休暇のふたり【コワ隊】
「おい何してるコワルスキー!早く行くぞ!」
ハッチの外から聞こえる声は何処かいつもよりも明るく、彼の心境がどういうものかを物語っているようだ。
「はいはい、今行きますよ」
まるで子供に向かって言うような声でそう答えた後、レーダーのスイッチをオンにして隊長の待つハッチへ向かった。
別に任務に向かう訳では無い。
今日は動物園は休みで、大きな、重要な任務も無い。そこで、久々に自由行動はどうかと提案した所意外にもすんなりと了承して下さった隊長により新人とリコはそれぞれ新作DVDの調達とパーキーちゃんとデート、そして私と隊長は何処か出掛けようかという話になり現在に至る訳だ。
要するに、休暇である。
まぁしかし、隊長と私はいわゆる恋人関係であるにも関わらず、基本的に集団行動を主とする我々では二人きりの時間などそう作れるものではなく、リコはともかく新人の目を盗んでまでそういう事をする程隊長は執着してない。
ある意味ではこれはいい機会なのかと思う。
「遅いぞコワルスキー。で、アレは正常に機能するのか?」
隊長が指した先には私が先程起動させたレーダーがある。
「ええ、重要な、生死に関わるような任務が必要の場合あのレーダーが反応しこちらの感知機へと反応があります。正直どうでもいい、例えばキツネザルのくだらないいざこざなんかには反応しませんのでゆっくり休暇を楽しめるかと」
「よし、上出来だなコワルスキー」
隊長が満足げに頷いた。それを見て、私も少し笑う。
「じゃあ、行くか」
と言いこちらに手を差し出した。隊長の表情を伺うと微かに頬を染め少し照れくさそうに笑っていた。
私は差し出された手に自身の手を重ねて、きゅっと握った。
「はい、隊長」
*****
「にしてもお前とこうして二人きりで出かけるのも久しぶりだな」
人間に見つからないように人気の少ない道を歩くうち、隊長がそう言った。
「確かにここ最近忙しかったですしね」
まぁそれもあるがな、と意味ありげに呟いた彼に首を傾げる。
「…ほら、あれだ、新人たちもいたし…なかなか二人きりってのも少なかっただろ?」
最初の方はもごもごと誤魔化すような声だったが言い終わる頃には恥ずかしそうな表情でちらとこちらを見ていた。
と、隊長も二人きりの時間が欲しかったんだと知ると途端に嬉しくなった。
「…ですね、では思いきり楽しみましょうか?」
ふふ、と笑って隊長に問いかけると隊長も微笑んでああと返事をした。
ハッチの外から聞こえる声は何処かいつもよりも明るく、彼の心境がどういうものかを物語っているようだ。
「はいはい、今行きますよ」
まるで子供に向かって言うような声でそう答えた後、レーダーのスイッチをオンにして隊長の待つハッチへ向かった。
別に任務に向かう訳では無い。
今日は動物園は休みで、大きな、重要な任務も無い。そこで、久々に自由行動はどうかと提案した所意外にもすんなりと了承して下さった隊長により新人とリコはそれぞれ新作DVDの調達とパーキーちゃんとデート、そして私と隊長は何処か出掛けようかという話になり現在に至る訳だ。
要するに、休暇である。
まぁしかし、隊長と私はいわゆる恋人関係であるにも関わらず、基本的に集団行動を主とする我々では二人きりの時間などそう作れるものではなく、リコはともかく新人の目を盗んでまでそういう事をする程隊長は執着してない。
ある意味ではこれはいい機会なのかと思う。
「遅いぞコワルスキー。で、アレは正常に機能するのか?」
隊長が指した先には私が先程起動させたレーダーがある。
「ええ、重要な、生死に関わるような任務が必要の場合あのレーダーが反応しこちらの感知機へと反応があります。正直どうでもいい、例えばキツネザルのくだらないいざこざなんかには反応しませんのでゆっくり休暇を楽しめるかと」
「よし、上出来だなコワルスキー」
隊長が満足げに頷いた。それを見て、私も少し笑う。
「じゃあ、行くか」
と言いこちらに手を差し出した。隊長の表情を伺うと微かに頬を染め少し照れくさそうに笑っていた。
私は差し出された手に自身の手を重ねて、きゅっと握った。
「はい、隊長」
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「にしてもお前とこうして二人きりで出かけるのも久しぶりだな」
人間に見つからないように人気の少ない道を歩くうち、隊長がそう言った。
「確かにここ最近忙しかったですしね」
まぁそれもあるがな、と意味ありげに呟いた彼に首を傾げる。
「…ほら、あれだ、新人たちもいたし…なかなか二人きりってのも少なかっただろ?」
最初の方はもごもごと誤魔化すような声だったが言い終わる頃には恥ずかしそうな表情でちらとこちらを見ていた。
と、隊長も二人きりの時間が欲しかったんだと知ると途端に嬉しくなった。
「…ですね、では思いきり楽しみましょうか?」
ふふ、と笑って隊長に問いかけると隊長も微笑んでああと返事をした。
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