13
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
伊理穂の言葉に、大楠が破顔する。
「はは、いいっていいって伊理穂ちゃん。ほとんどひやかしみたいなもんなんだからさ」
「まったまたそんなこと言って! 大楠くんが仲間想いなの、わたしちゃんと知ってるよ?」
伊理穂が微笑むと、大楠が顔を赤らめた。
洋平はそれを困ったように眺めて、それから項垂れている花道に視線を向ける。
「花道。今日は惜しかったな」
「…………」
黙って言葉を返さない花道に、晴子が眉を下げて言う。
「桜木くん、気にすることないわよう。リバウンド、かっこよかったわよ」
「うぐぅ、ハルコサン……。すみません、オレのせいで……」
「花道……」
丸まった花道の背中を、伊理穂が優しく撫でた。
伊理穂の傍らに立つ流川は、それを無言で見守っている。
この二人は、あれからうまくいっているようだった。
きっと伊理穂も、あの時は『例の夢』を見て気持ちが弱くなっていたのだろう。
仲睦まじそうな二人を見て、洋平は胸に刺すような痛みを感じながらも、微かに口元を綻ばせる。
「よー、花道。これからパーッとご飯でも行こうぜ! 奢るからよ」
「そんな気分になれねえ……」
「あんまり塞ぎこんでるのも良くねぇぜ、花道」
「そうだぜ花道ぃ! 今日は盛り上がろうぜ! な、伊理穂ちゃんも行くよな?」
大楠の声に伊理穂がえっ、と顔をあげた。
一度隣りに立つ流川を見て、それから大楠に視線を戻すと首を横に振る。
「ごめん大楠くん。わたしはこの後ちょっと……」
気まずそうに言葉を濁す伊理穂の腕を、もういいだろうと流川が取った。
「伊理穂、行くぞ」
そのまま伊理穂の腕を引いて、流川は歩き出していく。
「わっ、か、楓くん!? あ、えっと、そういうことだからごめんね! 花道、あんまり気に病んじゃダメだからねー!」
叫ぶようにそれだけ言い残して流川とその場を去っていく伊理穂を、大楠はぽかんとした様子で見送った。
ハッと我に返った大楠が、凶悪に眉を吊り上げる。
「おい、なんで流川のヤローが伊理穂ちゃん連れて帰るんだよ! 今日は洋平がいるだろーが!」
「はは。いや、それがな……」
洋平は噛み付くように言う大楠に苦笑した。
そういえば、大楠たち桜木軍団にはまだ二人のことを話してなかったか。
後ろで晴子が、大楠くん知らないの? と悲しげに瞳を揺らしている。
洋平は腹を決めるように息を吸い込むと、落ち着いて聞けよ、と大楠に向き直った。
「付き合ってんだよ」
「――は!?」
「伊理穂と流川。付き合ってんだ」
洋平の言葉に、大楠、高宮、野間の三人が固まった。
事情を知っていた花道たちは、気まずいのか三人からそれぞれ顔を逸らす。
洋平だけは、大楠をまっすぐ見つめていた。
しばらくは何を言われたのか理解できずに固まっていた大楠が、ゆっくりと息を吸い込んだ。
のろのろと洋平を見上げながら、大楠が信じられないと小さく首を振る。
「……おい、洋平。何言ってんだよ。今日は四月一日じゃねえぜ? つまんねーウソはやめろよ」
「ウソじゃねぇよ。ほんとうだ」
「やめろよ、洋平。笑えねーって。なんの冗談なんだよ、オイ……。ウソだろ……!? 流川と、伊理穂ちゃんが付き合ってるなんて……!!」
大楠はだんだんと声を荒げて、最後は叫ぶように言った。
晴子が瞳を涙でいっぱいにして、大楠に言う。
「はは、いいっていいって伊理穂ちゃん。ほとんどひやかしみたいなもんなんだからさ」
「まったまたそんなこと言って! 大楠くんが仲間想いなの、わたしちゃんと知ってるよ?」
伊理穂が微笑むと、大楠が顔を赤らめた。
洋平はそれを困ったように眺めて、それから項垂れている花道に視線を向ける。
「花道。今日は惜しかったな」
「…………」
黙って言葉を返さない花道に、晴子が眉を下げて言う。
「桜木くん、気にすることないわよう。リバウンド、かっこよかったわよ」
「うぐぅ、ハルコサン……。すみません、オレのせいで……」
「花道……」
丸まった花道の背中を、伊理穂が優しく撫でた。
伊理穂の傍らに立つ流川は、それを無言で見守っている。
この二人は、あれからうまくいっているようだった。
きっと伊理穂も、あの時は『例の夢』を見て気持ちが弱くなっていたのだろう。
仲睦まじそうな二人を見て、洋平は胸に刺すような痛みを感じながらも、微かに口元を綻ばせる。
「よー、花道。これからパーッとご飯でも行こうぜ! 奢るからよ」
「そんな気分になれねえ……」
「あんまり塞ぎこんでるのも良くねぇぜ、花道」
「そうだぜ花道ぃ! 今日は盛り上がろうぜ! な、伊理穂ちゃんも行くよな?」
大楠の声に伊理穂がえっ、と顔をあげた。
一度隣りに立つ流川を見て、それから大楠に視線を戻すと首を横に振る。
「ごめん大楠くん。わたしはこの後ちょっと……」
気まずそうに言葉を濁す伊理穂の腕を、もういいだろうと流川が取った。
「伊理穂、行くぞ」
そのまま伊理穂の腕を引いて、流川は歩き出していく。
「わっ、か、楓くん!? あ、えっと、そういうことだからごめんね! 花道、あんまり気に病んじゃダメだからねー!」
叫ぶようにそれだけ言い残して流川とその場を去っていく伊理穂を、大楠はぽかんとした様子で見送った。
ハッと我に返った大楠が、凶悪に眉を吊り上げる。
「おい、なんで流川のヤローが伊理穂ちゃん連れて帰るんだよ! 今日は洋平がいるだろーが!」
「はは。いや、それがな……」
洋平は噛み付くように言う大楠に苦笑した。
そういえば、大楠たち桜木軍団にはまだ二人のことを話してなかったか。
後ろで晴子が、大楠くん知らないの? と悲しげに瞳を揺らしている。
洋平は腹を決めるように息を吸い込むと、落ち着いて聞けよ、と大楠に向き直った。
「付き合ってんだよ」
「――は!?」
「伊理穂と流川。付き合ってんだ」
洋平の言葉に、大楠、高宮、野間の三人が固まった。
事情を知っていた花道たちは、気まずいのか三人からそれぞれ顔を逸らす。
洋平だけは、大楠をまっすぐ見つめていた。
しばらくは何を言われたのか理解できずに固まっていた大楠が、ゆっくりと息を吸い込んだ。
のろのろと洋平を見上げながら、大楠が信じられないと小さく首を振る。
「……おい、洋平。何言ってんだよ。今日は四月一日じゃねえぜ? つまんねーウソはやめろよ」
「ウソじゃねぇよ。ほんとうだ」
「やめろよ、洋平。笑えねーって。なんの冗談なんだよ、オイ……。ウソだろ……!? 流川と、伊理穂ちゃんが付き合ってるなんて……!!」
大楠はだんだんと声を荒げて、最後は叫ぶように言った。
晴子が瞳を涙でいっぱいにして、大楠に言う。