最終回はナシの方向で
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「はは、彰は相変わらずおっちょこちょいだね。……これからは面倒見てあげられないから、試合前とかの忘れ物には気をつけてね?」
試合前、いつも大事なものは予め名前が用意してあげていたことを思い起こして、名前の目頭が熱くなった。
あんなに涙を流してもまだ枯れることがないなんて、いったい人間の体はどれだけの水分でできてるんだろう。
零れそうになる涙を必死で我慢しながら、名前は言葉を続ける。
「そうだ、宏明にやっぱり先帰るねって言っといて。用事思い出した……って……っ!」
ふいに仙道に抱きしめられた。
名前は驚いて言葉を途切れさせる。
「な、あ、彰……!? ど、どうしたの……!?」
「忘れ物、取りに来た」
「は!? 忘れ物って……、彰の机ならそこに……」
仙道の腕から逃れようとその胸板を押せば、さらに強く引き寄せられた。
「あ、彰……!?」
「ごめん、名前」
「え?」
強まる仙道の腕の力。
小さく震えているように思うのは気のせいだろうか?
「越野に聞いた。昼休みのこと。ごめん、オレ、とんでもない誤解してたみたいで」
「……あ、そ、そっか」
バツが悪くなって名前は言葉を詰まらせる。
「あー、うん。宏明とデキてるってのはウソだけど、でもほら、わたしは彰にとって邪魔なことには変わりないわけだし、だからちゃんと離れるから心配しなくていいよ」
「ダメだよ」
涙が零れないように細心の注意を払いながらそう言うと、仙道が切なげに声を震わせて耳元で囁いた。
どきりと名前の心臓が震える。
「ダメだよ、名前。オレの傍を離れないで。名前のこと、邪魔だなんて思ったことないから」
仙道のその言葉に、名前は目を見開いた。
「う、うそだ……」
否定の言葉が、無意識に口をついて出る。
「うそじゃないよ。ほんとうだよ、名前。オレ、名前のこと邪魔だなんて思ったこと一度もない」
「じ、じゃあ、さっきはなんで……?」
「……名前が、越野のこと好きなんだと思ったから。精一杯の強がりのつもりだったんだ。まさかその事を名前が悩んでたなんて思わなくて……。一番言っちゃいけないこと言って、傷つけてごめん、名前」
名前の体が離されたかと思うと、視界いっぱいに仙道の髪がひろがった。
唇に触れる、仙道のぬくもり。
「ん……!」
吐息をもらせば、そこからあたたかな仙道の舌が侵入してきて、名前の体を痺れさせた。
脳が麻痺して、何も考えられなくなっていく。
「あ、きら……」
吐息にのせて名前を囁くと、頭を掴まれてさらに深く口付けられた。
名前の全てを奪い去っていくかのような激しいそれに、名前の足から力が抜ける。
「おっ、と」
がくんと倒れこみそうになった名前の体を、仙道が慌てて支えた。
泣き腫らした名前の顔を見て切なそうに微笑むと、名前のぷっくり腫れたまぶたに、そっと唇を寄せてくる。
「名前、泣かせてごめんね。でもオレ、名前のこと本気で愛してるんだ。だからこれからもオレの傍にいて?」
「邪魔じゃ、ない?」
「邪魔じゃないよ」
「負担じゃない?」
「まさか。名前はオレの力の源だよ」
「……彰っ!」
名前は仙道の首にしがみついた。
仙道が優しく抱きしめ返してくれる。
「名前、好きだよ」
「わたしも……!」
後日。
名前と仙道の二人は、越野に焼肉を奢らされたのはまた別のお話……。
試合前、いつも大事なものは予め名前が用意してあげていたことを思い起こして、名前の目頭が熱くなった。
あんなに涙を流してもまだ枯れることがないなんて、いったい人間の体はどれだけの水分でできてるんだろう。
零れそうになる涙を必死で我慢しながら、名前は言葉を続ける。
「そうだ、宏明にやっぱり先帰るねって言っといて。用事思い出した……って……っ!」
ふいに仙道に抱きしめられた。
名前は驚いて言葉を途切れさせる。
「な、あ、彰……!? ど、どうしたの……!?」
「忘れ物、取りに来た」
「は!? 忘れ物って……、彰の机ならそこに……」
仙道の腕から逃れようとその胸板を押せば、さらに強く引き寄せられた。
「あ、彰……!?」
「ごめん、名前」
「え?」
強まる仙道の腕の力。
小さく震えているように思うのは気のせいだろうか?
「越野に聞いた。昼休みのこと。ごめん、オレ、とんでもない誤解してたみたいで」
「……あ、そ、そっか」
バツが悪くなって名前は言葉を詰まらせる。
「あー、うん。宏明とデキてるってのはウソだけど、でもほら、わたしは彰にとって邪魔なことには変わりないわけだし、だからちゃんと離れるから心配しなくていいよ」
「ダメだよ」
涙が零れないように細心の注意を払いながらそう言うと、仙道が切なげに声を震わせて耳元で囁いた。
どきりと名前の心臓が震える。
「ダメだよ、名前。オレの傍を離れないで。名前のこと、邪魔だなんて思ったことないから」
仙道のその言葉に、名前は目を見開いた。
「う、うそだ……」
否定の言葉が、無意識に口をついて出る。
「うそじゃないよ。ほんとうだよ、名前。オレ、名前のこと邪魔だなんて思ったこと一度もない」
「じ、じゃあ、さっきはなんで……?」
「……名前が、越野のこと好きなんだと思ったから。精一杯の強がりのつもりだったんだ。まさかその事を名前が悩んでたなんて思わなくて……。一番言っちゃいけないこと言って、傷つけてごめん、名前」
名前の体が離されたかと思うと、視界いっぱいに仙道の髪がひろがった。
唇に触れる、仙道のぬくもり。
「ん……!」
吐息をもらせば、そこからあたたかな仙道の舌が侵入してきて、名前の体を痺れさせた。
脳が麻痺して、何も考えられなくなっていく。
「あ、きら……」
吐息にのせて名前を囁くと、頭を掴まれてさらに深く口付けられた。
名前の全てを奪い去っていくかのような激しいそれに、名前の足から力が抜ける。
「おっ、と」
がくんと倒れこみそうになった名前の体を、仙道が慌てて支えた。
泣き腫らした名前の顔を見て切なそうに微笑むと、名前のぷっくり腫れたまぶたに、そっと唇を寄せてくる。
「名前、泣かせてごめんね。でもオレ、名前のこと本気で愛してるんだ。だからこれからもオレの傍にいて?」
「邪魔じゃ、ない?」
「邪魔じゃないよ」
「負担じゃない?」
「まさか。名前はオレの力の源だよ」
「……彰っ!」
名前は仙道の首にしがみついた。
仙道が優しく抱きしめ返してくれる。
「名前、好きだよ」
「わたしも……!」
後日。
名前と仙道の二人は、越野に焼肉を奢らされたのはまた別のお話……。
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