交差点上
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おやあちらから歩いてくるのはではありませんか。ほんの戯れですれ違いざまに両手を広げて、
「あは、おいでティエリアさん」
無視かい。
予想はしていたが、こちらを無視し流れるように通路の奥に消えていった。
こんな鮮やかに無視を決められるともしやこちらの姿が見えていないのではと不安にもなるが、仕事で意思疎通が取れないわけでもなし、何の変哲もないただの無視なのだった。
これがとても前のこと。
「おいでティエリア!」
は目の前で立ち止まって、大きなため息と共に「馬鹿か。やめろ」とだけ言った。
今更反応されるとも思わず油断しきっていたのが顔に出てしまったのか、「何を呆けている。大体、お前は誰にでもそうちょっかいをかけて回っているのか?さぞ暇なんだろう。全く羨ましい事この上ないな」等とありがたい言葉までいただいてしまった。
「珍しい……」
「何だと?」
「ごめん間違えた。これ以上遊んだりはせず平常業務に戻ります。それでは」
自分今まさに不機嫌です、としか形容できない表情を浮かべる彼に軽い会釈をしてその場を後にすると、なんとなく舌打ちが聞こえた気がした。ああ言ってはいたが、あのティエリアが本気で怒っていたらあんなもんじゃ済まされなかっただろう、くわばらくわばら。
ということで、
「おいで!」
久しぶりにいつものやつをやってみようという気になったのだ。以前誰かが私を怖いもの知らずと噂していたらしいが、我ながらちょっとずつ理由が分かってきたかも。
ところが本人は予想外にも立ち止まってこちらをじっと観察し始めた。
「?」
不意に目が合う。
独特の気迫に圧されて一歩下がると、彼はつかつか歩み寄ってきて素早く背中に腕を回し抱き寄せてくる。
つまり……どういうこと?
相手の奇行に混乱して事態を直視できない。
行き場をなくした両手を上げて無罪を主張していると、ティエリアは頭を擦り寄せて聞いてきた。
「これで満足か?」
「はい、満足してます、本当に」
返答を聞き届けてやっと離れたその顔は涼しいままだ。もしかして私は随分馬鹿なことをやっていたのかもしれない。
「ごめんって、反省するから、あんまりからかわないでね……」
「こっちの台詞だ!」
「あは、おいでティエリアさん」
無視かい。
予想はしていたが、こちらを無視し流れるように通路の奥に消えていった。
こんな鮮やかに無視を決められるともしやこちらの姿が見えていないのではと不安にもなるが、仕事で意思疎通が取れないわけでもなし、何の変哲もないただの無視なのだった。
これがとても前のこと。
「おいでティエリア!」
は目の前で立ち止まって、大きなため息と共に「馬鹿か。やめろ」とだけ言った。
今更反応されるとも思わず油断しきっていたのが顔に出てしまったのか、「何を呆けている。大体、お前は誰にでもそうちょっかいをかけて回っているのか?さぞ暇なんだろう。全く羨ましい事この上ないな」等とありがたい言葉までいただいてしまった。
「珍しい……」
「何だと?」
「ごめん間違えた。これ以上遊んだりはせず平常業務に戻ります。それでは」
自分今まさに不機嫌です、としか形容できない表情を浮かべる彼に軽い会釈をしてその場を後にすると、なんとなく舌打ちが聞こえた気がした。ああ言ってはいたが、あのティエリアが本気で怒っていたらあんなもんじゃ済まされなかっただろう、くわばらくわばら。
ということで、
「おいで!」
久しぶりにいつものやつをやってみようという気になったのだ。以前誰かが私を怖いもの知らずと噂していたらしいが、我ながらちょっとずつ理由が分かってきたかも。
ところが本人は予想外にも立ち止まってこちらをじっと観察し始めた。
「?」
不意に目が合う。
独特の気迫に圧されて一歩下がると、彼はつかつか歩み寄ってきて素早く背中に腕を回し抱き寄せてくる。
つまり……どういうこと?
相手の奇行に混乱して事態を直視できない。
行き場をなくした両手を上げて無罪を主張していると、ティエリアは頭を擦り寄せて聞いてきた。
「これで満足か?」
「はい、満足してます、本当に」
返答を聞き届けてやっと離れたその顔は涼しいままだ。もしかして私は随分馬鹿なことをやっていたのかもしれない。
「ごめんって、反省するから、あんまりからかわないでね……」
「こっちの台詞だ!」
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