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繚乱〜朧月

「覚えています。あたしは急いで桜花姐さん達に知らせなきゃって思って、廓を走り回って、その後で、桜花姐さんにはしたないって叱られました」
皐月はそう言って子供らしい笑顔で笑う。
笑い方を忘れた訳ではなかったが、薄い笑顔しか作る事が出来ない私は、そんな皐月が少しだけ、羨ましかった。

いつか、私もまたこんな風に笑えるだろうか。

そんな事を考えて。




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