「…で、今日は何が聞きたいわけ？」

食事も一段落して、ドリンクバーのジュースを飲んでいると、西くんが本題を切り出した

「…スーツについて」

あの日、スーツを着ずにいた人たちは全員死んでしまった。

それに、私はこの拳で車をひしゃげさせてしまった…。そんなこと普通ありえない。

もしかしたら、あれはスーツのおかげなのではないかと気になっていた。

彼はストローから息を吹き込んでジュースをボコボコと鳴らしていたが、
ちらりとこちらを見ると、パッとストローから口を離した。

「あれ…お前、今スーツ着てンの？」

「うん」

西くんはいつも学校でも制服の下にスーツを着ていたので
私もそうした方がいいのかもしれないと思い、制服の下にスーツを着ていた…スカートの下には着れないので上だけだが。

「ふーん、じゃあ話が早いな」

「…え？」

私は小首を傾げる。

「下もスーツ着てこいよ」

「あ、うん」

私はトイレに行き、スカートの下にスーツを着ると西くんの元へと戻っていった。

「一応、着たけど…」

「外、出ようぜ」

そう言うやいなや、突然西くんは立ち上がった。

「あ…うん！」

会計を済ませて外に出ると、西くんは歩き出した。私はトコトコとついて行く。

しばらくすると着いたのは、ガンツの部屋があるマンションだった。