「……」

「……」

一緒に帰ろうと誘ったはいいものの、今回は特に彼に何か聞きたいわけでもなく、何か目的があるわけでもなく…

私たちの間にはひたすら気まずい沈黙が流れていた。

どうしよう…何かこの空気を打開できる方法はないか…

そう必死に考えを巡らせていると、とある建物がふと視界に入ってきた。

（ゲームセンター…）

私は咄嗟にあることを思いついた。

「あ、そうだ…！！」

「…なんだよ、急に」

突然私が大きな声を出したので驚いたようで、肩をビクッとさせて西くんがこちらを睨む。

「またガンツに呼ばれる前に、練習しよ！練習！」

「はァ？急に何言ってンの、お前…」

「いいからいいから！」

私は、意味がわからないと言ったような様子の西くんの背中を押して、ゲームセンターへと入っていった。