影響力*爆豪
「あ、勝己くん…」
「…てめぇ、半分野郎」
私と轟くんを見て、勝己くんが怒ったように私の腰を引く。
「…どうした、爆豪」
治癒をしていただけだと、勝己くんも分かっているはずだ。
それでも怒りを隠しきれない様子で勝己くんは私と轟くんを引き離す。
「…もう終わったんだろ。行けや」
「あぁ…相澤、ありがとな」
「あ、うん…」
轟くんは不思議そうな表情を浮かべ、お礼を言って医務室を出て行く。
2人きりになった空間で、勝己くんは荒い息を吐きながら私を抱き締めた。
「勝己くん…?」
ポンポン、と勝己くんの背中をあやす様に撫でる。
するとそのまま体重をかけられて長椅子に押し倒された。
「…勝己くん?」
「誰が好きなのか言え」
「へ…」
「お前は誰が好きなんだよ」
普段こんな事言わないのに、勝己くんの私を見る目は少し不安そうだ。
「私が好きなのは、勝己くんだよ。勝己くんだけ好きだよ?」
「…はぁ」
短くため息を吐き、私の首筋にあるキスマークを見て指でなぞる。
「何隠してんだよ」
「え、だって…恥ずかしいよ」
「隠せねぇ様な場所につけりゃ文句ねぇか?」
「や、やだ…」
勝己くんの指が厭らしく鎖骨を撫でて反応してしまう。
「…煽ってんじゃねぇぞ」
「っあー」
勝己くんの鼻先が近づき目を閉じた瞬間。
「全くこんな所でイチャつくんじゃないよ。ここは学校だよ」
いつの間にか帰ってきていたリカバリーガールが怒りながら私達を一蹴した。