「え゛…」

その画面を見て、一瞬身体が固まった。

（好きすぎ！？いやいや、好きじゃないし！！）

特段彼の事を好きという訳では無いけれど、
大勢の前でこんな風に書かれたのが恥ずかしくて、自分の顔が赤くなっていくのが分かる。

「君、あいつのこと好きなんだ」

先程話しかけた大学生くらいの男が、クスッと笑いながらそう言い、

さらにからかうように、

「西くん追いかけすぎ　西くん探しすぎ　西くん好きすぎ…」

と画面の文字を読み返す

「えッ、違います！！追いかけたのは知り合いだったからで…！！好きとかじゃないです！！」

「へぇ〜？」

私は勢いよく反撃したが、大学生くらいの人を含めて黒スーツの人たちはみんなニヤニヤとこちらを見ていた。　

「西〜お前もやるねぇ〜」

「青春だな〜」

などと囃し立てる人たちもいる。

ふと西くんに目をやると、眉間に皺を寄せて、すごく不機嫌そうにしていた。

（え…そんなに嫌…？）

彼を好きなわけではないけど、そこまで嫌そうにされると流石に傷つく…。

そんなことを思っていると、突然西くんは玄関の方へ歩き出した。

しばらくすると玄関から

ガチャッ……ガチャリ

と、部屋を出ていく音がした。