影響力*爆豪
「っん…」
不意に唇が重なり、慌てて離れようとしても頭を押さえつけられ口付けが深くなる。
「んぁ…勝己、く…」
勝己くんの胸を叩くと、その腕をがっしりと掴まれた。
しばらく身を任せるしかなく、勝己くんが満足して唇を離す頃には息がすっかり上がっていた。
「っはぁ…勝己くん、どうしたの…?」
「…チッ」
「っひゃぁ…!」
勝己くんはそのまま私を引き寄せて首元にがぶりと噛み付く。
「っい…」
歯を立てられ、ちゅう、と強く吸いつかれた。
「勝己くん…痛いよ…」
「歯ァ立てたんだからあたりめぇだろ」
私の首筋に付いた痕を見て、少し満足気に笑う。
「んじゃ戻るわ」
「っあ、うん…」
「怪我人来ても大した事なかったら治癒すんなよ」
それだけ言い残し、勝己くんは教室へと戻って行った。
…勝己くん、少しは機嫌治ったかな?
「うわぁ…ハッキリ付いてる」
医務室にある鏡に映った自分の首筋には濃くキスマークがついている。
仕方なく結んでいた髪の毛を解いて、バレないように痕を隠した。
「これで分からないよね…」
その後怪我人が来ることも無く、私は医務室の整理をして過ごした。