「あの…ロクさん、西くんの連絡先とかって持ってますか？」

ダメ元で聞いてみる。
　
「一応持ってるけど」

「えっ、持ってるんですね！？」

まさか持っているとは思わず、つい大きな声が出てしまう。

「うん、ちょっと前までいたリーダーみたいなやつがさ、全員連絡先交換しとけってうるさくて…」

「教えてもらってもいいですか…？」

私は携帯を取り出した。

「んー、いいけど…俺が教えたって言わないでよ〜？」

「それは言うかも…」

「えー！じゃあ教えれないな」

「でも…！私が無理にお願いしたって言います！！」

わたしは、お願いします！と両手を合わせながら伝える。

「えーっ…まぁ、それならいいか…はい、コレ」

ロクさんは渋々携帯を取り出すとしばらく操作した後、西くんの連絡先が書いてある画面を見せてくれた。

「ありがとうございます…‼︎」

私は早速その連絡先をアドレス帳に登録した。

「いえいえー、君には借りもあるしね」

そう言うとロクさんは、何かを思い出したかのように　そうだ、と呟いた。