片思い*緑谷(爆豪)
「じゃあまた夕食時に会いましょ」
「うん、また後で」
梅雨ちゃんと別れ、自分の部屋に入り荷物を下ろす。
きっと今告白しても…デクくんからいい返事はもらえないだろう。
恋愛なんてしてる暇なさそうだし、デクくんはやる事が沢山あるみたいだし…毎日自主練をしているのも知っている。
そりゃ、私達はプロヒーローになりたくて雄英に来ているんだし優先するべきものは決まっている。けど、恋愛禁止なんてルールもない。
毎日顔を合わせているのだから、想いは増していくに決まっているのに…
「…デクくんは、お茶子ちゃんが好きなのかな…」
あの2人は群を抜いて仲がいいし、よく話しているのも見かける。お茶子ちゃんも、きっと…友達以上には見ている。
そんな2人を見たくなくて、最近どちらにも素っ気なくしてしまう自分が嫌になる。
何も行動してないのにウジウジと悩んで、私は最低だ。
コンコン
「…は〜ぁい」
不意にノック音が聞こえ、上鳴くん辺りかなと思って気の抜けた返事を返す。
「ごめん相澤さん、ちょっといいかな?」
扉の向こうから聞こえたデクくんの声に、ガバッと顔を上げた。