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繚乱〜伍

「朧月、その…済まない、我慢が」
口付けの合間、近藤が熱い声で朧月に囁く。
その意味は、近藤の足に腰掛けている朧月が一番良く分かっているのだろう、すいと立ち上がると隣の部屋に通じる襖を開く。
そこにあるのは普段、朧月が使うよりも遥かに大きく、厚みもある布団。
ふわりとした感触を足袋越しに感じながら朧月は布団の上を歩き、布団の真ん中で帯に手をかける。
目の前でみるみる解かれる着物に、近藤の体は自然と朧月に近付く。
緋色の襦袢姿で結われた髪を解きながら座り込んだ朧月は、近付く近藤に合わせて振り返り、布団の上でゆっくりと近藤に押し倒されながらその体を抱き締める。
「朧月…」
またも交わされる深い口付け。
二人の体しかない時間、その声は絶えず互いの名を呼ぶ事しかしなかった。



繚乱〜伍


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