ふと気がつくと、怪物と黒スーツ達は戦いながらだんだんこちらへ近づいて来ていた。

（やばっ…！！こっち来てる！！）

私は咄嗟にそこらへんのガレージに飛び込み、車の影に身を隠す。

次第に戦っている音が大きくなり、ついに怪物と黒スーツたちはガレージのすぐ前まで来て戦い始めた。

黒い球に映し出されていた特徴のように、その怪物はとても大きかった。

顔こそ怪物のようだが身体は人間のような形をしており、袴のようなものを着ている。　

それに、刀のような大きい武器を振りかざしていた。

（あれが…サムライ星人…）

黒いスーツの人たちは戦い慣れているのかうまく攻撃をかわしているが、少し押されているようだった。

『キエエエエエエィ』

突然、怪物が雄叫びをあげだした。

（……！！）

地面が揺れるほどに大きな声で叫んだので、驚きと恐怖で、つい手に力が入る。

すると、突然

『バキッ』

と、私の手のほうから大きな音がした。

「……え」