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夢小説設定
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「よ、へ……?」
まだ眠気に霞む目をこすりながら、伊理穂がゆっくりと体を起こす。
「起きたか?」
「う、ん。ごめんね、いつのまにか寝ちゃってた……?」
「はは、いいよ。部活で疲れてるんだろ?」
「うん……」
言うと、伊理穂が洋平の胸に背中をくっつけてきた。
そのまま体重を預けてくる伊理穂に、洋平は困って眉尻を下げる。
「伊理穂。ほら、寝るんだったらちゃんとベッドで寝ろよ」
「うん。でも、その前に……洋平、バイトは?」
「ん? 採用になったよ。今日はそのまま働いてきた」
「そっか。だから遅かったんだ」
「ああ」
「どこで働くの?」
眠気と戦ってるのか、ぼんやりした声音で伊理穂が訊いてくる。
時折睡魔に負けてがくんと勢い良く前に倒れる頭が危なっかしくて、洋平は伊理穂の頭を自分の胸に押し付けた。
素直に洋平の胸に頭を預けてくる伊理穂がかわいくて、洋平はそんな伊理穂の頭を優しく撫でながら答える。
「駅前の古着屋だよ。伊理穂も行ったことあるだろ?」
「ん、あそこか……。今度、遊びに行ってもい?」
「邪魔しないならな」
「うん……。約束、するよ」
「どうだかな」
こんな事を言えば普段は文句を言ってくるのに、よほど眠いのか今はそれがなかった。
だんだんと自分にかかってくる体重も増してくる。
「伊理穂、今日花道ちゃんと送ってくれたか?」
「うん。自主練に付き合わされたけど、ちゃんと送ってくれた……」
「そっか」
「洋平、明日は?」
「ん?」
「明日、流川くんが、もし洋平がバイトなら自分が送るって……言って、くれて……。明日は、どうなのかなって」
伊理穂の言葉に、洋平の胸がちくりと痛んだ。
それを伊理穂に悟らせないように、洋平はことさら伊理穂の頭を優しく撫でて言ってやる。
「喜べ、伊理穂。明日もオレはバイトだ。だからルカワと一緒に帰れるぞ」
「…………」
「伊理穂?」
急に黙り込んだ伊理穂に、眠ったかと洋平は顔を覗き込んだ。
睡魔に負けて瞳を閉じた伊理穂が、何度か唇をわななかせて、薄くそれを開く。
「……な、いよ」
「ん?」
「流川くんと、一緒に帰れるのも嬉しいけど、やっぱり、ようへ、が、いな……と、さび……しい……よ……」
「……!」
それだけ言うと、急に伊理穂の体が重くなった。
完全に寝入ったんだろう。
あどけない寝顔から、すーすーと規則正しい寝息が聞こえ始める。
「ったく。オレの気持ちなんか気付きもしないくせに、よく言うよな……」
泣きたいような気持ちで洋平はそう呟くと、眠る伊理穂の膝の下に手を入れて、そのまま伊理穂をお姫様抱っこした。
腕の中で眠る伊理穂のおでこに唇を押し当てて、ベッドに寝かせた伊理穂の唇にもう一度キスをする。
伊理穂を見つめる瞳を切なげに揺らしてその髪を撫でると、洋平は自身もベッドの中へ潜り込んだ。
よく伊理穂が泊まりに来るからと弥生がダブルのベッドを買ってくれたおかげで、部屋は狭くなったがこうして二人で寝ても変に体が密着しすぎることはなかった。
「おやすみ、伊理穂」
洋平はこちらを向いて眠る伊理穂のおでこにもう一度だけキスを落とすと、くるりと伊理穂に背を向けて、静かに瞳を閉じた。
To be continued…
まだ眠気に霞む目をこすりながら、伊理穂がゆっくりと体を起こす。
「起きたか?」
「う、ん。ごめんね、いつのまにか寝ちゃってた……?」
「はは、いいよ。部活で疲れてるんだろ?」
「うん……」
言うと、伊理穂が洋平の胸に背中をくっつけてきた。
そのまま体重を預けてくる伊理穂に、洋平は困って眉尻を下げる。
「伊理穂。ほら、寝るんだったらちゃんとベッドで寝ろよ」
「うん。でも、その前に……洋平、バイトは?」
「ん? 採用になったよ。今日はそのまま働いてきた」
「そっか。だから遅かったんだ」
「ああ」
「どこで働くの?」
眠気と戦ってるのか、ぼんやりした声音で伊理穂が訊いてくる。
時折睡魔に負けてがくんと勢い良く前に倒れる頭が危なっかしくて、洋平は伊理穂の頭を自分の胸に押し付けた。
素直に洋平の胸に頭を預けてくる伊理穂がかわいくて、洋平はそんな伊理穂の頭を優しく撫でながら答える。
「駅前の古着屋だよ。伊理穂も行ったことあるだろ?」
「ん、あそこか……。今度、遊びに行ってもい?」
「邪魔しないならな」
「うん……。約束、するよ」
「どうだかな」
こんな事を言えば普段は文句を言ってくるのに、よほど眠いのか今はそれがなかった。
だんだんと自分にかかってくる体重も増してくる。
「伊理穂、今日花道ちゃんと送ってくれたか?」
「うん。自主練に付き合わされたけど、ちゃんと送ってくれた……」
「そっか」
「洋平、明日は?」
「ん?」
「明日、流川くんが、もし洋平がバイトなら自分が送るって……言って、くれて……。明日は、どうなのかなって」
伊理穂の言葉に、洋平の胸がちくりと痛んだ。
それを伊理穂に悟らせないように、洋平はことさら伊理穂の頭を優しく撫でて言ってやる。
「喜べ、伊理穂。明日もオレはバイトだ。だからルカワと一緒に帰れるぞ」
「…………」
「伊理穂?」
急に黙り込んだ伊理穂に、眠ったかと洋平は顔を覗き込んだ。
睡魔に負けて瞳を閉じた伊理穂が、何度か唇をわななかせて、薄くそれを開く。
「……な、いよ」
「ん?」
「流川くんと、一緒に帰れるのも嬉しいけど、やっぱり、ようへ、が、いな……と、さび……しい……よ……」
「……!」
それだけ言うと、急に伊理穂の体が重くなった。
完全に寝入ったんだろう。
あどけない寝顔から、すーすーと規則正しい寝息が聞こえ始める。
「ったく。オレの気持ちなんか気付きもしないくせに、よく言うよな……」
泣きたいような気持ちで洋平はそう呟くと、眠る伊理穂の膝の下に手を入れて、そのまま伊理穂をお姫様抱っこした。
腕の中で眠る伊理穂のおでこに唇を押し当てて、ベッドに寝かせた伊理穂の唇にもう一度キスをする。
伊理穂を見つめる瞳を切なげに揺らしてその髪を撫でると、洋平は自身もベッドの中へ潜り込んだ。
よく伊理穂が泊まりに来るからと弥生がダブルのベッドを買ってくれたおかげで、部屋は狭くなったがこうして二人で寝ても変に体が密着しすぎることはなかった。
「おやすみ、伊理穂」
洋平はこちらを向いて眠る伊理穂のおでこにもう一度だけキスを落とすと、くるりと伊理穂に背を向けて、静かに瞳を閉じた。
To be continued…