一筋の光
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私は。私の今は。
煙い。臭い。痛い。辛い。嘔吐。涙。
血の味。霞む視界。動かない身体。
ああ、もどかしい。
こんな状態で意識がまだあるのに怒りさえ感じる。
苛立ちで身体に少しの力を入れれば、お腹からドプリと気持ち悪い液体が流れた感覚がした。
やられたんだ、私。
爆発に巻き込まれたんだ、私。
なんて無様なんだ、私。
いつも皆の足を引っ張っている私は、とうとう人生の終わりに近付いたみたい。
ひんやりとしたコンクリートの地面が生命を吸い取ってるみたいだ。
私は笑う。
それは、自嘲?優越?達成?後悔?
きっと全部だ。全部。ぜんぶゼーンブ。
全部ってなんだろうね。全てかな。
でも、全ても何なんだろうね。
分かんないや、私、馬鹿だから。
アハハ、と笑おうとして。身体が動かない事に、幸せと不幸を同時に感じる。
涙が出た。
私、死ぬのかな。
今さら死への恐怖。
でも直ぐに消えた。
きっと爆発に巻き込まれた時見たいに一瞬だ。
一瞬。
一瞬て何秒?
どうでもいいことに頭が回る。
それは冷静だからか、はたまた狂った頭の現実逃避?
私は笑う。
ルパンたち、無事に逃げれたかな。
私はただの囮。
ルパンたちが無事逃げれるように。
けど足手まといの私は呆気なく殺られて。
次元は、アイツは大丈夫だ。
私の愛した男は実にクールだ。
冷たい方でもかっこいい方でも。
仕事と割り切って私を置いていくだろ。
五エ門は、旅に出そうだ。悔いながら。
不二子は、泣くだろうなぁ。
弱虫巨乳だもの。でもそれが可愛い。
ルパンは・・・悲しむだろうなあ。
諦めが悪いもの。私は直ぐに諦める。
私は笑う。
私は仲間のために死ねるんだ。
いいんだ。これで。
目を閉じる。
深い闇に包まれる。
全ての感覚が無になりつつある。
死に近づく。
なぜ彼らの仲間になったか忘れた。
なぜ次元を男として愛したか忘れた。
なぜ私はここにいるのかを忘れた。
私は私の役目を忘れた。
けれど、これだけは忘れなかった。
私はルパンたちが大好きだ。
みんなみんな大好きだ。
好きで好きで仕方がないんだ。バカヤロー。
死にたくない。
死にたくない。
死にたくない。
私は笑う。
顔をクシャクシャにして。涙を溢して。
皆の傍にいたい。と、願う。
身体は動かない。
痛みも、もう感じない。
死が怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。死にたくない。死にたくない。死にたくない。
心がもがく。
まだ、ここに留まりたいと。
けれど身体が死んでいく。
心と身が離れそうだ。
苦しいよ。どうしようも出来ない。
こんな、暗いところで、私は、一人、
独り、ひとり、ヒトリ。
ドガンとドアを蹴破る音が聞こえた。
幻聴?都合のいい音だ。
私の破れた鼓膜が敏感に反応する。
「##NAME1##!!!!」
一筋の、光。希望。望み。願望。
未来。
何で戻って来たんだ。
阿呆次元。
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