最終回はナシの方向で
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何を言ってるんだ、この男は。
どこをどうしたらそういう話になるんだろう。
名前は息巻いて言葉を紡ぐ。
「あのねえ、宏明! 彰はわたしが離れてくれないからバスケに集中できないって言ったようなもんでしょ!? それってば、わたしは彰にとって邪魔で負担な存在なんじゃないかってことなの! わかる!?」
「いや、お前それは考えすぎだろ。だいたい万が一仙道があの場面で、オレが彼女のこと大事なんで離れられないんです、なんて言ったら余計監督怒らすだろ? ってか俺にこんな気持ち悪いこと言わせんじゃねえよバカ名前!」
「うう、なによ気持ち悪いってえ……! 宏明はもう少し乙女心を勉強したらどうなの!? だからイケメンなのにモテないのよ!」
「な、それは今関係ないだろ!?」
「大アリよっ!」
名前と越野は静かににらみ合った。
次第に潤んでいく名前の瞳を見て、越野がうっと息をつまらせ、まいったと両手を挙げる。
「わかった。わかったよ、俺の負けだよ。悪かった」
「本当にそう思ってる?」
「思ってるよ」
めんどくさそうに越野が吐き捨てる。
「でもよ、名前。お前ほんとうにそれは考えすぎだって。まあ、お前は知らないのかもしんねえけど、仙道の怠け癖は今に始まったことじゃねえし、だいたい告白だって仙道からなんだろ?」
名前は小さく頷いた。
越野がほらな、と嘆息する。
「だったら安心しろよ。あいつはサボり魔だしどうしようもないやつだけど、ちゃんとほんとにダメなラインはきっちり線引きできるやつだから。アイツがお前のことどう思ってるかなんて、気持ち悪いけど俺には手に取るようにわかんだよ。だから、お前はなんにも気にせずにアイツの隣りでへらへら笑ってりゃいいんだよ。もし本当に仙道の邪魔になってるようなら、そんときは俺が注意してやるから。な?」
「うう、宏明ぃ!」
感極まって名前は越野に抱きついた。
「うわっ」
嫌そうな叫び声をあげる越野を無視して、名前は越野の胸にしがみついて泣き声をあげた。
無理矢理引き剥がそうと奮闘していた越野も、名前のすすり泣く声に気付いてその手を止める。
「ったく、しょうがねえな。今だけだからな」
越野は吐き捨てるようにそう言うと、名前の頭を優しく撫でた。
その温かさに、名前の目からさらに涙が溢れ出す。
「わたし、彰のそばにいてもいいのかなあ?」
「当ったり前だろ、ばーか」
「うん……。ありがとう、宏明」
「おう」
しばらく越野の胸を借りて、名前は今までの不安を洗い流すかのように泣き続けた。
「ふうん。そういうこと、か」
屋上へと続く扉。そこにある窓から、抱き合う名前と越野の姿を見つめて、仙道が小さく呟いた。
暗い表情でそこから視線を外すと、そのまま扉に背を預けて力なく座り込む。
今日は名前の態度が朝からおかしかった。
その原因を考えるために屋上まできて、その扉に手をかけたところで、二人の姿がそこにある窓から目に飛び込んできた。
いつもは扉の窓から屋上を覗いたりなんてしないのに、まるで何かに導かれていたかのようだ。
どこをどうしたらそういう話になるんだろう。
名前は息巻いて言葉を紡ぐ。
「あのねえ、宏明! 彰はわたしが離れてくれないからバスケに集中できないって言ったようなもんでしょ!? それってば、わたしは彰にとって邪魔で負担な存在なんじゃないかってことなの! わかる!?」
「いや、お前それは考えすぎだろ。だいたい万が一仙道があの場面で、オレが彼女のこと大事なんで離れられないんです、なんて言ったら余計監督怒らすだろ? ってか俺にこんな気持ち悪いこと言わせんじゃねえよバカ名前!」
「うう、なによ気持ち悪いってえ……! 宏明はもう少し乙女心を勉強したらどうなの!? だからイケメンなのにモテないのよ!」
「な、それは今関係ないだろ!?」
「大アリよっ!」
名前と越野は静かににらみ合った。
次第に潤んでいく名前の瞳を見て、越野がうっと息をつまらせ、まいったと両手を挙げる。
「わかった。わかったよ、俺の負けだよ。悪かった」
「本当にそう思ってる?」
「思ってるよ」
めんどくさそうに越野が吐き捨てる。
「でもよ、名前。お前ほんとうにそれは考えすぎだって。まあ、お前は知らないのかもしんねえけど、仙道の怠け癖は今に始まったことじゃねえし、だいたい告白だって仙道からなんだろ?」
名前は小さく頷いた。
越野がほらな、と嘆息する。
「だったら安心しろよ。あいつはサボり魔だしどうしようもないやつだけど、ちゃんとほんとにダメなラインはきっちり線引きできるやつだから。アイツがお前のことどう思ってるかなんて、気持ち悪いけど俺には手に取るようにわかんだよ。だから、お前はなんにも気にせずにアイツの隣りでへらへら笑ってりゃいいんだよ。もし本当に仙道の邪魔になってるようなら、そんときは俺が注意してやるから。な?」
「うう、宏明ぃ!」
感極まって名前は越野に抱きついた。
「うわっ」
嫌そうな叫び声をあげる越野を無視して、名前は越野の胸にしがみついて泣き声をあげた。
無理矢理引き剥がそうと奮闘していた越野も、名前のすすり泣く声に気付いてその手を止める。
「ったく、しょうがねえな。今だけだからな」
越野は吐き捨てるようにそう言うと、名前の頭を優しく撫でた。
その温かさに、名前の目からさらに涙が溢れ出す。
「わたし、彰のそばにいてもいいのかなあ?」
「当ったり前だろ、ばーか」
「うん……。ありがとう、宏明」
「おう」
しばらく越野の胸を借りて、名前は今までの不安を洗い流すかのように泣き続けた。
「ふうん。そういうこと、か」
屋上へと続く扉。そこにある窓から、抱き合う名前と越野の姿を見つめて、仙道が小さく呟いた。
暗い表情でそこから視線を外すと、そのまま扉に背を預けて力なく座り込む。
今日は名前の態度が朝からおかしかった。
その原因を考えるために屋上まできて、その扉に手をかけたところで、二人の姿がそこにある窓から目に飛び込んできた。
いつもは扉の窓から屋上を覗いたりなんてしないのに、まるで何かに導かれていたかのようだ。