私が早速小銭を入れると、それぞれ車に繋がっている銃を持った。

「はぁ…何やッてンだ俺…」

西くんはまだ不満げにぶつぶつと文句を垂れている。

しばらくするとゲームがスタートして、車がガタンと揺れた。

すると、画面に向かってゾンビたちがわらわらと歩いてくる。

「わーッ、来た！！！」

「……」

どうやら私は下手なようで、必死にゾンビたちを撃つも次々と攻撃されてしまう。

最初は5個あったライフが早くも2まで減っている。

（西くんは…）

西くんのほうの画面をチラリと見ると、ライフは満タンで怪我も少しもしておらず、次々にゾンビを倒していた。

「西くん強いね…すごい！！」

「よそ見すンな」

「あ…ごめん！」

西くんはあんなに文句を垂れていたわりに集中しているようで、怒られてしまった。

「あ…」

自分の画面に視線を戻すと、ちょうどライフがゼロになってしまった。画面にはゲームオーバーという文字が映し出される。

「…下手くそ」

一緒にプレイしているため西くんのほうもゲームオーバーになってしまったようだ。

「あーごめん！…もっかいやろ？次は頑張るから！！」

なんだか楽しくなって、またもう一度やりたくなってしまう。

「……」

すると、今度は西くんが小銭をいれた。

「え…払ってくれるの？」

「…いいから画面見ろよ」

「あ、うん」

そうして私たちはゾンビゲームを合計5回もやり続けた。