終
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「よう……へい……っ」
「好きだ、伊理穂。本当に……本当に、心の底から愛してるんだ」
信じられない気持ちで、伊理穂は洋平の言葉を聞いた。
洋平が自分を好きだなんて。嫌いだと言ったほうがうそだったなんて、いまだに信じられない。
だけど、切なそうに眉を寄せて、必死で伊理穂に伝えようとしてくれる洋平の言葉が、偽りだなんてとても思えなかった。
「洋平……」
おそるおそる伊理穂は、自分を抱きしめてくれている洋平のからだに腕をまわす。
と、洋平の自分を抱く腕の力が少しだけ強くなった。
「自分でも、吐き気がするくらいムシのいい話だってわかってる……! でも、だけど、もう一度……もう一度オレをお前のそばにいさせてくれないか……?」
「ようへい……っ」
洋平の真剣な言葉がするすると伊理穂の中に入っていく。
そうして伊理穂の傷ついた心を、優しく包み込んでいく。
「幼馴染みとしてでいい。もちろん、オレはお前を愛してる。だから……前みたいな関係には戻れねぇ。一緒に……寝たりとか。そういうのは、もうしてやれねえ。だけど、お前の力になりたい。お前が弱ったときは、いつでもそばにいて、お前が笑顔でいれるように守ってやりたいんだ。伊理穂……! 頼む。どうか、もう一度……オレをお前のそばにいさせてくれ」
祈るように言う洋平を見上げると、伊理穂はつま先に力を入れて背伸びをした。
苦しそうに瞳を閉じる洋平の唇に、そっと自分のそれをあてがう。
「!」
一瞬だけ触れ合わせてすぐに離れると、洋平が驚いたようにハッと目を見開いた。
動揺する洋平に、伊理穂は涙を堪えて微笑んでみせる。
「伊理穂……。お前、いま……」
「洋平……幼馴染みのままなんていやだよ。わたしも……わたしも、洋平が好き」
「……え?」
「本当はわたしも、洋平のこと、ずっとずっと好きだったの」
「伊理穂……?」
洋平がますます混乱したように眉間の皺を深くした。
当たり前だ。
自分は洋平に流川とのことを相談して、おまけに流川と付き合ったのだ。
ずっと好きだったなんて言ったって、信じてもらえるわけがない。
(だけど、洋平の気持ち……ちゃんと伝わったから……)
きっと自分の気持ちも洋平に伝えることが出来るはずだ。
伊理穂は洋平を見上げると、少しでも胸のうちが伝わるように、必死に言葉を紡ぐ。
「洋平が好き。小さな頃から、わたしは洋平のことがずっとずっと好きだった。だけど……三年前に、洋平の人生をわたしがめちゃくちゃに壊しておいて、洋平のこと……好きになる資格なんて、ないと思った……。だから、ずっとその気持ちに蓋をして、気づかないふりしてたの。そうすれば、ずっと洋平のそばにいられると思ったから……。楓くんへの気持ちもうそじゃなかった。だけど、洋平がわたしから離れていっちゃって、そうしたら突然、閉じ込めてた感情が爆発したように溢れかえって、自分の……洋平を好きっていう……ほんとうの気持ちを、思い出して……。洋平には嫌われてるって思ってたから、もうどうにもならないってわかってたけど、でもそれでもそのまま楓くんと付き合い続けるなんてできなくて、だから別れたの……」
伊理穂はそこで一度言葉を切った。
洋平の気持ちは充分に伝わっていたけれど、それでもまだ怖かった。
ふとした拍子に、お前なんて嫌いだよといった、あの日の洋平が脳裏にフラッシュバックする。
震える指で洋平の服の裾をつかむと、伊理穂は期待と不安に揺れる瞳で、おそるおそる洋平を見上げた。
その瞳の奥から真実を探すように、伊理穂はじっと洋平を見つめる。
「洋平、ほんとうに……? わたしがそばにいてもいいの……? 苦しく……ないの? 嫌いじゃ……ない? わたし、洋平の人生をめちゃくちゃにしておいて、それなのに、好きって言ってもらえて……わたしも、好きでいていいの? 洋平……」
