「…あ！」

部屋に戻ると、まず私はロクさんの元へと駆け寄った。

「腕…ほんとに元通りになってますね」

「ね、言った通りでしょ」

彼は元に戻った腕を曲げては伸ばして見せてくれた。

「……」

視界の端に入っている西くんがこちらを睨んでいるのが分かる。

（…やっぱり…まだ、さっきのこと怒ってるみたい）

ジジジジ…と音がしてまた1人送られてくる。私が隠れるように言ったあの女の子だ。

「あっ！」

女の子は、西くんに気がつくと駆け寄っていった。

「…へぇ、お前すぐ死ぬと思ってたけど、生き残ったのか」

「あ、うん！あの子が隠れててって…」

女の子はこちらを見るとそう言った。
西くんはつられてこちらをみて顔をしかめると、すぐにガンツの方を向いた。

「ガンツ、採点はじめろ」

西くんがそう言うと、ガンツの画面には

［それぢは、ちいてんをはじぬる］

と表示される。

「えっ…まだ全員帰ってきてないのに」

「…みんな、死んじゃったみたいだね」

「…そんな」

他の黒スーツの人たちは戦闘に慣れていそうだったのに…そんなにあのヤギは強かったのだろうか。

［ロク　6てん　total 48てん　あと52てんで　おわり ］

「やっぱりまた6点…」

ロクさんは苦笑いをしながら言った。

［地味女　4てん　total 4てん　あと96てんで　おわり］

（4点…これだけ…？）

どうやら1番小さいヤギはすごく弱かったようだ。