ケンカの常套句、その結末
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「カレンダー見て、ほんとうに慌てた。どう言って許してもらおうかなって一晩中考えてたんだから」
「そっか」
小さく笑いながら言うと、宗一郎が拗ねたように唇を尖らせた。
滅多に見せない、こどもっぽいその表情がとても愛しい。
「そっかじゃないよ、もう。……また、結花のことこんな風に抱きしめることができて、ほんとうによかった」
一段と腕の力が強くなる。
「宗一郎」
熱を込めて宗一郎を見上げれば、宗一郎が優しく笑って頬に触れた。
そして突然、横を向く。
「それで。いつまで見てくつもりなの、前島」
「!」
宗一郎の言葉にハッとなってそちらを向くと、告白してきたときよりも顔を真っ赤にした前島がいた。
す、すっかり忘れてた……。
急に恥ずかしくなって、慌てて離れようとした体を、宗一郎に強く引き寄せられる。
「そ、宗一郎?」
戸惑って名前を呼べば、宗一郎は優しい笑顔でわたしに微笑んだ後、すぐに表情を引き締めて前島を見る。
前島を鋭く睨む宗一郎の横顔が凛々しくてかっこよくて、そんな場合じゃないのに悔しいくらい胸が高鳴る。
「前島」
宗一郎が穏やかな、だけど強い意志を感じさせる声音で言う。
「俺は確かにバスケバカだし、結花よりもバスケを優先させることも多いけど、それでも結花を好きだって気持ちはお前には負けないよ。俺はそれくらい結花が好きだ。だからお前に結花は渡さない」
「……っそ、そうかよ! なんだよバカップル! 一生そうやって二人でやってりゃいいだろ! バーカ!!」
前島は吐き捨てるようにそれだけ言うと、机を押しのけながら足音も高らかに教室を出て行った。
なんてこどもっぽい捨て台詞だろう。
ばかなの? なんて思って前島の去ったほうをじっと見ていると、再び頬に手が添えられた。
顔をあげると、宗一郎の優しい瞳と視線がぶつかる。
「結花。俺に集中して」
一瞬後、宗一郎の唇がわたしのソレに重なった。
そのやわらかさに、頭が痺れたようになにも考えられなくなる。
啄ばむように何度も何度も口付けされて、呼吸のために口を開けば、再びソレが覆いかぶさってくる。
酸素を吸うために開けた隙間から宗一郎の舌が入り込んできて、口腔内を優しく甘く刺激していく。
「ん……ふぁ……」
いつもよりも激しい宗一郎の行為。
痺れるような感覚が全身に走る。
「そ、いちろ……!」
苦しくなってその胸を叩けば、唇を離した宗一郎が少し高揚した表情で見つめてきた。
どくんと、心臓が銃弾でも撃ち込まれたみたいに大きく反応する。
宗一郎は切なそうな表情で頬に触れてくると、穏やかに微笑んだ。
「結花。今日、俺が部活終わるの待てる?」
心臓が激しく騒ぎ立てて声を出すこともままならないわたしは、ただこくこくと頷いた。
宗一郎が嬉しそうに笑う。
その笑顔に、胸が少しずつ落ち着きを取り戻す。
「ありがとう。今日は久しぶりに一緒に帰ろう」
「うん」
「さっき、嬉しかったよ。前島にあんな風に言ってくれて」
「わたしも、宗一郎が前島に言ってくれた言葉嬉しかった」
「そっか」
宗一郎は優しく笑うと、わたしから体を離した。
自分の机に歩いて言って中から部費を取り出すと、空いたほうの手をこちらへ差し出してくる。
「ほら、結花。行くよ」
「……うん!」
宗一郎と繋がった右手。
以前よりも強い絆を感じた。
「そっか」
小さく笑いながら言うと、宗一郎が拗ねたように唇を尖らせた。
滅多に見せない、こどもっぽいその表情がとても愛しい。
「そっかじゃないよ、もう。……また、結花のことこんな風に抱きしめることができて、ほんとうによかった」
一段と腕の力が強くなる。
「宗一郎」
熱を込めて宗一郎を見上げれば、宗一郎が優しく笑って頬に触れた。
そして突然、横を向く。
「それで。いつまで見てくつもりなの、前島」
「!」
宗一郎の言葉にハッとなってそちらを向くと、告白してきたときよりも顔を真っ赤にした前島がいた。
す、すっかり忘れてた……。
急に恥ずかしくなって、慌てて離れようとした体を、宗一郎に強く引き寄せられる。
「そ、宗一郎?」
戸惑って名前を呼べば、宗一郎は優しい笑顔でわたしに微笑んだ後、すぐに表情を引き締めて前島を見る。
前島を鋭く睨む宗一郎の横顔が凛々しくてかっこよくて、そんな場合じゃないのに悔しいくらい胸が高鳴る。
「前島」
宗一郎が穏やかな、だけど強い意志を感じさせる声音で言う。
「俺は確かにバスケバカだし、結花よりもバスケを優先させることも多いけど、それでも結花を好きだって気持ちはお前には負けないよ。俺はそれくらい結花が好きだ。だからお前に結花は渡さない」
「……っそ、そうかよ! なんだよバカップル! 一生そうやって二人でやってりゃいいだろ! バーカ!!」
前島は吐き捨てるようにそれだけ言うと、机を押しのけながら足音も高らかに教室を出て行った。
なんてこどもっぽい捨て台詞だろう。
ばかなの? なんて思って前島の去ったほうをじっと見ていると、再び頬に手が添えられた。
顔をあげると、宗一郎の優しい瞳と視線がぶつかる。
「結花。俺に集中して」
一瞬後、宗一郎の唇がわたしのソレに重なった。
そのやわらかさに、頭が痺れたようになにも考えられなくなる。
啄ばむように何度も何度も口付けされて、呼吸のために口を開けば、再びソレが覆いかぶさってくる。
酸素を吸うために開けた隙間から宗一郎の舌が入り込んできて、口腔内を優しく甘く刺激していく。
「ん……ふぁ……」
いつもよりも激しい宗一郎の行為。
痺れるような感覚が全身に走る。
「そ、いちろ……!」
苦しくなってその胸を叩けば、唇を離した宗一郎が少し高揚した表情で見つめてきた。
どくんと、心臓が銃弾でも撃ち込まれたみたいに大きく反応する。
宗一郎は切なそうな表情で頬に触れてくると、穏やかに微笑んだ。
「結花。今日、俺が部活終わるの待てる?」
心臓が激しく騒ぎ立てて声を出すこともままならないわたしは、ただこくこくと頷いた。
宗一郎が嬉しそうに笑う。
その笑顔に、胸が少しずつ落ち着きを取り戻す。
「ありがとう。今日は久しぶりに一緒に帰ろう」
「うん」
「さっき、嬉しかったよ。前島にあんな風に言ってくれて」
「わたしも、宗一郎が前島に言ってくれた言葉嬉しかった」
「そっか」
宗一郎は優しく笑うと、わたしから体を離した。
自分の机に歩いて言って中から部費を取り出すと、空いたほうの手をこちらへ差し出してくる。
「ほら、結花。行くよ」
「……うん!」
宗一郎と繋がった右手。
以前よりも強い絆を感じた。
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