4
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ちょっと洋平! なにそのいい加減な言い方」
「はは、そんなことないって。寂しい寂しい」
「もう、洋平!」
流すように言う洋平に伊理穂が頬を膨らませていると、流川が声をかけてきた。
「月瀬」
「流川くん? なに?」
「靴紐。ほどけてる」
「あ、ほんとうだ。気づかないでソフトしてたら危なかったー。ありがとう、流川くん」
言われて足元を見てみると、右の靴紐がほどけていた。
結びなすために身をかがめようとすると、流川がそれを制止する。
「流川くん?」
不思議に思って伊理穂が首をかしげていると、おもむろに流川が伊理穂の足元にしゃがんだ。
手を伸ばして伊理穂の靴紐を直しはじめる。
流川のその行動に、その場にいた全員が驚きに目を見開いた。
「るっ、流川くん!?」
予想外の事態に、伊理穂の声が上ずった。
(わ、ちょっと待って、なんでなんで!?)
混乱と驚きで、伊理穂の心臓が忙しなく動き出す。
なのに足は彫像のように動かない。
スニーカー越しに流川の手の感触が伝わってきて、伊理穂のからだが熱くなる。
「わわ、る、流川くん、大丈夫だよ! 靴紐くらい、わたし、結べるよ!?」
気を動転させながらしどろもどろで言うと、流川が手を止めずに首を振った。
「コツがある。月瀬の結び方は甘い。だからすぐほどける。……左足も出せ。直してやる」
「あ、ありがとう」
流川は右の靴紐をきっちり結び終えて、今度は左足に手を伸ばした。
伊理穂は顔を赤く染めながら、自分の靴紐を結んでくれている流川の後頭部をじっと見つめる。
「へぇえ。流川、伊理穂には随分優しいのねえ」
と、結子が嫌味たっぷりに言った。
流川はそれを平然と無視して、伊理穂の靴紐を結び続けている。
「ぐああ、もうほんとうにムカツク男だわこいつ!」
伊理穂は無視されて憤慨する結子をまあまあとなだめながら、再び視線を流川に戻した。
流川の大きくて、でも繊細な白い手が、伊理穂のスニーカーの上でなめらかに動く。
輪をくぐらせて、ぎゅっと引っ張って。手を離すと綺麗なちょうちょ結びが出来上がっていた。
「わあ……。流川くん、上手だねえ」
感心して言うと、体を起こした流川がさらりと言った。
「いつも自分のバッシュ結んでんだ。これぐらいなんでもねー」
「そっか。ね、流川くん。今度靴紐の結び方教えてくれる?」
さすがに毎回やってもらうわけにはいかない。
お願いすると、流川がこくんと小さくうなずいた。
嬉しくなって伊理穂は満面の笑顔を浮かべる。
「ありがとう! でも、わたしもバスケ部でバッシュ履いてたんだけどなあ」
伊理穂が首を捻りながら言うと、洋平が小さく笑いながら口を挟んだ。
「お前のバッシュはいつもオレが結んでやってただろ」
「ああ、そういえばそうだったね!」
「あのなあ。忘れてんなよ伊理穂チャン。まあ、いいけどよ」
「はは、そんなことないって。寂しい寂しい」
「もう、洋平!」
流すように言う洋平に伊理穂が頬を膨らませていると、流川が声をかけてきた。
「月瀬」
「流川くん? なに?」
「靴紐。ほどけてる」
「あ、ほんとうだ。気づかないでソフトしてたら危なかったー。ありがとう、流川くん」
言われて足元を見てみると、右の靴紐がほどけていた。
結びなすために身をかがめようとすると、流川がそれを制止する。
「流川くん?」
不思議に思って伊理穂が首をかしげていると、おもむろに流川が伊理穂の足元にしゃがんだ。
手を伸ばして伊理穂の靴紐を直しはじめる。
流川のその行動に、その場にいた全員が驚きに目を見開いた。
「るっ、流川くん!?」
予想外の事態に、伊理穂の声が上ずった。
(わ、ちょっと待って、なんでなんで!?)
混乱と驚きで、伊理穂の心臓が忙しなく動き出す。
なのに足は彫像のように動かない。
スニーカー越しに流川の手の感触が伝わってきて、伊理穂のからだが熱くなる。
「わわ、る、流川くん、大丈夫だよ! 靴紐くらい、わたし、結べるよ!?」
気を動転させながらしどろもどろで言うと、流川が手を止めずに首を振った。
「コツがある。月瀬の結び方は甘い。だからすぐほどける。……左足も出せ。直してやる」
「あ、ありがとう」
流川は右の靴紐をきっちり結び終えて、今度は左足に手を伸ばした。
伊理穂は顔を赤く染めながら、自分の靴紐を結んでくれている流川の後頭部をじっと見つめる。
「へぇえ。流川、伊理穂には随分優しいのねえ」
と、結子が嫌味たっぷりに言った。
流川はそれを平然と無視して、伊理穂の靴紐を結び続けている。
「ぐああ、もうほんとうにムカツク男だわこいつ!」
伊理穂は無視されて憤慨する結子をまあまあとなだめながら、再び視線を流川に戻した。
流川の大きくて、でも繊細な白い手が、伊理穂のスニーカーの上でなめらかに動く。
輪をくぐらせて、ぎゅっと引っ張って。手を離すと綺麗なちょうちょ結びが出来上がっていた。
「わあ……。流川くん、上手だねえ」
感心して言うと、体を起こした流川がさらりと言った。
「いつも自分のバッシュ結んでんだ。これぐらいなんでもねー」
「そっか。ね、流川くん。今度靴紐の結び方教えてくれる?」
さすがに毎回やってもらうわけにはいかない。
お願いすると、流川がこくんと小さくうなずいた。
嬉しくなって伊理穂は満面の笑顔を浮かべる。
「ありがとう! でも、わたしもバスケ部でバッシュ履いてたんだけどなあ」
伊理穂が首を捻りながら言うと、洋平が小さく笑いながら口を挟んだ。
「お前のバッシュはいつもオレが結んでやってただろ」
「ああ、そういえばそうだったね!」
「あのなあ。忘れてんなよ伊理穂チャン。まあ、いいけどよ」