視界が変わり、徐々に体も出てくる。

前回と場所は違うようだが、同じような住宅街だった。

「あれ…ッ？あれッ？」

目の前で先程の女の子が西くんを探しているようで、キョロキョロとしている。

スーツは着ておらず、ボロボロの制服のままだ。

「…こっち！」

私はその子の手を取ると駐車場の車の影に連れて行つた。

「危ないから、ここにいて」

私はそこに女の子を座らせた。

「あの…これって何が起きてるの？」

「正直…私も2回目で、よく分かってないの。でも、すごく危ないから…だからここに隠れてて」

私は女の子にそう言い聞かせると駐車場から出る。

「100点取れば、帰れる。大丈夫…きっとやれる」

フーッと息を吐くと、私は音のする方へ歩き出した。