「質問タイムはもう終わりか？」

西くんはめんどくさそうにそう言った。

「…聞きたいことはまだまだあるよ」

「…おいおい、いつまで人ン家に居座るつもりだよ」

ふと気がつくと、いつの間にかもう日は沈んでいて窓の外は暗くなっていた。

(たしかにあんまり長居すると、西くんのご両親が帰ってきちゃうかも…)

彼の両親に鉢合わせては申し訳ないので、とりあえず今日はこのくらいにしておこう。

「それはたしかに…そろそろ帰ろうかな」

「おう、さっさと帰れよ」

西くんはベッドから立ち上がると急かすように私の横に立った。

「…でも、まだ聞きたいことはいっぱいあるから」

私も立ち上がり西くんと向かい合う。

「はァ？まさか、また来るつもりかよ」

「……そうかもね」

「勘弁してくれよ…」

「別にお家じゃなくてカフェとかでもいいけど…あんまりお邪魔するとお家の人にも悪いし」

「……」

そう言うと、なぜか西くんは黙り込んでしまった。

「…早く帰れよ」

突然低い声で西くんがそう言った。
半ば強引に背中を押されて、私は玄関の外へ追い出されてしまった。

…何か怒らせてしまったのだろうか。たしかに勝手に上がり込んだのは悪かったけれど、タイミング的にそこに怒っているわけではなさそうだ。

(…？？)

私は首を傾げながらお家へ帰った。