最終回はナシの方向で
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仙道は名前から体を離すと、かきこむようにしてお弁当を食べはじめた。
その様子がかわいくて名前がのんびり眺めていると、仙道が、あ、と呟いて視線を上げた。
「そうだ、名前。日曜日のデートの約束なんだけど、急に部活が入ってダメになっちゃったんだ。名前、楽しみにしてたのにごめん」
「そうなの? いいよ、別に。突然ダメになるのなんていつものことだし」
眉尻を下げてすまなそうに言う仙道に、名前はにこりと笑って見せた。
少し淋しいけれど仕方がない。
だって自分はバスケを一生懸命やっている仙道を好きになったのだ。わがままを言って仙道を困らせたくなんてない。仙道の邪魔や負担にだけは絶対なりたくなかった。
淋しい気持ちを押し隠してにこにこと笑顔を浮かべていると、仙道が名前の頭に手を伸ばした。
「ごめんな」
言いながら優しく頭を撫でてくる。
淋しさに少しだけ冷えた名前の心が、じんわりとあたたかさを取り戻す。
「うん」
小さく微笑むと、仙道が優しく抱きしめてくれた。
視界の隅でうんざりした越野の顔が見えたけれど、名前はそれを無視して仙道に身をゆだねた。
日曜日。
仙道とのデートが突然キャンセルになってしまった名前は、朝から早起きをして台所に立っていた。
昨日の夜から仕込んでおいたレモンの蜂蜜漬け。そのタッパーを冷蔵庫から取り出し、レモンをひとつ摘んで口の中に放り投げる。
舌を刺激する酸っぱさの後に、包み込むような蜂蜜の甘さが広がる。
うん、上出来だ。思って名前はそれを用意しておいた紙袋に入れる。
今日はひとりでショッピングにでも行こうかとも思っていたけれど、久々に仙道の練習を見に行くことに決めた。
突然思い立って変更したから仙道には伝えていないけれど、きっと喜んでくれるだろう。
自分を見つけて嬉しそうに顔をほころばせる仙道を想像して、名前はひとり口を笑みの形にした。
その時、時計代わりにつけていたリビングのテレビから、別の番組のタイトルコールが聞こえてきた。
「やっばい、もうこんな時間!?」
名前はハッと顔をあげると、慌てて今用意した紙袋を手に取った。
その番組が始まる前に家を出る予定だったのにうっかりしていた。
二階の自分の部屋に駆け上がって急いで制服に着替えると、今度は床が抜けそうな勢いで階段を下りて家を飛び出す。
自転車に跨って、弾丸のような速度で道を走り抜けていく。
何度か車に轢かれそうになりながらも、名前は予定通りの時間に陵南高校へと到着した。
「フッ。わたしってば競輪界からスカウトが来るんじゃない?」
そんな事を呟きながら名前は自転車を駐輪場に止めると、額を流れる汗を拭った。
カゴに入れていた紙袋を掴む。
「彰、喜んでくれるかな」
思わず零れた笑みを顔中に広げて、名前は体育館へと向かった。
その様子がかわいくて名前がのんびり眺めていると、仙道が、あ、と呟いて視線を上げた。
「そうだ、名前。日曜日のデートの約束なんだけど、急に部活が入ってダメになっちゃったんだ。名前、楽しみにしてたのにごめん」
「そうなの? いいよ、別に。突然ダメになるのなんていつものことだし」
眉尻を下げてすまなそうに言う仙道に、名前はにこりと笑って見せた。
少し淋しいけれど仕方がない。
だって自分はバスケを一生懸命やっている仙道を好きになったのだ。わがままを言って仙道を困らせたくなんてない。仙道の邪魔や負担にだけは絶対なりたくなかった。
淋しい気持ちを押し隠してにこにこと笑顔を浮かべていると、仙道が名前の頭に手を伸ばした。
「ごめんな」
言いながら優しく頭を撫でてくる。
淋しさに少しだけ冷えた名前の心が、じんわりとあたたかさを取り戻す。
「うん」
小さく微笑むと、仙道が優しく抱きしめてくれた。
視界の隅でうんざりした越野の顔が見えたけれど、名前はそれを無視して仙道に身をゆだねた。
日曜日。
仙道とのデートが突然キャンセルになってしまった名前は、朝から早起きをして台所に立っていた。
昨日の夜から仕込んでおいたレモンの蜂蜜漬け。そのタッパーを冷蔵庫から取り出し、レモンをひとつ摘んで口の中に放り投げる。
舌を刺激する酸っぱさの後に、包み込むような蜂蜜の甘さが広がる。
うん、上出来だ。思って名前はそれを用意しておいた紙袋に入れる。
今日はひとりでショッピングにでも行こうかとも思っていたけれど、久々に仙道の練習を見に行くことに決めた。
突然思い立って変更したから仙道には伝えていないけれど、きっと喜んでくれるだろう。
自分を見つけて嬉しそうに顔をほころばせる仙道を想像して、名前はひとり口を笑みの形にした。
その時、時計代わりにつけていたリビングのテレビから、別の番組のタイトルコールが聞こえてきた。
「やっばい、もうこんな時間!?」
名前はハッと顔をあげると、慌てて今用意した紙袋を手に取った。
その番組が始まる前に家を出る予定だったのにうっかりしていた。
二階の自分の部屋に駆け上がって急いで制服に着替えると、今度は床が抜けそうな勢いで階段を下りて家を飛び出す。
自転車に跨って、弾丸のような速度で道を走り抜けていく。
何度か車に轢かれそうになりながらも、名前は予定通りの時間に陵南高校へと到着した。
「フッ。わたしってば競輪界からスカウトが来るんじゃない?」
そんな事を呟きながら名前は自転車を駐輪場に止めると、額を流れる汗を拭った。
カゴに入れていた紙袋を掴む。
「彰、喜んでくれるかな」
思わず零れた笑みを顔中に広げて、名前は体育館へと向かった。