腐っても時渡り
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「…――というわけで私の説明はここで終わり、なにか質問はある?」
「いや、特には。あっちの世界についてもなんとなくわかりました」
「じゃあ、次の呼び出しに備えてPSIの練習を…といいたいところだけど」
……?
「私は学校があるから今のところここまでにしましょう」
「…あ、そうか」
そうだそうだ、雨宮さんは学生だ。
私も一応学生だったけどいまはもう学校とか関係ないしね!
あははははは……
「あなたはしばらくここに居たほうがいいわ、まだあいつらも顔を覚えてるだろうから」
あいつらとはもちろんヤーさんのこと。
「うん。雨宮さんが学校終わるまでお掃除とかして待ってるよ」
「もう、桜子でいいって言ってるのに。慣れるまでしかたないと思うけど」
「あはは…ごめん、桜子さん」
…って、なんだこのできたてほやほやカップルみたいな会話は!?
うおおおおお! 百合ではない! 断じて! でも雨宮さんかわいいいなああああ!!
百合萌えはするけど実践する気はさらさらないからね、うん。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
学校じゃ氷の女王かもしれないけど、ここでは普通の女の子だ。
「…こんな会話、ひさしぶりだわ」
「なら、これから毎日しつこいってほど言ってあげれるね」
「フフ…行ってきます」
「行ってらっしゃい、気をつけてね」
扉がしまる。
…さーて、私がやるべきことは?
お、洗濯物けっこうあるな、てやっぱ私がきたからか。
いままで頑張ってくれた血塗れのシャツ…ごめんな、ありがとうてなわけでゴミ箱ぽい。
どうせ落ちない汚れだしね、よし、こいつらをちゃっちゃと片付けて掃除をせねば。
もともとこまめに片付けてることもあってか、掃除も洗濯もはやく終わってしまった。
いやはや雨宮さん…おおっと、桜子さんか。
桜子さんはとても女の子らしい女の子だ。ぬいぐるみもよくみればそこかしこにある、しかもキレイ好き。
「いやー…やることなくなっちった」
あと考えられることは…あ。
紅茶飲もう、って勝手にそういうことしちゃっていいのかな。
ミルクでPSIの実験でもしようか。
うーむ…さざなみも起きない、ときたか。
もうちょいこう、イムェーズィしないとだめかな…
「…ひまだなぁ」
まだ桜子さんにPSIのこと習ってないから色々試してたらかなり怪しまれるだろうし。
やっとこさ波をたてることができてただいま休憩中。
はーやーくーかえってこーないーかなー!
どうせならもうひと眠りしようかしら、てかもうすっかりくつろいじゃってるし。
あ、そういや結構本もたくさんあるんだっけ、文学少女桜子さん。
「ただいま」
「おっじゃましまーす」
…はっ、もう学校が終わる時間か。
「おかえり! ごめんね、勝手に本読んでた」
「いいのよ。それじゃあ二人とも、バーストの訓練をしましょう」
「おう、今日こそマスターしてやっからな!」
よおーし、コツくらいは掴んでおかないとな!
イメージが大事なんだよね、うん、がんばろう。
「なー雨宮、なんでオレと満月で扱いが違うわけ?」
「当たり前でしょ、満月は女の子なのよ」
「ちぇ…まいいか」
手錠ありとなしじゃ全然違いますよ桜子サン…
どちらも離れて桜子さんに触れることに変わらないが。
うし、イメージイメージ…
「しっかりとイメージを練って、外へ放つの、繰り返し行えば簡単に出来るようになるわ」
練る、桜子さんに触るイメージ…飛龍みたくここは手で…
ふとなにかを感じてアゲハの方を見る、おお…これがPSI…さっきのがプレッシャーってやつか。
よし、なんとなくイメージできたぞ、あとはそれを具現化…
「…ぐっ……ううっ…!!」
ぶっへぇ…だみだぁ…
維持がツライな、余計な事を考えるとすぐに切れちゃう。
雑念を取っ払わないと…
…………フッ
「雑念をなくすなんて無理…!」
「なにを思ったか知らないけどあきらめないで」
刻一刻と時間が過ぎていく、私は最初の状態からなにも変わらずに一日が終わった。
「…私、落ちこぼれかなぁ…?」
「お前はまだ一日目だろ? 気にすんなって」
まあオレは天才だから一日目で上達したけどな、と自慢げに言った。
直後に桜子さんにはたかれたわけだが。
「あなただってまだ私にタッチできてないでしょ、まったく…」
「ごめんね桜子さん…うまく上達できるようにがんばるから」
「だからといって無茶なことはしないでね? 夜科も。家では練習せずに休むのよ」
「わーってるって、心配すんなよ」
そうそう、心配しなくていいの、どうせ練習するんだから。
って、それがだめなんだってば。
言っても無駄なのはわかるけどねぇ…
晩御飯も桜子さん特製…うまうま。
本当に申し訳ないです、ごちそうさまでした。
『…やったー! バースト成功ー!』
『ちょ、ちょっとまって、なにかが…キャア!』
え…待って! なんで!? いうことをきかない!
