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伊理穂がごめんごめんと謝ると、洋平がその頭を少し乱暴に撫でた。
その時、近くで空気を裂くようなホイッスルが鳴り響いた。
振り返ると、体育教師が来ていた。
「あ、先生だ」
伊理穂たちはそちらへと向き直った。
「よう、流川。さっきはサンキューな。伊理穂の靴紐結んでくれてよ」
ソフトボールの試合待機中、洋平は同じく試合待ちをしていた流川に近寄って話しかけた。
流川は洋平にちらと視線を向けると、すぐまた目の前の試合に視線を戻す。
「別に。オメーに礼を言われることじゃねー」
「はは。それはそうだな。でも、ま、一応保護者代わりってことで聞いてくれよ」
「…………」
洋平の言葉に流川は含みのある表情で沈黙した。
洋平はそれを隙のない瞳で眺めると、さらに言葉を続ける。
「……今日、伊理穂を送ってくれんだって?」
「…………」
流川は沈黙して答えない。
「…………」
しばらく待ってみても流川は何も答えないので、洋平は諦めたように小さく息を吐き出した。
相変わらず、こっちにはつゆほどの興味も示さない流川の態度。
胸の奥底で燻る不快な感情を押し隠して、洋平は殊更明るい声音で流川に言う。
「今日、伊理穂のことよろしく頼むな」
そうして流川に背を向けたとき。
「オイ」
流川の声が追いかけてきた。
「ん?」
振り向いた洋平の目に、流川の鋭い眼差しが飛び込んでくる。
(!)
思わず息を呑んだ。
まるでこちらを威嚇するようなその目。
胸で燻っていた不快な感情に、火がつき始める。
「オメー、月瀬が好きなのか?」
「はは、随分直球な質問だな」
「…………」
燃えるような瞳で洋平を見る流川。
洋平はその視線を真っ向から受け止めて、口許に不敵な笑みをのぼらせる。
「好きだぜ」
答えると、流川の双眸が一層鋭くなった。
切れそうなその眼差しにも一歩も怯むことなく、洋平はそれをしっかり見つめ返す。
しばらくにらみ合っていると、流川がゆっくり唇を持ち上げた。
「オメーに月瀬は渡さねー」
「!」
その時、近くで空気を裂くようなホイッスルが鳴り響いた。
振り返ると、体育教師が来ていた。
「あ、先生だ」
伊理穂たちはそちらへと向き直った。
「よう、流川。さっきはサンキューな。伊理穂の靴紐結んでくれてよ」
ソフトボールの試合待機中、洋平は同じく試合待ちをしていた流川に近寄って話しかけた。
流川は洋平にちらと視線を向けると、すぐまた目の前の試合に視線を戻す。
「別に。オメーに礼を言われることじゃねー」
「はは。それはそうだな。でも、ま、一応保護者代わりってことで聞いてくれよ」
「…………」
洋平の言葉に流川は含みのある表情で沈黙した。
洋平はそれを隙のない瞳で眺めると、さらに言葉を続ける。
「……今日、伊理穂を送ってくれんだって?」
「…………」
流川は沈黙して答えない。
「…………」
しばらく待ってみても流川は何も答えないので、洋平は諦めたように小さく息を吐き出した。
相変わらず、こっちにはつゆほどの興味も示さない流川の態度。
胸の奥底で燻る不快な感情を押し隠して、洋平は殊更明るい声音で流川に言う。
「今日、伊理穂のことよろしく頼むな」
そうして流川に背を向けたとき。
「オイ」
流川の声が追いかけてきた。
「ん?」
振り向いた洋平の目に、流川の鋭い眼差しが飛び込んでくる。
(!)
思わず息を呑んだ。
まるでこちらを威嚇するようなその目。
胸で燻っていた不快な感情に、火がつき始める。
「オメー、月瀬が好きなのか?」
「はは、随分直球な質問だな」
「…………」
燃えるような瞳で洋平を見る流川。
洋平はその視線を真っ向から受け止めて、口許に不敵な笑みをのぼらせる。
「好きだぜ」
答えると、流川の双眸が一層鋭くなった。
切れそうなその眼差しにも一歩も怯むことなく、洋平はそれをしっかり見つめ返す。
しばらくにらみ合っていると、流川がゆっくり唇を持ち上げた。
「オメーに月瀬は渡さねー」
「!」