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夢小説設定
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「そうみたいね。なんか、ちょっと桜木軍団に対する見方変わるかも」
「まあ、そうは言ってもオレらはあくまで不良だからさ。あんまりそれを忘れると、痛い目見るかもしんねえから、気をつけろよ?」
「大丈夫! そうならないようにわたしが結ちゃん守るから!」
「へーへー。随分頼もしいボディーガードだこと」
「でしょ?」
「ばーか。褒めてねえよ」
伊理穂は得意になって胸を張ると、洋平におでこを弾かれた。
子ども扱いされた気がして、伊理穂はぷぅと小さく頬を膨らませる。
「あ、そうだ! 洋平、今日も練習見に来るよね?」
「今日?」
伊理穂が思い立って訊くと、洋平が小さく首を振った。
「あー、オレ今日はバイトだわ」
「バイト!?」
その単語に伊理穂は驚いて声をあげた。
半分腰を浮かしかけている伊理穂に、洋平がきょとんとした表情で頷き返す。
「そう、バイト。始めるって言っただろ?」
「えぇえ~!? 聞いてないよ、わたし!」
「んん? あれ、まだ言ってなかったか?」
「言ってない!!」
思い出すように天井を眺めながらのんびり零す洋平に、伊理穂は噛み付くように返事をした。
バイトだなんて初耳だ。
自分の知らないうちに洋平がひとりでそんな話を進めていたなんて、ショックだった。今までなんでも話し合ってきたのに。
恨めしげに洋平を睨みつけてやると、洋平が困ったように歪めていた表情を優しく柔らかいものに変えて、伊理穂の頭に手を伸ばしてきた。
優しく撫でられるそれが気持ちよくて、伊理穂は怒っているのについ、口許を緩めてしまう。
「悪かったよ、伊理穂。そんなに怒るなよ。オレ高校入ったらバイトするって言ってただろ? それもあってか、お前にはもう話したつもりだったんだ。……淋しい思いさせたなら謝るよ。ごめんな?」
「……うん」
拗ねたように唇を尖らせながら、伊理穂は言葉を続ける。
「もう次からはないようにしてね?」
「気をつけるよ」
「……じゃあ許してあげる」
「ハハ。ありがたき幸せデス」
洋平は芝居がかった口調でそう言うと、最後にがしがしと伊理穂の頭を強く撫でて、その手を離した。
その様子を黙って眺めていた結子が、同情するように洋平に話しかける。
「……ね。伊理穂って水戸くんに対していつもこんな感じなの? これじゃあ水戸くんも大変ねえ」
「もういい加減なれたよ。毎度のことだもんなー、伊理穂チャンは」
洋平が笑いながら伊理穂の頭をぐりぐりと撫でてくる。
伊理穂はそれを乱暴に振り払った。
「もう、子供扱いしないでよ。……それで! どこでバイトするの?」
「んー。まだ本決まりじゃないんだ。今日は面接」
「面接? じゃあ決まったら教えてくれる?」
「もちろん」
「絶対だからね」
「はいはい」
洋平はおざなりに返事をすると、何かを思い出したように口を開いた。
「ああ、そうだ伊理穂。今日は帰り花道に送ってもらえな。バスケ部、また遅くまでやるんだろ? 花道には頼んであっから」
「あ、うん。わかった」
「まあ、そうは言ってもオレらはあくまで不良だからさ。あんまりそれを忘れると、痛い目見るかもしんねえから、気をつけろよ?」
「大丈夫! そうならないようにわたしが結ちゃん守るから!」
「へーへー。随分頼もしいボディーガードだこと」
「でしょ?」
「ばーか。褒めてねえよ」
伊理穂は得意になって胸を張ると、洋平におでこを弾かれた。
子ども扱いされた気がして、伊理穂はぷぅと小さく頬を膨らませる。
「あ、そうだ! 洋平、今日も練習見に来るよね?」
「今日?」
伊理穂が思い立って訊くと、洋平が小さく首を振った。
「あー、オレ今日はバイトだわ」
「バイト!?」
その単語に伊理穂は驚いて声をあげた。
半分腰を浮かしかけている伊理穂に、洋平がきょとんとした表情で頷き返す。
「そう、バイト。始めるって言っただろ?」
「えぇえ~!? 聞いてないよ、わたし!」
「んん? あれ、まだ言ってなかったか?」
「言ってない!!」
思い出すように天井を眺めながらのんびり零す洋平に、伊理穂は噛み付くように返事をした。
バイトだなんて初耳だ。
自分の知らないうちに洋平がひとりでそんな話を進めていたなんて、ショックだった。今までなんでも話し合ってきたのに。
恨めしげに洋平を睨みつけてやると、洋平が困ったように歪めていた表情を優しく柔らかいものに変えて、伊理穂の頭に手を伸ばしてきた。
優しく撫でられるそれが気持ちよくて、伊理穂は怒っているのについ、口許を緩めてしまう。
「悪かったよ、伊理穂。そんなに怒るなよ。オレ高校入ったらバイトするって言ってただろ? それもあってか、お前にはもう話したつもりだったんだ。……淋しい思いさせたなら謝るよ。ごめんな?」
「……うん」
拗ねたように唇を尖らせながら、伊理穂は言葉を続ける。
「もう次からはないようにしてね?」
「気をつけるよ」
「……じゃあ許してあげる」
「ハハ。ありがたき幸せデス」
洋平は芝居がかった口調でそう言うと、最後にがしがしと伊理穂の頭を強く撫でて、その手を離した。
その様子を黙って眺めていた結子が、同情するように洋平に話しかける。
「……ね。伊理穂って水戸くんに対していつもこんな感じなの? これじゃあ水戸くんも大変ねえ」
「もういい加減なれたよ。毎度のことだもんなー、伊理穂チャンは」
洋平が笑いながら伊理穂の頭をぐりぐりと撫でてくる。
伊理穂はそれを乱暴に振り払った。
「もう、子供扱いしないでよ。……それで! どこでバイトするの?」
「んー。まだ本決まりじゃないんだ。今日は面接」
「面接? じゃあ決まったら教えてくれる?」
「もちろん」
「絶対だからね」
「はいはい」
洋平はおざなりに返事をすると、何かを思い出したように口を開いた。
「ああ、そうだ伊理穂。今日は帰り花道に送ってもらえな。バスケ部、また遅くまでやるんだろ? 花道には頼んであっから」
「あ、うん。わかった」