影響力*爆豪
「ひゃ…!いつからいたんですか!?」
「今だよ。留守番は感謝するけどイチャつくようなら帰りな!そら!それとこれお食べ」
リカバリーガールにグイグイと医務室を追い出され、手のひらにペッツを貰った。
「勝己くん、帰ろっか?」
「チッ」
邪魔をされたと思っているのか、勝己くんはいつも通りの不機嫌さに戻っている。
よく分からないけど、勝己くんもう平気かな…?
「寮に戻ったら俺の部屋来い」
「え、どうして?」
「ヤることは決まってんだろうが」
「え…」
勝己はそのまま私の前をスタスタと歩く。
今日は授業の復習もしないといけないのに…寝る時間あるかな。
分からないところあったら、勝己くんに聞けばいっか。
教室に戻りドアに手をかけた時、勝己くんが小さくボソッと呟いた。
「…浮気したら承知しねぇぞ」
「えっ」
「爆豪ー!この前言ってたやつこれに載ってんだよ!見てみろよ!」
勝己くんはいつも通り、切島くん達の輪に戻っていってしまう。
浮気…?もしかして勝己くん、私が浮気していると思ってたのかな…?
だから様子がおかしかった…?でも私浮気なんかしてないし、思ったこともなかったんだけど…
「楓ちゃーん!帰ろ!」
「あっ、うん!」
帰りの支度をしてお茶子ちゃん達と学校を出たあとも、私はその事についてずっと考えていた。
勝己くんが夢に影響されていたと知ったのはまた随分先になる。
Fin