最終回はナシの方向で
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「名前、一緒にお昼食べよう」
昼休み。それまで沈黙を通していた仙道が、ふいに言い出した。
うん、と喉元まででかかった言葉を名前は必死で飲み込んで、首を横に振る。
「あ、ご、ごめん! わたし、実は先生に呼び出されてて……」
「え?」
「だ、だからごめんねっ!」
「あ、名前!」
戸惑うように眉を下げる仙道を振り返らずに、名前は教室を飛び出した。
駆けて駆けて駆けて屋上に辿りつくと、その扉を乱暴に押し開ける。
今日も屋上には誰もいない。
名前は屋上のフェンスに肘をつくと、そのままそこに額を押し付けた。
あがった息を整える。胸が軋むように痛くて、うまく息が吸えなかった。
「…………」
しばらくそのままの体勢でいると、ギッと屋上の扉が開く音がした。
振り返ればそこには越野の姿。
驚いて名前は目を丸くする。
「宏明?」
「あれ、名前?」
呼びかければ、越野も驚いたようだった。
一瞬目を瞠ってすぐに表情を戻すと、そのまま名前の方へと歩いてくる。
「お前こんなところで何やってんだ? 先生に呼び出されたんじゃなかったのかよ」
「……なんでそれ知ってるの?」
「なんでって……。仙道に聞いたんだよ。なんか仙道、えらく落ち込んでたぜ? お前に避けられてるみたいだって。――なんかあったのか?」
越野の言葉に、名前の目から我慢していた涙が溢れ出した。
「ひ、宏明ぃ!」
「うおっ」
駆け寄った名前を、越野はよろめきながら受け止める。
「お、おい、なんだよ名前。どうしたんだよ!?」
「う、うえ……っ、ひっく……」
「…………」
話そうとしても言葉にならず、ただしゃくりあげるだけの名前の背中を、越野は優しく撫でた。
どれくらいそうしていただろうか。
名前の嗚咽がだいぶ収まってきた頃、越野がゆっくりと口を開く。
「落ち着いたかよ?」
「……うん。ごめん、宏明。ありがと」
「や、別にいーけどよ。……それで、どうしたんだよ。仙道となんかあったんだろ?」
名前は小さく頷くと、越野に昨日のことを話して聞かせた。
昨日、仙道に告げずに練習の応援に行ったこと。
ちょうど体育館に着いたときに、仙道がボールを顔面に受けてうずくまっていたこと。
その時田岡が言った、彼女と付き合ってたるんでるんじゃないかという言葉に、仙道が彼女が離れてくれないからだと答えていたのを聞いたこと。
名前が話し終えると、それまで黙って聞いていた越野が怪訝そうに顔をしかめた。
「はあ、それでなんでお前が泣くんだ?」
「え!? 宏明今の話聞いてなかったの!?」
「いや、聞いてたけど。俺には昨日のも今の話も、仙道の壮絶なのろけ話に聞こえてしょうがないんだが」
「はぁあ!?」
名前は信じられないと言う表情で叫んだ。
昼休み。それまで沈黙を通していた仙道が、ふいに言い出した。
うん、と喉元まででかかった言葉を名前は必死で飲み込んで、首を横に振る。
「あ、ご、ごめん! わたし、実は先生に呼び出されてて……」
「え?」
「だ、だからごめんねっ!」
「あ、名前!」
戸惑うように眉を下げる仙道を振り返らずに、名前は教室を飛び出した。
駆けて駆けて駆けて屋上に辿りつくと、その扉を乱暴に押し開ける。
今日も屋上には誰もいない。
名前は屋上のフェンスに肘をつくと、そのままそこに額を押し付けた。
あがった息を整える。胸が軋むように痛くて、うまく息が吸えなかった。
「…………」
しばらくそのままの体勢でいると、ギッと屋上の扉が開く音がした。
振り返ればそこには越野の姿。
驚いて名前は目を丸くする。
「宏明?」
「あれ、名前?」
呼びかければ、越野も驚いたようだった。
一瞬目を瞠ってすぐに表情を戻すと、そのまま名前の方へと歩いてくる。
「お前こんなところで何やってんだ? 先生に呼び出されたんじゃなかったのかよ」
「……なんでそれ知ってるの?」
「なんでって……。仙道に聞いたんだよ。なんか仙道、えらく落ち込んでたぜ? お前に避けられてるみたいだって。――なんかあったのか?」
越野の言葉に、名前の目から我慢していた涙が溢れ出した。
「ひ、宏明ぃ!」
「うおっ」
駆け寄った名前を、越野はよろめきながら受け止める。
「お、おい、なんだよ名前。どうしたんだよ!?」
「う、うえ……っ、ひっく……」
「…………」
話そうとしても言葉にならず、ただしゃくりあげるだけの名前の背中を、越野は優しく撫でた。
どれくらいそうしていただろうか。
名前の嗚咽がだいぶ収まってきた頃、越野がゆっくりと口を開く。
「落ち着いたかよ?」
「……うん。ごめん、宏明。ありがと」
「や、別にいーけどよ。……それで、どうしたんだよ。仙道となんかあったんだろ?」
名前は小さく頷くと、越野に昨日のことを話して聞かせた。
昨日、仙道に告げずに練習の応援に行ったこと。
ちょうど体育館に着いたときに、仙道がボールを顔面に受けてうずくまっていたこと。
その時田岡が言った、彼女と付き合ってたるんでるんじゃないかという言葉に、仙道が彼女が離れてくれないからだと答えていたのを聞いたこと。
名前が話し終えると、それまで黙って聞いていた越野が怪訝そうに顔をしかめた。
「はあ、それでなんでお前が泣くんだ?」
「え!? 宏明今の話聞いてなかったの!?」
「いや、聞いてたけど。俺には昨日のも今の話も、仙道の壮絶なのろけ話に聞こえてしょうがないんだが」
「はぁあ!?」
名前は信じられないと言う表情で叫んだ。