最終回はナシの方向で
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名前は体育館の扉から顔だけ出すと、不安な気持ちで仙道を見つめた。
仙道は名前の視線に気付くことなく、田岡を見て真剣な表情で首を横に振る。
「いや、だって先生。彼女の方がオレにぞっこんで離れてくれないんです。だからオレのせいじゃない」
(!)
仙道の答えに、名前の胸が急速に温度をなくしていった。
頭が混乱する。
今のはどういう意味だろう?
再び体育館扉の影に身を潜めた名前の耳に、田岡の怒鳴り声が遠くから聞こえてくる。
「そんなこと知るかー! きちんとけじめをつけろ、けじめを! 出来ないなら最初から付き合ったりするな!」
「ちぇっ。厳しいの」
仙道のまいったような呟きを最後に、名前はその場から逃げ出した。
うまく思考が整理できなかった。
どういう意味だろう。今のは一体どういう意味だろう。
先ほどの仙道の言葉が脳内でよみがえる。
『いや、だって先生。彼女の方がオレにぞっこんで離れてくれないんです。だからオレのせいじゃない』
胸が千切れそうに痛い。
それってつまり。
(彰の邪魔になってる、ってこと……?)
「…………」
名前は悄然と自転車置き場へ向かうと、来た道のりに涙のあとを残しながら帰って行った。
次の日、名前は憂鬱な気持ちで教室のドアの前に立っていた。
このドアの先には、仙道がいる。
今一番会いたくない相手だった。
名前ははぁと深くため息をついた。
仙道の邪魔になっているのかもしれない。負担になっているのかもしれない。
そう考え出したら止まらなくて、昨日はちっとも眠ることができなかった。
(かといってここでずっと突っ立ってるわけにもいかないし……。うん、頑張れわたし!)
気合を入れてドアに手をかけたその時、後頭部に物凄い衝撃を受けた。
「いったぁ……! なに、だれ……!?」
怒りに任せて振り向くと、そこには日誌を手にした越野が立っていた。
この痛みは絶対にその日誌で殴ったに違いない。確信を持って名前は越野を睨みつける。
すると越野は、頭を押さえる名前に謝りもせずに、不機嫌に眉を寄せて言った。
「オラ、なにんなとこで突っ立ってんだよ。邪魔だろ? 早く入れよ」
「うっさいなバカ宏明! 今入ろうとしてたのよ!」
「ああ、そうかよ」
越野は興味無さそうにそれだけ言うと、名前が散々開けるのを戸惑った教室のドアを、いとも簡単に開けた。
挙句、ほら、とめんどくさそうに日誌で名前の背中を押してくる。
中へ踏み出す勇気のなかった名前の体は、もつれるようにして教室に転がり込んだ。
「ちょっと押さないでよ!」
「うっせえな。いいから早く入れ」
「むきー! むかつくっ」
「こっちも日直で気が立ってんだよ! 俺の進路を妨げるな」
仙道は名前の視線に気付くことなく、田岡を見て真剣な表情で首を横に振る。
「いや、だって先生。彼女の方がオレにぞっこんで離れてくれないんです。だからオレのせいじゃない」
(!)
仙道の答えに、名前の胸が急速に温度をなくしていった。
頭が混乱する。
今のはどういう意味だろう?
再び体育館扉の影に身を潜めた名前の耳に、田岡の怒鳴り声が遠くから聞こえてくる。
「そんなこと知るかー! きちんとけじめをつけろ、けじめを! 出来ないなら最初から付き合ったりするな!」
「ちぇっ。厳しいの」
仙道のまいったような呟きを最後に、名前はその場から逃げ出した。
うまく思考が整理できなかった。
どういう意味だろう。今のは一体どういう意味だろう。
先ほどの仙道の言葉が脳内でよみがえる。
『いや、だって先生。彼女の方がオレにぞっこんで離れてくれないんです。だからオレのせいじゃない』
胸が千切れそうに痛い。
それってつまり。
(彰の邪魔になってる、ってこと……?)
「…………」
名前は悄然と自転車置き場へ向かうと、来た道のりに涙のあとを残しながら帰って行った。
次の日、名前は憂鬱な気持ちで教室のドアの前に立っていた。
このドアの先には、仙道がいる。
今一番会いたくない相手だった。
名前ははぁと深くため息をついた。
仙道の邪魔になっているのかもしれない。負担になっているのかもしれない。
そう考え出したら止まらなくて、昨日はちっとも眠ることができなかった。
(かといってここでずっと突っ立ってるわけにもいかないし……。うん、頑張れわたし!)
気合を入れてドアに手をかけたその時、後頭部に物凄い衝撃を受けた。
「いったぁ……! なに、だれ……!?」
怒りに任せて振り向くと、そこには日誌を手にした越野が立っていた。
この痛みは絶対にその日誌で殴ったに違いない。確信を持って名前は越野を睨みつける。
すると越野は、頭を押さえる名前に謝りもせずに、不機嫌に眉を寄せて言った。
「オラ、なにんなとこで突っ立ってんだよ。邪魔だろ? 早く入れよ」
「うっさいなバカ宏明! 今入ろうとしてたのよ!」
「ああ、そうかよ」
越野は興味無さそうにそれだけ言うと、名前が散々開けるのを戸惑った教室のドアを、いとも簡単に開けた。
挙句、ほら、とめんどくさそうに日誌で名前の背中を押してくる。
中へ踏み出す勇気のなかった名前の体は、もつれるようにして教室に転がり込んだ。
「ちょっと押さないでよ!」
「うっせえな。いいから早く入れ」
「むきー! むかつくっ」
「こっちも日直で気が立ってんだよ! 俺の進路を妨げるな」