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「あのみんなの怯えたような目。オレはまあいいとして、伊理穂までオレと一緒に思われてっかもしんねーぞ?」
「え、なんで? 別に大丈夫だよ。今までもそんなことなかったもん」
深刻に言う洋平に、伊理穂はさらりと返した。
幼稚園も小学校も中学校も、伊理穂はずっと洋平にべったりだったけど、それで今まで困ったことなど一度もない。
洋平が何をそんなに心配してるのかわからなくて、伊理穂は眉を寄せた。
そんな伊理穂に、洋平が諭すように言う。
「あのなあ、伊理穂チャン。小学校、中学校はほとんど持ち上がりだったから別にオレらが仲良くたって誰も疑問には思わないだろうけど、高校は違うだろ? オレと伊理穂が仲良くしてっと、伊理穂まで不良の一員に見られちゃうの。わかる? そうなると、伊理穂チャンが花の高校生活送れなくなっちゃうだろ?」
「あ、それってこの前も言ってたやつ? 全然会いに来てくれないのは洋平たちなりに気を使ってるって」
「そうそう」
「でもさ、一緒に登校したりしてるのに、今更じゃない?」
「……まあ、それはそうかもしれねえけどさ。でもほら、この様子だとオレと伊理穂が知り合いだってみんな知らなかったみたいだろ?」
「……確かに」
伊理穂は壁にはりついているクラスメートを眺めて言った。
うむむと唸っていると、そこに険のある結子の声が割り込んだ。
「ちょっとちょっと」
「あ、結ちゃん!」
「あ、結ちゃん、じゃないわよ。いい加減ひと段落ついたんなら、これがどういうことなんだか説明しなさいよ」
「あ、そうだよね」
伊理穂は結子の言葉に頷くと、こほんと咳払いをした。
洋平に右手を向けて、にっこりと微笑む。
「結ちゃん、紹介するね。わたしの幼馴染み、水戸洋平。ご覧の通り筋金入りの不良です」
「水戸……洋平?」
洋平の名前に、結子が訝しげに眉を寄せた。
「え、水戸洋平ってあの……? 和光中の桜木軍団で有名な?」
「あ、そうそう。結ちゃんよく知ってるね!」
「知ってるも何も、この辺りじゃ有名だもの。え、その水戸洋平が伊理穂の幼馴染みなの?」
「うん!」
「え、ほんとうに?」
まだ信じられない様子の結子に、伊理穂はぷうと頬を膨らませた。
「ほんとうっ!」
困ったように眉尻を下げている洋平の腕を取って、伊理穂は結子に仲良しアピールする。
結子は伊理穂と、その隣りで諦めたように嘆息している洋平をしばらくの間見比べて、ふふと笑い声をあげた。
「へえ。そっか。……なんか意外だな。水戸くんってもっと怖い人かと思ってた」
結子のその言葉に、洋平がにやりと口の端を持ち上げる。
「はは。なんだか知らないうちにオレの株が上がってるみたいだけど、本当は久遠さんの思ってる通りの怖い人かもしれないぜ?」
「あら、そんなわけないわよ。もし水戸くんが本当に怖い人なら、伊理穂がこんなにまっすぐいい子に育つわけないもの」
「……なるほど」
「それにしても、わたしの名前、どうして?」
さらさらの髪を肩口で揺らしながら訊ねる結子に、洋平が爽やかに笑う。
「ああ、それは毎日伊理穂から聞いてたから。大人っぽくて優しくて美人な久遠結子ちゃんと友達になったってな。あんたがそうなんだろ?」
「……確かにわたしは久遠結子だけど……。その紹介の仕方も、恥ずかしいわね」
結子は半眼でそう言うと、伊理穂の頬を思いっきりつねった。
「え、なんで? 別に大丈夫だよ。今までもそんなことなかったもん」
深刻に言う洋平に、伊理穂はさらりと返した。
幼稚園も小学校も中学校も、伊理穂はずっと洋平にべったりだったけど、それで今まで困ったことなど一度もない。
洋平が何をそんなに心配してるのかわからなくて、伊理穂は眉を寄せた。
そんな伊理穂に、洋平が諭すように言う。
「あのなあ、伊理穂チャン。小学校、中学校はほとんど持ち上がりだったから別にオレらが仲良くたって誰も疑問には思わないだろうけど、高校は違うだろ? オレと伊理穂が仲良くしてっと、伊理穂まで不良の一員に見られちゃうの。わかる? そうなると、伊理穂チャンが花の高校生活送れなくなっちゃうだろ?」
「あ、それってこの前も言ってたやつ? 全然会いに来てくれないのは洋平たちなりに気を使ってるって」
「そうそう」
「でもさ、一緒に登校したりしてるのに、今更じゃない?」
「……まあ、それはそうかもしれねえけどさ。でもほら、この様子だとオレと伊理穂が知り合いだってみんな知らなかったみたいだろ?」
「……確かに」
伊理穂は壁にはりついているクラスメートを眺めて言った。
うむむと唸っていると、そこに険のある結子の声が割り込んだ。
「ちょっとちょっと」
「あ、結ちゃん!」
「あ、結ちゃん、じゃないわよ。いい加減ひと段落ついたんなら、これがどういうことなんだか説明しなさいよ」
「あ、そうだよね」
伊理穂は結子の言葉に頷くと、こほんと咳払いをした。
洋平に右手を向けて、にっこりと微笑む。
「結ちゃん、紹介するね。わたしの幼馴染み、水戸洋平。ご覧の通り筋金入りの不良です」
「水戸……洋平?」
洋平の名前に、結子が訝しげに眉を寄せた。
「え、水戸洋平ってあの……? 和光中の桜木軍団で有名な?」
「あ、そうそう。結ちゃんよく知ってるね!」
「知ってるも何も、この辺りじゃ有名だもの。え、その水戸洋平が伊理穂の幼馴染みなの?」
「うん!」
「え、ほんとうに?」
まだ信じられない様子の結子に、伊理穂はぷうと頬を膨らませた。
「ほんとうっ!」
困ったように眉尻を下げている洋平の腕を取って、伊理穂は結子に仲良しアピールする。
結子は伊理穂と、その隣りで諦めたように嘆息している洋平をしばらくの間見比べて、ふふと笑い声をあげた。
「へえ。そっか。……なんか意外だな。水戸くんってもっと怖い人かと思ってた」
結子のその言葉に、洋平がにやりと口の端を持ち上げる。
「はは。なんだか知らないうちにオレの株が上がってるみたいだけど、本当は久遠さんの思ってる通りの怖い人かもしれないぜ?」
「あら、そんなわけないわよ。もし水戸くんが本当に怖い人なら、伊理穂がこんなにまっすぐいい子に育つわけないもの」
「……なるほど」
「それにしても、わたしの名前、どうして?」
さらさらの髪を肩口で揺らしながら訊ねる結子に、洋平が爽やかに笑う。
「ああ、それは毎日伊理穂から聞いてたから。大人っぽくて優しくて美人な久遠結子ちゃんと友達になったってな。あんたがそうなんだろ?」
「……確かにわたしは久遠結子だけど……。その紹介の仕方も、恥ずかしいわね」
結子は半眼でそう言うと、伊理穂の頬を思いっきりつねった。