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不審に思った神が牧の背後に回った。
「うわ……!」
牧の手をどけて患部を確認すると、神は短く声を上げて普段穏やかな顔を深刻そうに歪めた。
神のその反応に、名前の胸が嫌な音を立てる。
もしかしてケガがひどいのだろうか。
(ど、どうしよう……!)
名前の胸がざわざわと波打つ。
信長も慌てて神のそばに立って牧の肩を確認すると、ハッと言葉をなくした。
牧は二人のその反応に大げさだな……と苦笑しながら再び患部を手で隠す。
「……牧さん。早く保健室へ行ったほうが。すごいアザですよ」
「えっ!?」
名前は神のその言葉に、サッと全身の血の気が引く音を聞いた。
慌てて立ち上がると牧の背後に回りこむ。
無理矢理その手をどかして飛び込んできた光景に、名前の心臓が凍りついた。
牧の肩が、青く変色している。
もしかしたら中で内出血をしているかもしれない。
(ひ、ひどい……!)
名前の頭は一気に混乱した。
どうしようどうしようどうしよう。
こんなケガをさせて。
わたしがボーっとしてたから。
もしもこれがひどいケガだったら……!
名前の顔が青を通り越して白くなる。
どうしよう。どうやって償えばいい。
(だって夏の大会が近いのに……!)
「ま、牧先輩……っ! ご、ごめんなさい!! ほ、保健室……あ、一緒に……っ!」
顔色をなくして慌てふためく名前に、牧がハハッと笑顔を浮かべた。
その額に浮かぶ脂汗を見て、名前の瞳に涙が滲む。
「大丈夫、保健室くらい一人で行けるさ。お前は練習を見てろ」
言って立ち上がると、牧は神と信長を見た。
青ざめて言葉もない様子の信長の頭をぐしゃりと撫で、同じく顔が青ざめてはいるが幾分冷静な神に視線を定めると、牧はゆっくりと口を開く。
「すまないが、俺はちょっと保健室へ行って来る。その間の指示を宮益に頼んでおいてくれ」
「はい」
「ま、牧先輩」
名前の瞳から涙が零れる。
牧はそんな名前と視線を合わせ、名前の頬を流れる涙をそっと拭うと、安心させるように微笑んだ。
「ケガのことなら心配するな。こんなの大したことない。ほら、もう泣きやめ。お前はマネージャーとしてしっかり練習を見てろ。わかったな?」
ぐしゃぐしゃっと名前の頭を撫でて牧は立ち上がった。くるりと踵を返して、体育館を出て行く。
「あ、牧先輩っ!」
名前はその背中を見送って小さく震えた。
どうしようこんなことになってしまって。どうしよう。
名前の胸中をいろんな思いが駆け巡った。
もしも牧の身になにかあったら。
例えばひどい怪我で、もしも夏の大会に間に合わなかったら。
牧はチームの要だ。
攻めのパターンのだいたいに牧が含まれている。
その牧が出れないなんて事になったら。
「うわ……!」
牧の手をどけて患部を確認すると、神は短く声を上げて普段穏やかな顔を深刻そうに歪めた。
神のその反応に、名前の胸が嫌な音を立てる。
もしかしてケガがひどいのだろうか。
(ど、どうしよう……!)
名前の胸がざわざわと波打つ。
信長も慌てて神のそばに立って牧の肩を確認すると、ハッと言葉をなくした。
牧は二人のその反応に大げさだな……と苦笑しながら再び患部を手で隠す。
「……牧さん。早く保健室へ行ったほうが。すごいアザですよ」
「えっ!?」
名前は神のその言葉に、サッと全身の血の気が引く音を聞いた。
慌てて立ち上がると牧の背後に回りこむ。
無理矢理その手をどかして飛び込んできた光景に、名前の心臓が凍りついた。
牧の肩が、青く変色している。
もしかしたら中で内出血をしているかもしれない。
(ひ、ひどい……!)
名前の頭は一気に混乱した。
どうしようどうしようどうしよう。
こんなケガをさせて。
わたしがボーっとしてたから。
もしもこれがひどいケガだったら……!
名前の顔が青を通り越して白くなる。
どうしよう。どうやって償えばいい。
(だって夏の大会が近いのに……!)
「ま、牧先輩……っ! ご、ごめんなさい!! ほ、保健室……あ、一緒に……っ!」
顔色をなくして慌てふためく名前に、牧がハハッと笑顔を浮かべた。
その額に浮かぶ脂汗を見て、名前の瞳に涙が滲む。
「大丈夫、保健室くらい一人で行けるさ。お前は練習を見てろ」
言って立ち上がると、牧は神と信長を見た。
青ざめて言葉もない様子の信長の頭をぐしゃりと撫で、同じく顔が青ざめてはいるが幾分冷静な神に視線を定めると、牧はゆっくりと口を開く。
「すまないが、俺はちょっと保健室へ行って来る。その間の指示を宮益に頼んでおいてくれ」
「はい」
「ま、牧先輩」
名前の瞳から涙が零れる。
牧はそんな名前と視線を合わせ、名前の頬を流れる涙をそっと拭うと、安心させるように微笑んだ。
「ケガのことなら心配するな。こんなの大したことない。ほら、もう泣きやめ。お前はマネージャーとしてしっかり練習を見てろ。わかったな?」
ぐしゃぐしゃっと名前の頭を撫でて牧は立ち上がった。くるりと踵を返して、体育館を出て行く。
「あ、牧先輩っ!」
名前はその背中を見送って小さく震えた。
どうしようこんなことになってしまって。どうしよう。
名前の胸中をいろんな思いが駆け巡った。
もしも牧の身になにかあったら。
例えばひどい怪我で、もしも夏の大会に間に合わなかったら。
牧はチームの要だ。
攻めのパターンのだいたいに牧が含まれている。
その牧が出れないなんて事になったら。