「海外にもガンツがあるんだよ…それどころか日本各地にガンツは存在してる」

「えッ、そうなの？」

「うん…少なくとも東京、大阪…あと広島にもあるらしい」

彼は楽しそうに語り出した。
そんな彼の様子を見つめていると、なんだかこちらまで楽しい気分になってくる。

「すごいね！」

「だろッ…！！」

彼は興奮気味にバッとこちらを向いた。

「…あ」

「……」

…すると、想像以上に近い位置で目があってしまい、お互い動きが停止する。

心臓がバクバクと鳴り出したが、何故か彼から目が離せない。

「…ンだよ」

「……」

(西くん…まつげ長い)

ふとそんなことを考えてしまい、彼に引き込まれていくようにじっと目を見つめる。

「…ッ、おい」

「あ…っ、ごめん」

ハッと気がつき、私はすぐに俯いた。

「…何…発情してンだよ」

彼は顔を赤くすると視線を下に向けて言った。

「ッ…ごめん」

「……」

私はしばらく俯くと、チラリと西くんのほうへ視線をあげた。

すると、また彼と目が合った。
もう一度引き込まれるように見つめると、今度はお互い何も言葉を発さずに自然と顔が近づいていく。

「……ッ」

「……」

気がつくと、自然に唇が重なっていた。顔が熱くなっていき、赤くなっているであろうことが自分でも分かる。

「……」

そっとお互いの唇が離れると、西くんはゆっくりと私を床に押し倒した。