いつか理性が崩壊して、伊理穂を傷つけてしまう日が来るかもしれない。
それが洋平にはたまらなく怖かった。
瞳を伏せて言う洋平に、そんなことは露とも知らない伊理穂が表情を止める。
「え……? なんで……?」
伊理穂は泣きそうな顔で洋平の服の裾を掴んだ。
「一緒に寝るの嫌なの? わたしのこと嫌いになった?」
「そういうわけじゃねぇよ。でもいくら幼馴染みだからって、この歳になってまで一緒のベッドに寝るなんて異常だろ?」
「そんなことないよ」
「そんなことあるよ。異常なんだ」
洋平は伊理穂に向き直った。
伊理穂のすぐ背後にある壁に両手をついて、ベッドの上に座る伊理穂を自分の腕の中に閉じ込める。
どうか、気付いてくれ。
洋平は心の中で叫ぶ。
「――オレは男で、伊理穂は女なんだから……」
一生保護者のままでも構わない。
だけど、せめて、この事実だけでも。
自分は男なんだという事実だけでも。
どうか気付いてくれ……。
祈るような気持ちで洋平は伊理穂を見つめた。
腕の中の伊理穂は、大きな瞳をさらに大きく見開いて、驚いたように洋平を見つめている。
そんな表情さえ愛しくて、洋平は締め付けるような胸の痛みに耐えて伊理穂の答えを待った。
「…………」
「…………」
しばらく見つめあった後。ふいに伊理穂が、あははとおかしそうに笑った。
このシチュエーションにそぐわない伊理穂のその笑顔に、思わず洋平が眉をひそめると、伊理穂がさらに信じられないことを口にした。
「洋平ったら真剣な表情で何言ってるのー、もう! あんまり深刻そうに言うから、一瞬びっくりしちゃったよー」
「…………は?」
「だーかーらー! 今更わたしたちの間で男も女もないでしょって。そんなの洋平が一番よく知ってるくせに!」
「……絶対約束だからね。無理なケンカはしないって」
「ああ、約束だ」
「…………」
じっと図るように見つめてくる伊理穂の瞳を、しばらくの間正面から見つめ返してやると、やっと伊理穂が安心したのかにっこり微笑んだ。
「うん、信じる!」
「サンキュ」
伊理穂は洋平の返事を聞くと、突然すっくと立ち上がった。
眠くなったんだろう、伊理穂は鼻歌を歌いながらベッドを整えている。
「洋平! 洋平もベッドで一緒でいいよね?」
伊理穂の家も、洋平がよく泊まるからと、ダブルベッドを購入していた。
伊理穂はベッドの上に座って枕を二つ並べながら、にこにこと洋平を振り返る。
洋平はそれに苦笑を零した。
こちらの気も知らないで、つくづくこの幼馴染みは呑気なものだ。
「いや、オレは今日は下でいいよ」
「ええ!? どうして!? 下で寝るっていってもお布団ないよ?」
「いいよ。伊理穂が寝たらオレも自分の部屋に帰るから」
昨日、眠っている伊理穂にキスをしてしまってから、洋平は伊理穂と一緒に寝るのが怖くなった。
どんなに伊理穂を大事に想っていても、自分は男だ。
いつか理性が崩壊して、伊理穂を傷つけてしまう日が来るかもしれない。
それが洋平にはたまらなく怖かった。
瞳を伏せて言う洋平に、そんなことは露とも知らない伊理穂が表情を止める。
「え……? なんで……?」
伊理穂は泣きそうな顔で洋平の服の裾を掴んだ。
「一緒に寝るの嫌なの? わたしのこと嫌いになった?」
「そういうわけじゃねぇよ。でもいくら幼馴染みだからって、この歳になってまで一緒のベッドに寝るなんて異常だろ?」
「そんなことないよ」
「そんなことあるよ。異常なんだ」
洋平は伊理穂に向き直った。
伊理穂のすぐ背後にある壁に両手をついて、ベッドの上に座る伊理穂を自分の腕の中に閉じ込める。
どうか、気付いてくれ。
洋平は心の中で叫ぶ。
「――オレは男で、伊理穂は女なんだから……」
一生保護者のままでも構わない。
だけど、せめて、この事実だけでも。
自分は男なんだという事実だけでも。
どうか気付いてくれ……。
祈るような気持ちで洋平は伊理穂を見つめた。
腕の中の伊理穂は、大きな瞳をさらに大きく見開いて、驚いたように洋平を見つめている。
そんな表情さえ愛しくて、洋平は締め付けるような胸の痛みに耐えて伊理穂の答えを待った。
「…………」
「…………」
しばらく見つめあった後。ふいに伊理穂が、あははとおかしそうに笑った。
このシチュエーションにそぐわない伊理穂のその笑顔に、思わず洋平が眉をひそめると、伊理穂がさらに信じられないことを口にした。
「洋平ったら真剣な表情で何言ってるのー、もう! あんまり深刻そうに言うから、一瞬びっくりしちゃったよー」
「…………は?」
「だーかーらー! 今更わたしたちの間で男も女もないでしょって。そんなの洋平が一番よく知ってるくせに!」