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夢小説設定
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「おっまえ、マジで何言ってんだ! もう一回言わせろ、マジで何言ってんだ! せめて英語の辞書差し出すならまだしも、英語辞書借りに来たオレがお前の古語辞典借りて、ありがとーって帰ると思ってんのかてめえ!」
三井の剣幕に動じもせず、流川が神妙にこくりと頷く。
それを見て、さらに三井が声を荒げた。
「帰るか、ばかやろうっ! お前、英語の時間にわかんない単語が出てきて古語辞典引くオレの姿想像してみろ! クラスの笑いモンだろうが!」
「ぴったし」
「ぴったしじゃねーっ! クッ、流川……っ! お前ほんとムカツく……っ!」
肩を震わせて言う三井に、流川がやれやれとため息をつく。
その様をずっと見守っていた結子が、呆れたように言葉を挟んだ。
「まあ、流川もどうかと思いますけど、三井先輩……でしたっけ? もう少し声落としたほうがいいんじゃないですか? 何人か怯えてますよ」
「ん? おお、わりぃな……えーと……?」
「久遠です。久遠結子。かわいい伊理穂ちゃんと親友です、どうも」
結子がそっけなく三井に言った。
その態度に、三井が戸惑いがちに唇を持ち上げる。
「なんだ、随分つめてえな」
「伊理穂のここ」
言いながら、結子が自身の右頬を指差した。
険のある視線で三井を睨みつける。
「殴ったのって三井先輩なんですよね?」
その質問に、三井が苦しげに眉を寄せる。
「そ、そうだよ……」
「水戸くんのおかげで伊理穂の頬に痕は残らなかったけれど、女の子の顔を殴るなんて信じられません。なのに、それだけのことをしておいて尚、馴れ馴れしく伊理穂と話すなんて、神経疑っちゃいますけど」
結子の容赦ない言葉を、三井は怒るでもなく真剣な表情で受け止めた。
しばらく三井は押し黙ったあと、呻くように声を出す。
「わかってる……。だから、オレができることはしてやりてぇと思ってる。そんなのでオレがあいつにしたことが消えるなんて思っちゃいねぇけど、こんなオレにも変わらず接してくれるあいつが、せめていつも幸せに笑っていられるように」
「……へえ」
三井の言葉に結子は小さく目を見開いた。
瞳の奥の鋭い光を和らげて、後悔に落ち込む三井ににこりと綺麗に微笑する。
「驚いた。なんだ、ちゃんといい人なんですね、三井先輩。ふうん、伊理穂があんなに三井先輩になつくわけがわかった気がします」
「あ?」
「別に、本気で三井先輩のことあんな風に思ってないですよ、わたし。まあ、かなりグレてたみたいですけど、更生したあとのことも伊理穂からいろいろ聞いてますし。ただ、伊理穂の顔に傷を作ったのはやっぱりちょっと許せなかったんで、少し意地悪言っちゃいました。すみません」
「お……おう」
急に態度を変えた結子に、三井が戸惑ったように頷く。
それを見て流川がふうとため息をついた。
「でも、伊理穂はやんねー」
「ああ!? るっせ、今そういう話じゃねぇだろ!」
再び喧々囂々やりだす二人を結子が呆れた眼差しで見ていると、
「お待たせしましたー」
そこに伊理穂が無邪気に笑いながらやってきた。
伊理穂は諍いあう二人を見て、眉を寄せる。
「またケンカしてるんですか? せっかく辞書持ってきたのに……」
三井の剣幕に動じもせず、流川が神妙にこくりと頷く。
それを見て、さらに三井が声を荒げた。
「帰るか、ばかやろうっ! お前、英語の時間にわかんない単語が出てきて古語辞典引くオレの姿想像してみろ! クラスの笑いモンだろうが!」
「ぴったし」
「ぴったしじゃねーっ! クッ、流川……っ! お前ほんとムカツく……っ!」
肩を震わせて言う三井に、流川がやれやれとため息をつく。
その様をずっと見守っていた結子が、呆れたように言葉を挟んだ。
「まあ、流川もどうかと思いますけど、三井先輩……でしたっけ? もう少し声落としたほうがいいんじゃないですか? 何人か怯えてますよ」
「ん? おお、わりぃな……えーと……?」
「久遠です。久遠結子。かわいい伊理穂ちゃんと親友です、どうも」
結子がそっけなく三井に言った。
その態度に、三井が戸惑いがちに唇を持ち上げる。
「なんだ、随分つめてえな」
「伊理穂のここ」
言いながら、結子が自身の右頬を指差した。
険のある視線で三井を睨みつける。
「殴ったのって三井先輩なんですよね?」
その質問に、三井が苦しげに眉を寄せる。
「そ、そうだよ……」
「水戸くんのおかげで伊理穂の頬に痕は残らなかったけれど、女の子の顔を殴るなんて信じられません。なのに、それだけのことをしておいて尚、馴れ馴れしく伊理穂と話すなんて、神経疑っちゃいますけど」
結子の容赦ない言葉を、三井は怒るでもなく真剣な表情で受け止めた。
しばらく三井は押し黙ったあと、呻くように声を出す。
「わかってる……。だから、オレができることはしてやりてぇと思ってる。そんなのでオレがあいつにしたことが消えるなんて思っちゃいねぇけど、こんなオレにも変わらず接してくれるあいつが、せめていつも幸せに笑っていられるように」
「……へえ」
三井の言葉に結子は小さく目を見開いた。
瞳の奥の鋭い光を和らげて、後悔に落ち込む三井ににこりと綺麗に微笑する。
「驚いた。なんだ、ちゃんといい人なんですね、三井先輩。ふうん、伊理穂があんなに三井先輩になつくわけがわかった気がします」
「あ?」
「別に、本気で三井先輩のことあんな風に思ってないですよ、わたし。まあ、かなりグレてたみたいですけど、更生したあとのことも伊理穂からいろいろ聞いてますし。ただ、伊理穂の顔に傷を作ったのはやっぱりちょっと許せなかったんで、少し意地悪言っちゃいました。すみません」
「お……おう」
急に態度を変えた結子に、三井が戸惑ったように頷く。
それを見て流川がふうとため息をついた。
「でも、伊理穂はやんねー」
「ああ!? るっせ、今そういう話じゃねぇだろ!」
再び喧々囂々やりだす二人を結子が呆れた眼差しで見ていると、
「お待たせしましたー」
そこに伊理穂が無邪気に笑いながらやってきた。
伊理穂は諍いあう二人を見て、眉を寄せる。
「またケンカしてるんですか? せっかく辞書持ってきたのに……」