ダメ! どうして! PSIが暴走してるなんて!!
『桜子さん!!』
『満月……ごはん…』
……え?
「…ご飯、満月。朝ごはんだよ、おきて」
「あ…う、うん、おはよう桜子さん」
「早く顔あらってきてね、冷めちゃうから」
ゆ、夢か…なんちゅう単純な夢を…
PSIの練習したからってんな夢見なくたっていいじゃないか…!
ここにいる間、食事は桜子さんが、掃除洗濯は私がすることに決めた。
桜子さんは「満月のほうが仕事量が多い」とすこし渋ったが、そうじゃないと私が申し訳ないと言ったら応じてくれた。
私とすれば、食事を作るほうが一苦労だから正直桜子さんを尊敬する。
「ごはんをここまで美味しくできるとは…!!」
「大げさね」
きれいに桜子さんは笑う、うん、女神…
言っておくけどほんとに百合っ気はないから!
そんな生活をくるくると、PSIは一向に上達しないまま6日目を迎えた。
「才能ないかな…私才能ないかな…ッ!」
「だいじょうぶよ満月、あせらずにゆっくりと訓練すれば…」
「でもさぁ、でもさぁ! さすがにさ!」
上達しないっつっても指一本二本は出た、でもそれしか出ないってのはまずいと思うんだ、私!
桜子さんが学校に行ってる間にやってみたりしたけど、やっぱりできないんだな…
なにが悪いのかな、想像力はあると思ってたんだけどな。
まだ時間はある、と桜子さんは言う。
でも、今日でまたあっちに飛ばされるんだよ、あせっちゃうよ。
さっきから何度も挑戦するけど、何度も失敗する。
才能ないんだぁ…バーストの才能無いのかぁ…
わかったことについてしょんぼりしている視界に携帯をいじる桜子さんがうつる。
「今日の晩ごはん何にする?」
あ。
「今日はお姉さんのお許しでたんでしょ」
ヤバイ。
きた、きたきたきた…
「いらねえ…」
いやだ、いやだ、いやだ、足手まといになりたくない。
「くそ…! もうちょっとなのに…」
「あなたあれ程言ったのに自分の家でも訓練してるわね、休みましょう。脳に負担がかかりすぎてる」
「アゲハ…」
空気がふるえる、なにか得体の知れないものが目の前で膨らんでいる。
私にはその場で見守るしか選択肢はなかった。
「やめて夜科!!」
直後、目の前が光に包まれる。
「!?」
いって…すげぇ力…ここまで吹き飛ばされた。
恐る恐る目を開くと、アゲハの目の前にぽっかりと大きな穴があいているのが見えた。
「そんな…!」
「…わお」
と、感心してる場合じゃない、すぐ呼び出しがかかるんだった、どうしよう。
どうしようどうしよう、まだバーストも出来てないのに…!!
気ばかりが焦る、足手まといだけはいやだ!
「すっっげぇー!! だははは なんだこの穴!? すっげぇぞオレの力ーッ!!
ねェ見た!? 雨宮見てた!? さすがオレ様! オレは天才アゲハ様ー―ッ!!」
ゴキャ!
「謝らないの…? 部屋に極大の穴開けられた女の子に…!! 謝らないの…!?」
「ごッごッごッ ごめんなさァーい!!」
「私にタッチするつもりでアレ出したの? そうなのね?」
「ムッムッムッ 夢中でしたァァ!!」
「…くっ、あはは!」
あ、なんか落ち着いてきた。
よし、これならいける! 大丈夫!
「満月、なに笑って…、っ!?」
リリリリリン…リリリリリン
呼び出しのベルが鳴った。
「ベル…! 予定じゃ二週間くらいって言ってなかったか……!? まだ一週間じゃねェかよ…!」
「あくまで予想は予想…! 準備して…!」
「ういっし! 桜子さん、なるべく足手まといにならないようにするからね!」
覚悟完了だぜ! ってこりゃ違うジャンルだ!
よーし飛ぶよー!
「いい夜科、満月!? 向こうに着いたらまず私と朝河くんを探して!! 準備はいい? 行くわよ!」
「おう!!」
「おっけー!」
景色が急激に消えていく。
気付いた時には…うおおちょっとまて! 受身とか出来ないんだから!
「あべっ! し…てぇえー…」
「今のはなんの叫び声だ?」
「あ、朝河くんだ。えっと…ここは」
「屋上…じゃないか? なぁ、雨宮も夜科もこっちに来てるのか?」
「う、うん、一緒にいたから来てるはずですけど」
ここは、ヒリューのいた屋上か、てことは…
「は…にゃ…!? こりは…どゆこと…!?」
「…よォ」
「どうも」
「…はぁ…」
カブちゃんこんちゃーす! ここからメンツが揃っていくんだなぁ感激だ!
