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その後頭部を見つめ、思う。
どうして流川はこんなに優しくしてくれるんだろう。
この前言ってたように、自分をバスケ部に引き込んだから? それだけ?
(……少しは、期待してもいいのかな)
心臓がどきどきうるさい。
伊理穂は、健やかな寝息を立て始めた流川の頭を、答えを探すようにじっと見つめた。
三、四時間目は体育の授業だった。
湘北高校の体育は二時間連続で、一組から五組までと、六組から十組までがそれぞれ合同で授業を行う。
伊理穂はジャージに着替えるとグラウンドへ行った。
授業はいくつかの種目から選択制となっており、伊理穂は今期はソフトボールを選択していた。
ちなみに、同じクラスの結子と流川はもちろん、クラスの離れてしまっていた洋平、花道、大楠、野間、高宮の桜木軍団も全員ソフトボール選択だ。
洋平と一緒に授業を受けられるかと思うと、伊理穂は心が弾むのを抑えられなかった。
「なあに、伊理穂。随分はしゃいでるわねえ」
その様子を見かねた結子が声をかけてくる。
伊理穂は満面の笑みで答えた。
「うん! だって、次の体育は洋平と一緒なんだよ。二時間も一緒に授業が受けられるなんて嬉しいっ」
「へえ。それはよかったわね」
「うん!」
苦笑混じりに言う結子に元気に頷くと、伊理穂は集合場所へ走り出した。
洋平たちはもうそこにいた。
性懲りもなく花道が流川に突っかかっているのを、洋平たち桜木軍団が時折はやし立てながら見守っている。
「よーへー!」
手を振りながら叫ぶと、その場にいた全員がこちらを向いた。
「おお、伊理穂」
洋平が笑顔で手をあげる。
伊理穂は洋平まであと三歩のところまで来ると、地面を蹴って洋平の胸に飛び込んだ。
「うおっ」
少しよろめいて、洋平が伊理穂を受け止める。
流川がそれを見て眉を小さく持ち上げた。
洋平はそれには気付かず、伊理穂を優しく引き剥がすと困ったように笑った。
「あぶねえな伊理穂。急に抱きついてくんなよ」
「だってだって洋平と一緒に授業を受けられるなんて嬉しいんだもん」
伊理穂の力説に、洋平が苦笑する。
「天然記念物じゃあるまいし、オレはいつも伊理穂の傍にいるだろ?」
「んー。でもやっぱりクラスの壁は厚いのです」
「へえ」
「なによう。洋平は寂しくないの?」
けろりとした表情で言う洋平に、伊理穂は下唇を突き出した。
高校は、いままでと違って校舎も広いし知らない人も大勢いる。
自分だけがこんな心細い気持ちなんだろうか。
拗ねた表情の伊理穂に、洋平がおかしそうに笑う。
「はいはい。寂しいよ」
どうして流川はこんなに優しくしてくれるんだろう。
この前言ってたように、自分をバスケ部に引き込んだから? それだけ?
(……少しは、期待してもいいのかな)
心臓がどきどきうるさい。
伊理穂は、健やかな寝息を立て始めた流川の頭を、答えを探すようにじっと見つめた。
三、四時間目は体育の授業だった。
湘北高校の体育は二時間連続で、一組から五組までと、六組から十組までがそれぞれ合同で授業を行う。
伊理穂はジャージに着替えるとグラウンドへ行った。
授業はいくつかの種目から選択制となっており、伊理穂は今期はソフトボールを選択していた。
ちなみに、同じクラスの結子と流川はもちろん、クラスの離れてしまっていた洋平、花道、大楠、野間、高宮の桜木軍団も全員ソフトボール選択だ。
洋平と一緒に授業を受けられるかと思うと、伊理穂は心が弾むのを抑えられなかった。
「なあに、伊理穂。随分はしゃいでるわねえ」
その様子を見かねた結子が声をかけてくる。
伊理穂は満面の笑みで答えた。
「うん! だって、次の体育は洋平と一緒なんだよ。二時間も一緒に授業が受けられるなんて嬉しいっ」
「へえ。それはよかったわね」
「うん!」
苦笑混じりに言う結子に元気に頷くと、伊理穂は集合場所へ走り出した。
洋平たちはもうそこにいた。
性懲りもなく花道が流川に突っかかっているのを、洋平たち桜木軍団が時折はやし立てながら見守っている。
「よーへー!」
手を振りながら叫ぶと、その場にいた全員がこちらを向いた。
「おお、伊理穂」
洋平が笑顔で手をあげる。
伊理穂は洋平まであと三歩のところまで来ると、地面を蹴って洋平の胸に飛び込んだ。
「うおっ」
少しよろめいて、洋平が伊理穂を受け止める。
流川がそれを見て眉を小さく持ち上げた。
洋平はそれには気付かず、伊理穂を優しく引き剥がすと困ったように笑った。
「あぶねえな伊理穂。急に抱きついてくんなよ」
「だってだって洋平と一緒に授業を受けられるなんて嬉しいんだもん」
伊理穂の力説に、洋平が苦笑する。
「天然記念物じゃあるまいし、オレはいつも伊理穂の傍にいるだろ?」
「んー。でもやっぱりクラスの壁は厚いのです」
「へえ」
「なによう。洋平は寂しくないの?」
けろりとした表情で言う洋平に、伊理穂は下唇を突き出した。
高校は、いままでと違って校舎も広いし知らない人も大勢いる。
自分だけがこんな心細い気持ちなんだろうか。
拗ねた表情の伊理穂に、洋平がおかしそうに笑う。
「はいはい。寂しいよ」