少しずつ
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「じーげんっ!」
・・・また来たのか。
ったく、いいかげんにしろよ。
照りつける日差しの中、俺はうんざりと煙草の火を地面にこすりつけて消した。
彼女は走って俺のもとへ来て、待ちきれないように足をパタパタと動かす。
その度に砂が舞って思わず眉間に皺を寄せる。
「ねえねえ!今日も銃、教えてっ!」
買い与えたばかりのオートを小さな手のひらで小さく弾ませる。
彼女を見下ろすと屈託のない笑顔を向けてきて俺は思わず困惑した。
コイツに銃などという物騒なもんは似合わねえ、と。
俺は溜息を付き、彼女の額にデコピンを食らわせた。
「イッタ!」
「俺がいくら教えても上達しねえじゃねーか、このノーコン!」
フンと鼻であしらい、ジャケットを肩に掲げて歩き出す。
俺がそうすればしょぼくれた彼女はポツポツとついてまわる。
可愛くて憎たらしい彼女は、やっぱり銃に向いていないらしくて。
俺を度々苛立たせた。
五エ門に武術や刀の扱いでも教えてもらえ。そっちの方がお前に合うかもしれない。
俺がそういう度に疲れそうなくらい首を横に振る彼女は、やっぱり愛しくて。
じゃあルパンなんてどうだ。アイツも銃の腕前は確かだぞ。
それでも彼女は首を横に振り、次元がいいの。だなんて可愛く呟きやがる。
それに少しの優越感を覚えてニヤリと笑った頃に、たどり着いた建物のドアを開いた。
その建物のロビーにいた知人に手を上げれば、こっちに来いと合図をされてついていく。
彼女は頭にクエスチョンマークをたくさん並べて首をかしげた。
「ここって?」
「・・・射的場だ」
俺が呟いた途端、うつむいていた顔をガバリと勢いよく俺へと向ける。
まずは初歩から学べ。
彼女と頭をクシャリと撫でれば、一面に俺の好きな花が咲いた。
――――――――。
「ねえー当たんないー」
バキュン!
「ば、バカ野郎!こっち向いて打つんじゃねえ!!」
「へ?今なんて???」
ドキュン!
「耳あて外せ!こ、このノーコンがぁ!!」
「あっ、今ノーコンって言ったでしょ!!」
「おい、だからそれをこっちに向けっ・・・!!」
ドキューン
Fin. 2014/2/7