「オイ、とりあえず下に降りようぜ満月、雨宮たち探さねぇと」
「そうだね。えーと…一緒に行きましょう?」
そうカブトに言うと、なんだか複雑な顔をしながらついてきた。
うーむ、これはどう思っているのやら…
「ねーねー、ここ一体どこ? まさかこれってサイレンの仕業?」
「うるせーなァ。黙ってオレについて来い、後で説明してやっからよ」
「もったいぶんじゃねーよ感じ悪う」
ほんとに悪そうな顔してんねカブト。
「ねーキミあいつと知り合い? もしかして彼氏とか?」
「違いますよ」
「フーン…じゃあ今度オレとご飯食べにいかない?」
「…うーん、とりあえずそういうこと言ってる状況じゃないと思います」
「だからさー、ここから出られたら、ね?」
「着いたぜ」
GJヒリュー!
って安心してる暇もなさそう、電話が鳴ってるからもうすぐゲームスタートだろう。
アゲハが電話をとると、前回と同じ声、場所は違うが公衆電話が見えた。
サイレンが鳴る。
目の前で起こっていることなのに、まるで他人事のように状況を見てる自分がいた。
だってここ原作で見たしさ。
桜子さんの説明を聞いていた一人が下品な笑い声をあげた。
…前言撤回、私にものを他人事みたいに見るなんてできなかった。
どう苦しめてやろうか、アゲハが殴った後じゃなんもできそうにないけど…陰湿かつ効果的でないとね。
あ、殴った。
「ブッ殺してやるクソガキー!!」
「おお来いやァ!」
「やめろ夜科!」
「そうだよやめなアゲハ」
「いやお前もなにしてんだよ!」
なに、なにって…
「七年殺しのかまえ」
「かっこいいこと言ってもただのカンチョーじゃねーか!?」
「ただのカンチョーと思うなよ、これは桜子さんへ暴言を吐く者に一生童貞かイ(ピー)でいればいいという思いを込めた特別な…」
「もうやめろ満月!」
…チッ、できることなら挿しこんだ後バーストで蹂躙してやろうかと思ったんだけど。
まあ、まだバーストできてないけどね。
「き、君の話…途中まで面白かったよ…でも全部鵜呑みにはできないな、ここが未来なんて…!」
奥の方の黒い影が動くのが見えた。あれが朧かな?
「面白いじゃないか、僕はキミの話を信じるよ。でも自分の目で確かめなきゃ気が済まない性質でね」
今回のゲームは、ゴールまで含めて危険区域だ。
一歩外に出たら危険、なんてのも間違ってない、なんせあのワームだし。
あ、あ、あ、やばい、外に出る、ちょっとまて。
「みんな外出る前にちょっと待って!」
「な、なんだよ…!?」
「確かめておかないと危険でしょ」
床から崩れた石を数個手にとって外に投げつける。
もう二、三回投げてみて反応をうかがってみるか…
「オイ、なにしてんだ?」
「いやぁ、外に出れば危険区域でしょう? もしかしたら動くものに反応するレーザーとかあるかも知れないじゃないですか」
本当の理由を誤魔化して、また外に投げる。うーん…地面まで届いてるかなぁ。
「…ケッ、馬鹿馬鹿しい、俺は行くぜ」
「お、俺も!」
「まてよお前ら!?」
あーあ…行ってしまった。
「…でも、届いてたらきっとなにか反応はあるはず…それっ!」
それで出現が早まれば何人かは逃げ切れるはずだ、それに賭けるしかない。
いま掴んでる数個を投げて、やめる。
「全員あの朧ってやつに追従しちまった…結局自分で考えちゃいねェ、つられて動いてやがる…!」
「きっかけは望月朧だ…!」
「んー… YES!!」
カブトの指がピッと桜子さんに向かう。
「なァんでオレがむっさい男共の尻を追いかけなきゃいけないのよ」
「バカばっかりだ」
ため息つくなってヒリューさん、カブトがかわいいからいいじゃない。
「これだけゲートが近いなら何事もなく着けるかもしれない…それに、ああなったら何言ってもムダよ」
いちおう、前回で学びました。
でも諦められないだろう。
「どうってことないわ。…信じてもらえないのはいつもの事だし」
…空気がしんみりとしてきた…
私こういう空気苦手なんだよねぇ。
だから…ちょっとづつ、耐えられなく…
うー
「あああああああ! 桜子さん! 私まだバーストマスターしてない! いまからでも練習して間に合う!?」
私がそう叫ぶと、桜子さんは目をぱちくりさせたあと笑ってくれた。
「…そうね、満月の場合はあともうちょっと足りないだけだから…」
「そうだな! なにかアドバイスしてほしかったらこの大天才アゲハ様に聞けよ?」
「え? なに? なんのはなし?」
「ハン、おめェが大天才だったらオレは大大天才だな」
「なにおう!?」
ゴ……
「…!?」
「んな、なに! なんなの!?」
「落ち着いて…」
「今回はどんなトンデモ生物かね…?」
地面が震える、向こう側の砂が盛り上がって…?
いや、違うな…盛り上がってるんじゃない、なにかが出てきてるんだ。
……で、で、で。
デカァー――――――――――ッ!!?
