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二人に案内されて着いた場所はスポーツ公園だった。
結子と三井の二人とはその入り口で別れ、洋平は教えてもらったバスケコートへと急ぐ。
と、そこでひとり自主練をする流川を見つけた瞬間、洋平の体中の血が一気に沸騰した。
「流川!」
ほとんど怒鳴るようにして名前を呼ぶと、洋平は流川のもとへ駆けた。
洋平の感情が怒りに支配されて、冷静さがどんどん失われていく。
洋平は流川の前まで行くと、そのまま流川に掴みかかった。
「お前……伊理穂と別れたってどーいうことだ!? お前が伊理穂を振ったのか!?」
「…………」
答えることはせずに、流川は挑むように洋平をじっと睨んできた。
カッと洋平のからだが熱くなる。
「流川……っ! てめえ、伊理穂のことが好きだって言ってたじゃねえか!!」
「付き合ってみたら顔だけの女だった」
「な……に!?」
さらりと言われた流川の言葉に、洋平は愕然とした。
あまりの驚きで二の句が告げなくなってる洋平を尻目に、流川はさも興味ないとでも言うように、淡々と言葉を紡いでいく。
「話もおもしろくねーし、一緒にいてもつまんねー。それならカラダと思っても、そっちはガード固くてヤらしてもくんねー。そんな女、もういらねー。だから別れた」
「な……!」
洋平の目の前が怒りで真っ赤になった。
あまりの激しい感情に平衡感覚までおかしくなったのか、ぐらっと景色が揺れた。
心臓がドクドクと猛スピードで拍動している。
頭が爆発しそうだ。
「ふざけんな、流川!!」
気づいたときには、洋平は渾身の力で流川を殴っていた。
流川が堪えきれずに、小さく吹っ飛んだ。
洋平はしりもちをついている流川の襟首を掴んで無理矢理立たすと、額がくっつくほど近くに顔を寄せて流川を鋭くにらみつけた。
「お前! 伊理穂のことすっげー好きだって言ってたじゃねーか! 顔じゃなくて、中身が好きだって言ってたじゃねーかよ!! 伊理穂……っ、すっげー幸せそうだったんだ!」
そこまで言って、洋平の目頭が熱くなった。
流川なら伊理穂を大切に守ってくれると思ったのに。
だから二人のためを思って伊理穂から離れる決意をしたのに。
胸に迫る熱いものを必死で押し返しながら、洋平は言葉を続ける。
「お前に惹かれていく伊理穂も、お前と付き合うことになって嬉しそうに笑ってた伊理穂も、悔しいくらいに綺麗で、幸せそうで……っ! オレじゃあ、一生かけてもさせてやれないような笑顔を、伊理穂にさせたのはお前なのに……! なんで、そんな伊理穂の心をズタズタにするようなことを……っ!!」
もうそれ以上は言葉にならなかった。
悔しくて、悲しくて、伊理穂が心配でかわいそうで、色んな感情がない交ぜになって、頭の中がぐちゃぐちゃだった。
よりにもよって流川の別れた理由が、顔だけの女だったからだなんて。
伊理穂が自分のことをそう思って、みんなにほんとうは嫌われているのかもしれないと苦しんでいた事を流川だって知っているはずなのに。
洋平がその事を流川に伝えたとき、ちゃんと流川は伊理穂の中身が好きだと言ってくれていたのに。
(なのになんで!)
伊理穂が今どんな気持ちでいるのかを考えたら気が狂いそうだった。
また自分は顔だけの女だと思って苦しんでるのかもしれない。
ずっと一緒に過ごしてきた幼馴染みには、顔も見たくないくらい嫌われていると思ってて。
信じてた彼氏には付き合ってみたら顔だけだったと言われて。
きっと結子がいてくれなければ、伊理穂は壊れてしまっていたに違いない。
結子と三井の二人とはその入り口で別れ、洋平は教えてもらったバスケコートへと急ぐ。
と、そこでひとり自主練をする流川を見つけた瞬間、洋平の体中の血が一気に沸騰した。
「流川!」
ほとんど怒鳴るようにして名前を呼ぶと、洋平は流川のもとへ駆けた。
洋平の感情が怒りに支配されて、冷静さがどんどん失われていく。
洋平は流川の前まで行くと、そのまま流川に掴みかかった。
「お前……伊理穂と別れたってどーいうことだ!? お前が伊理穂を振ったのか!?」
「…………」
答えることはせずに、流川は挑むように洋平をじっと睨んできた。
カッと洋平のからだが熱くなる。
「流川……っ! てめえ、伊理穂のことが好きだって言ってたじゃねえか!!」
「付き合ってみたら顔だけの女だった」
「な……に!?」
さらりと言われた流川の言葉に、洋平は愕然とした。
あまりの驚きで二の句が告げなくなってる洋平を尻目に、流川はさも興味ないとでも言うように、淡々と言葉を紡いでいく。
「話もおもしろくねーし、一緒にいてもつまんねー。それならカラダと思っても、そっちはガード固くてヤらしてもくんねー。そんな女、もういらねー。だから別れた」
「な……!」
洋平の目の前が怒りで真っ赤になった。
あまりの激しい感情に平衡感覚までおかしくなったのか、ぐらっと景色が揺れた。
心臓がドクドクと猛スピードで拍動している。
頭が爆発しそうだ。
「ふざけんな、流川!!」
気づいたときには、洋平は渾身の力で流川を殴っていた。
流川が堪えきれずに、小さく吹っ飛んだ。
洋平はしりもちをついている流川の襟首を掴んで無理矢理立たすと、額がくっつくほど近くに顔を寄せて流川を鋭くにらみつけた。
「お前! 伊理穂のことすっげー好きだって言ってたじゃねーか! 顔じゃなくて、中身が好きだって言ってたじゃねーかよ!! 伊理穂……っ、すっげー幸せそうだったんだ!」
そこまで言って、洋平の目頭が熱くなった。
流川なら伊理穂を大切に守ってくれると思ったのに。
だから二人のためを思って伊理穂から離れる決意をしたのに。
胸に迫る熱いものを必死で押し返しながら、洋平は言葉を続ける。
「お前に惹かれていく伊理穂も、お前と付き合うことになって嬉しそうに笑ってた伊理穂も、悔しいくらいに綺麗で、幸せそうで……っ! オレじゃあ、一生かけてもさせてやれないような笑顔を、伊理穂にさせたのはお前なのに……! なんで、そんな伊理穂の心をズタズタにするようなことを……っ!!」
もうそれ以上は言葉にならなかった。
悔しくて、悲しくて、伊理穂が心配でかわいそうで、色んな感情がない交ぜになって、頭の中がぐちゃぐちゃだった。
よりにもよって流川の別れた理由が、顔だけの女だったからだなんて。
伊理穂が自分のことをそう思って、みんなにほんとうは嫌われているのかもしれないと苦しんでいた事を流川だって知っているはずなのに。
洋平がその事を流川に伝えたとき、ちゃんと流川は伊理穂の中身が好きだと言ってくれていたのに。
(なのになんで!)
伊理穂が今どんな気持ちでいるのかを考えたら気が狂いそうだった。
また自分は顔だけの女だと思って苦しんでるのかもしれない。
ずっと一緒に過ごしてきた幼馴染みには、顔も見たくないくらい嫌われていると思ってて。
信じてた彼氏には付き合ってみたら顔だけだったと言われて。
きっと結子がいてくれなければ、伊理穂は壊れてしまっていたに違いない。