「伊理穂……」
「好きだ、伊理穂。本当に……本当に、心の底から愛してるんだ」
信じられない気持ちで、伊理穂は洋平の言葉を聞いた。
洋平が自分を好きだなんて。嫌いだと言ったほうがうそだったなんて、いまだに信じられない。
だけど、切なそうに眉を寄せて、必死で伊理穂に伝えようとしてくれる洋平の言葉が、偽りだなんてとても思えなかった。
「洋平……」
おそるおそる伊理穂は、自分を抱きしめてくれている洋平のからだに腕をまわす。
と、洋平の自分を抱く腕の力が少しだけ強くなった。
「自分でも、吐き気がするくらいムシのいい話だってわかってる……! でも、だけど、もう一度……もう一度オレをお前のそばにいさせてくれないか……?」
「ようへい……っ」
洋平の真剣な言葉がするすると伊理穂の中に入っていく。
そうして伊理穂の傷ついた心を、優しく包み込んでいく。
「幼馴染みとしてでいい。もちろん、オレはお前を愛してる。だから……前みたいな関係には戻れねぇ。一緒に……寝たりとか。そういうのは、もうしてやれねえ。だけど、お前の力になりたい。お前が弱ったときは、いつでもそばにいて、お前が笑顔でいれるように守ってやりたいんだ。伊理穂……! 頼む。どうか、もう一度……オレをお前のそばにいさせてくれ」
祈るように言う洋平を見上げると、伊理穂はつま先に力を入れて背伸びをした。
苦しそうに瞳を閉じる洋平の唇に、そっと自分のそれをあてがう。
「!」
一瞬だけ触れ合わせてすぐに離れると、洋平が驚いたようにハッと目を見開いた。
動揺する洋平に、伊理穂は涙を堪えて微笑んでみせる。
「伊理穂……。お前、いま……」
「洋平……幼馴染みのままなんていやだよ。わたしも……わたしも、洋平が好き」
「……え?」
「本当はわたしも、洋平のこと、ずっとずっと好きだったの」
「伊理穂……?」
洋平がますます混乱したように眉間の皺を深くした。
当たり前だ。
自分は洋平に流川とのことを相談して、おまけに流川と付き合ったのだ。
ずっと好きだったなんて言ったって、信じてもらえるわけがない。
(だけど、洋平の気持ち……ちゃんと伝わったから……)
きっと自分の気持ちも洋平に伝えることが出来るはずだ。
伊理穂は洋平を見上げると、少しでも胸のうちが伝わるように、必死に言葉を紡ぐ。
「洋平が好き。小さな頃から、わたしは洋平のことがずっとずっと好きだった。だけど……三年前に、洋平の人生をわたしがめちゃくちゃに壊しておいて、洋平のこと……好きになる資格なんて、ないと思った……。だから、ずっとその気持ちに蓋をして、気づかないふりしてたの。そうすれば、ずっと洋平のそばにいられると思ったから……。楓くんへの気持ちもうそじゃなかった。だけど、洋平がわたしから離れていっちゃって、そうしたら突然、閉じ込めてた感情が爆発したように溢れかえって、自分の……洋平を好きっていう……ほんとうの気持ちを、思い出して……。洋平には嫌われてるって思ってたから、もうどうにもならないってわかってたけど、でもそれでもそのまま楓くんと付き合い続けるなんてできなくて、だから別れたの……」
伊理穂はそこで一度言葉を切った。
洋平の気持ちは充分に伝わっていたけれど、それでもまだ怖かった。
ふとした拍子に、お前なんて嫌いだよといった、あの日の洋平が脳裏にフラッシュバックする。
震える指で洋平の服の裾をつかむと、伊理穂は期待と不安に揺れる瞳で、おそるおそる洋平を見上げた。
その瞳の奥から真実を探すように、伊理穂はじっと洋平を見つめる。
「洋平、ほんとうに……? わたしがそばにいてもいいの……? 苦しく……ないの? 嫌いじゃ……ない? わたし、洋平の人生をめちゃくちゃにしておいて、それなのに、好きって言ってもらえて……わたしも、好きでいていいの? 洋平……」
「伊理穂……」