零の復活
道草という道草を食って八番隊隊舎へ戻る道すがら。当然のように姫華さん親衛隊に絡まれたおかげでさらに時間がかかってしまった。というのも、私が十番隊隊舎前を通りかかったせいなのだが。
絡み文句は定石通り。さらに殴りかかられ、姫華の痛みはこんなもんじゃねえと大義名分を振りかざす。しかし最強なのでダメージはない。強いていうならばカツラの死守に苦労した。カツラの下に隠されているのは濡羽色の艶やかな髪ではなくただのウィッグネットである。誰かに見られるわけにはいかない。
そして適当に付き合ったところで逃げ出した私は、松本副隊長と出会った。
「賀田……あんた、なんでそんなぼろぼろになってんよ!」
恐らく、仕事を抜け出すところだったのだろう彼女は。特に怪我もないが服装のやや乱れた私を見て血相を変えた。その目には涙すら浮かんでいるように見える。
思えば、松本副隊長は夢主がどんな罠にはめられても、何かの間違いだと言って最後まで信じてくれることが多かった。
婦女暴行の容疑をかけられ、目撃者もいると詰められ、隊長として謹慎を言い渡す日番谷隊長。その陰で、隊長も本当はあなたのことを信じているのよと励ましてくれたのは、他でもない松本副隊長だった。何度も何度も夢で見た光景だ。忘れられるはずがない。少々の心臓の痛みをともなって昨日のことのように思い出せる。
「心配してくださってありがとうございます。転んだだけですから、大丈夫です」
「またそんなこと言って……。何かあったら、あたしか日番谷隊長に言うのよ! 京楽隊長でもいいから!」
そう言って、松本副隊長は私を抱き締めた。おっぱいの圧がすごかった。
しかし、夢主というのは本当に仕事にならない。昔はよく書類を押し付けられたものだが、勝手にイベントが発生するおかげで机の前にもほとんど座っていられない。これが現実だったら暴れている。
ようやく八番隊隊舎まで戻ってこれたと思ったら、建物の影からひょこひょことこまねく怪しい手と遭遇するわで精神は摩耗。夢主とはこんなにも忙しい職業だったか。旗の方が私を放っておいてくれないとは。
「何をしていらっしゃるのですか、京楽隊長」
「いやあ、中だと七緒ちゃんの目があって話しにくいからね。今夜一杯どうだい? いい肴があるんだ」
「いえ、せっかくですが誰かに見られると面倒ですので……」
「大丈夫大丈夫。店で飲むわけじゃないし。じゃ、十四郎も誘ってあるから夜になったらまたここで」
「え」
フラグ、イベント、スチル回収。いい加減過労死するんじゃなかろうか。
絡み文句は定石通り。さらに殴りかかられ、姫華の痛みはこんなもんじゃねえと大義名分を振りかざす。しかし最強なのでダメージはない。強いていうならばカツラの死守に苦労した。カツラの下に隠されているのは濡羽色の艶やかな髪ではなくただのウィッグネットである。誰かに見られるわけにはいかない。
そして適当に付き合ったところで逃げ出した私は、松本副隊長と出会った。
「賀田……あんた、なんでそんなぼろぼろになってんよ!」
恐らく、仕事を抜け出すところだったのだろう彼女は。特に怪我もないが服装のやや乱れた私を見て血相を変えた。その目には涙すら浮かんでいるように見える。
思えば、松本副隊長は夢主がどんな罠にはめられても、何かの間違いだと言って最後まで信じてくれることが多かった。
婦女暴行の容疑をかけられ、目撃者もいると詰められ、隊長として謹慎を言い渡す日番谷隊長。その陰で、隊長も本当はあなたのことを信じているのよと励ましてくれたのは、他でもない松本副隊長だった。何度も何度も夢で見た光景だ。忘れられるはずがない。少々の心臓の痛みをともなって昨日のことのように思い出せる。
「心配してくださってありがとうございます。転んだだけですから、大丈夫です」
「またそんなこと言って……。何かあったら、あたしか日番谷隊長に言うのよ! 京楽隊長でもいいから!」
そう言って、松本副隊長は私を抱き締めた。おっぱいの圧がすごかった。
しかし、夢主というのは本当に仕事にならない。昔はよく書類を押し付けられたものだが、勝手にイベントが発生するおかげで机の前にもほとんど座っていられない。これが現実だったら暴れている。
ようやく八番隊隊舎まで戻ってこれたと思ったら、建物の影からひょこひょことこまねく怪しい手と遭遇するわで精神は摩耗。夢主とはこんなにも忙しい職業だったか。旗の方が私を放っておいてくれないとは。
「何をしていらっしゃるのですか、京楽隊長」
「いやあ、中だと七緒ちゃんの目があって話しにくいからね。今夜一杯どうだい? いい肴があるんだ」
「いえ、せっかくですが誰かに見られると面倒ですので……」
「大丈夫大丈夫。店で飲むわけじゃないし。じゃ、十四郎も誘ってあるから夜になったらまたここで」
「え」
フラグ、イベント、スチル回収。いい加減過労死するんじゃなかろうか。
