ファミレスを出ると、
外は日が沈み始めていて、夕焼けが空を赤く染めていた。

「手、繋いでいい？」

映画館まで向かう道すがら、私は少し遠慮がちに西くんの顔を覗き込んで聞いてみる。

「ハァ？早速こーゆーことすンのかよ…」

彼は顔を引き攣らせて言った。

「だって…付き合ってるんだし…」

「付き合ってるッて…今さっき付き合ったばっかだろ」

「…わかった…繋いでくれないんだね…」

私がわざとらしく肩を落として悲しげな表情をすると、

「チッ……わかッたよ」

彼は少し乱暴に私の手を取って歩き出した。

なんだかんだで優しい彼の行動に、自然と頬が緩んでしまう。

「何ニヤついてんの」

「ん…別に〜」

私は嬉しくて、繋いだ手をブンブンと振って歩いていた。