海に行くのに
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「うっぎゃああああああ!」
名前は目の前の数字を見て絶叫した。
混乱する頭で必死で考える。
どういうことだろう。いったいこれはどういうことだろう。
季節は夏。
彼氏の仙道彰の所属するバスケ部も大きな大会を終えて、これからつかの間のお盆休みに入る。
初めての彼氏と迎える夏休み。
せっかく湘南に生まれたのだからと、今年は海へ行こうと思って、ちょっぴり刺激的な水着を買ったりもしたのに。
それなのに。それなのに!
「ふ、太っちゃったよおおおお!」
うわあああんと名前は体重計の上でうずくまった。
前回計ったときよりも二キロも太っている。
(どうして!?)
今年の夏は海へ行くつもりだったから、大好きなケーキも、誘惑たっぷりのお菓子も、某有名アイスショップのチャレンジ ザ トリプルだって我慢してダイエットに励んでいたのに。
名前は絶望して頭を抱えた。
しゃがみ込んでうんうん唸っていると、リビングから険のある声が飛んできた。
「ちょっと名前!? いつまでお風呂に入ってるのよ! 後がつかえてるのよ!」
姉の凪子(なぎこ)だった。
凪子はお風呂場まで来ると、その扉を開けて中でうずくまる名前を睨んできた。
「あんたねええ。体重計の上で何やってるのよ。お風呂出たんだったらさっさとどきなさいよねえ! こっちは明日デートで早いんだから」
「何よおねーちゃんのバカバカ! わたしだって明日デートで早いもん! デートだからってえばらないでよね! だいたい乙女のお風呂覗くなんてサイテーなんだからっ!」
「別にえばってなんかないでしょお!? だいたい姉妹同士で何言ってんのよ気持ち悪い。誰があんたの裸になんて興味あるもんですか」
凪子は言うと、むんずと名前の首根っこを掴んでその体を扉の外へ放り出した。
「ほら。これからわたしがお風呂入るんだから。しっしっ」
心底うっとうしそうな顔をして追い払うように手を振る凪子を、名前は信じられない気持ちで見つめた。
「なによなによ、おねーちゃんのばかああああっ!」
名前は叫ぶと、自分の部屋へと一目散に駆け上がった。
部屋へ入ると、ベッドの上で光っている携帯電話を見つけた。
名前はそれを手にとって、ディスプレイの表示を見る。
新着メール1件。
インフォメーションを選択してメール画面を起動すると、メールの送り主は仙道からだった。
「あ、彰だ!」
名前はうきうきと届いたメールを開く。
『名前、今なにしてた? 明日は久々のデートだね。名前が行きたがってた海に行こうと思うんだけど、どう?』
本文を読んで、うっと名前は言葉を詰まらせた。
海。行きたい。とってもすっごく魅力的なお誘いだ。だけど。
名前は先ほど乗った体重計の表示を思い出して、重い息を吐いた。
とてもじゃないが海には行けない。
名前は目の前の数字を見て絶叫した。
混乱する頭で必死で考える。
どういうことだろう。いったいこれはどういうことだろう。
季節は夏。
彼氏の仙道彰の所属するバスケ部も大きな大会を終えて、これからつかの間のお盆休みに入る。
初めての彼氏と迎える夏休み。
せっかく湘南に生まれたのだからと、今年は海へ行こうと思って、ちょっぴり刺激的な水着を買ったりもしたのに。
それなのに。それなのに!
「ふ、太っちゃったよおおおお!」
うわあああんと名前は体重計の上でうずくまった。
前回計ったときよりも二キロも太っている。
(どうして!?)
今年の夏は海へ行くつもりだったから、大好きなケーキも、誘惑たっぷりのお菓子も、某有名アイスショップのチャレンジ ザ トリプルだって我慢してダイエットに励んでいたのに。
名前は絶望して頭を抱えた。
しゃがみ込んでうんうん唸っていると、リビングから険のある声が飛んできた。
「ちょっと名前!? いつまでお風呂に入ってるのよ! 後がつかえてるのよ!」
姉の凪子(なぎこ)だった。
凪子はお風呂場まで来ると、その扉を開けて中でうずくまる名前を睨んできた。
「あんたねええ。体重計の上で何やってるのよ。お風呂出たんだったらさっさとどきなさいよねえ! こっちは明日デートで早いんだから」
「何よおねーちゃんのバカバカ! わたしだって明日デートで早いもん! デートだからってえばらないでよね! だいたい乙女のお風呂覗くなんてサイテーなんだからっ!」
「別にえばってなんかないでしょお!? だいたい姉妹同士で何言ってんのよ気持ち悪い。誰があんたの裸になんて興味あるもんですか」
凪子は言うと、むんずと名前の首根っこを掴んでその体を扉の外へ放り出した。
「ほら。これからわたしがお風呂入るんだから。しっしっ」
心底うっとうしそうな顔をして追い払うように手を振る凪子を、名前は信じられない気持ちで見つめた。
「なによなによ、おねーちゃんのばかああああっ!」
名前は叫ぶと、自分の部屋へと一目散に駆け上がった。
部屋へ入ると、ベッドの上で光っている携帯電話を見つけた。
名前はそれを手にとって、ディスプレイの表示を見る。
新着メール1件。
インフォメーションを選択してメール画面を起動すると、メールの送り主は仙道からだった。
「あ、彰だ!」
名前はうきうきと届いたメールを開く。
『名前、今なにしてた? 明日は久々のデートだね。名前が行きたがってた海に行こうと思うんだけど、どう?』
本文を読んで、うっと名前は言葉を詰まらせた。
海。行きたい。とってもすっごく魅力的なお誘いだ。だけど。
名前は先ほど乗った体重計の表示を思い出して、重い息を吐いた。
とてもじゃないが海には行けない。
1/6ページ